贅沢に元気な休みのこと


サービス業従事者なのでゴールデンウィークはみなさまをお迎えして忙しくさせていただき、リベンジ消費をしみじみ浴びた。
去年は全然ゴールデン感がなく、ましてや一昨年のゴールデンウィークなんてずっと部屋の中にいたんだから、すごいこと。
5月3日と4日が忙しさのピークで、普段しない肉体労働もしたのでくったくたのへとへとになったのだけど、5日の夜にgommのzineお披露目インスタライブをやったらものすごく元気になってしまった。小1時間、過去のことを話し、zineのことを話し、今後やりたいことを話したら、頭の中にとぐろを巻いていた何かが飛び去ってすごくスッキリしていて、なんだかとても不思議だった。ごまさんにはそういうエネルギーを出す才能があるのかもしれない。もしくは会社でやっていること以外の自主的な活動*1があることを思い出して、頭の中に別な風の通り道ができたのかもしれない。
いずれにせよ贅沢なことでとても嬉しかった。
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昨日5月6日は、元気に寝坊して元気に走って出勤して、元気に終電1本前の電車で退勤した。

今日5月7日はお休みだった。
昨日1件書き忘れたメールのおかげで会社の人から電話がかかってきて9時過ぎに飛び起きた。おかげで美容院に時間通りに行けた。2月以来延びっぱなしになっていた白髪を染めてもらい、ごく僅かにインナーカラーも入れてもらった。20年ぶりにブリーチした。髪を切った朗らかな気持ちで晴天の街を歩いて、美味しそうなパン屋でパンを買い、ふらふらと入ったお洋服屋さんでズボンを衝動買いした。髪を切ると服を買いたくなる。喫茶店でコーヒーを飲みサンドイッチとプリンを食べ、早速お買上げいただいたzineの発送をした。gommの6月のピクニックに必要なものを検索しながら部屋に帰ってきて、実家からの荷物を待ちながら洗濯をし、OVER THE SUNを聞きながら少しやり残した仕事をした。荷物は来て、パンを食べ、レイトショーの映画を観に再び出かけた。
なんと贅沢な1日の過ごし方だろう!

映画は美容師さんに薦めてもらって、髪を切られながらその場で予約した『カモン カモン』。そもそもあまり映画を観ないので感想をうまく表現できないのだけど、見終わった帰り道の耳に入ってくるすべての音がすごく良いものに聞こえた。人の足音や電車の通る音がどれも1つずつ響いてきた。

 

そして明日は元気に会社に行く。

 

さて、そんな元気な私たち*2が作ったzineは下記にて元気に販売中です。届けピクニックパワー💐

 

 

 

 

*1:人はそれを趣味と呼ぶ

*2:ごまさんはワクチン接種3回目で今日は発熱中とのことです、がんばって

4月と5月のこと

4月は2回しかブログを書かなかったようで、なんともったいない。

2月と3月はほとんど具合を悪がったり入院したりしていた分、4月は人並みにいろいろと活動していたはずなのに。休みの日にレンタサイクルで町中を走ったり、それを会社の人に目撃されたりもした。
それと、4月はgommのzineを作って、入稿して、納品された。かわいくできています。
入稿してからいろいろ作りたい欲が出てきて、過去のバンコク旅行日記を慌てて少し整理して入稿した。5月中に納品される予定だが、もっとちゃんと作り直せばよかったと既に後悔している。

そうこうしてたら仕事で色の違う波がいろいろざぶんざぶんと押し寄せてきて、一旦引いたな、と思ったら別の波がまた来て、呆然と立ち尽くすような格好になっている。そのあとにもっと大きい波がいくつも来るのが見えていて、少し腰が引けた状態で立ち尽くしている。
どこかへ逃げて行ってしまいたい気持ちになり、でもどこへ逃げてもどうにもならないので、気を紛らすためにかなりいろいろ食べている。出勤し、会社の机に座って5分でなにか食べたいし、なにか食べた5分後にはまたなにか食べたくなっている。怖い。
バナナと蒸しパンをすごい頻度で食べている。それでも気が落ち着かないので本当はカツ丼を食べたい。カツ丼は気合の食べ物だから。でも流石にそこまでの勇気はない。お腹に怒られるのが怖いのだ。

5月はウィズ・コロナのムード溢れるゴールデンウィークが通り過ぎたら、森道市場に1日だけ行くつもり。

 

4月に読んだもの

『貨物船で太平洋を渡る』めっちゃくちゃ写真が美しいし内容も面白くて、買った甲斐があったな…と鼻息が出た。


『妄想美術館』
世界中行ってみたいところがまだまだ沢山ある。


『にぬき・ビール・デマエ おまちどう!』

『にぬき・ビール・デマエ またきたよ!』
スケラッコさんへの憧れがますます強まる、ビールも一緒に暮らしてるのかわいい。


『私の生活改善活動』
やっと全巻読めた、この形じゃなくてもいいから続編を読みたい…


『るるるるん vol.3-鏡-』
鏡というテーマで3人バラバラに小説を書いているけど、それぞれに水辺が出てきたのが面白かった。


『白ねこ黒ねこ』
ごまさんに勧めてもらって以来すっかりファン、いつか聖地巡礼(鶴見界隈の飲み屋を巡る)しようねと言い合っている。


ブリジット・ジョーンズの日記
これだけ日記に明け暮れてるんだからこれも読んどかないとと、実家に第4刷が発掘されて読みました。想像よりスチャラカな感じだった。

 

冷蔵庫のタイミングのことなど


なんとこのブログとは別に日記を書いており、それを本にしようと思っているこの一ヶ月ほど。
それもこれも先日のgommのzineのための合宿で久しぶりに紙の本を作るための作業をしたがゆえ。ごまさんが別で作っていた、コラージュなどを集めたzineも購入して気持ちが更に高まり、なんか作りたいぞという機運が上昇している。紙の本を作る作業はワクワクするので健康に良い。肩は凝り目が痛くなるが遠目から見たら健康に良いだろう、楽しい気持ちでいるという意味で。
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gommのzineは無事に(恐らく)入稿され、ごむの日=5月6日の発売を見込んでおります。納品されたものを見て致命的にダメだ!となったらどうしよう。この緊張感も久しぶりだ。
5月5日に発売カウントダウン・インスタライブをするつもりなので覗いてやってください。でも納品されてダメだったらそれもできない、その場合はヤケ酒・インスタライブになるかもしれない。
ヤケ酒ができるかというと私は1月末以来ずっと禁酒が続いているので、飲んだらなにかが壊れてしまいそうで不安がある。静かにゴールデンウィークとその後の仕事の山を超えなくてはならないため、そこまでは禁酒を貫くつもり。
禁酒が続けば続くほど、飲んだときの壊れが大きい気がして恐ろしい。飲まない人生にこのままシフトするのだろうか、いやそうは問屋が卸すまい、などと自問自答している。問屋とは誰か。
禁酒と言えばこの本が気になっているがまだ読んでいない。

 

先日、前々から通っている鍼医に久しぶりに行ってきた。そこで改めて「朝は味噌汁を飲み、炊いたお米を食べるのだ」と諭され、以来お味噌汁を飲んでいる。毎朝ひとり分の味噌汁を作るのは厳しいため、夜か朝に2〜3食分作って分けて飲んでいる。
そこで問題なのだが味噌汁はどのタイミングで冷蔵庫に入れたらいいのだろう。冷めるのを待ってはいられないが、温かいまま冷蔵庫に入れるのも問題がありそう。
一人暮らしを9年ほどしているが、未だに食べ物の温度とか日持ちとか保管とか、確信が持てないことばかりで自分にびっくりする。
そして冷蔵庫そのものはその9年前に部屋を又貸ししてくれた人からもらって、そのままずっと使っているのでそれにもびっくりする。長持ちする家電を持っていてくれてありがとうございます。この御恩を何らかの形でお返ししたい。
ググったら、夏場は味噌汁の鍋を氷水に浸す等して急冷せよと答えが書いてあった。面倒。

 

 

 

コアラのこと



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昨年の5月6日ごむの日に、私とごまさんでやっている活動gommが10周年!となり、なにか記念になることをしようと喋って決めたのが「オリジナルのビールを作る」「ピクニックをまとめたzineを作る」の2つであった。
その後コロナが落ち着かなかったり二人それぞれに病気をしたりで一切なにもできていなかったのだけれど、つい最近になって「次の5月6日が来てしまう」と焦り始め、急遽zine作りをスタートさせた。
クラウドで写真の整理をして、ZOOM会議で構成を相談して…とやっていたのだけど、結局「いちど合宿して進めたいね」ということになり、ごまさんに名古屋に来てもらうことにした。我ながらよく乗り切ったと思うので書くのだけど、入院から退院後の休みを含めて18連休したあと、2勤1休9勤1休9勤でなにかを取り戻すように働いた。そのため、くたびれて東京に赴く元気がなかった。来てくれてありがとう。

さて、zine作りへのやる気は満点なのだが、私たちには行かなくてはならぬ場所がある。
東山動植物園である。
昨年末に遊びに来てもらったとき*1、夕方の閉園間近に駆け込みで東山動植物園に行って、蛍の光が流れる中で大慌てでレッサーパンダとコアラを見た。
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薄暗いガラガラの園内、レッサーパンダは元気でかわいく動き回り、コアラは寝ていた。寝ていたが、コアラは、かわいかった。24時間のうち20時間は寝て過ごすという生態への憧れと共感。心身がとてもくたびれていた二人に響いた。*2


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もう一度ゆっくりコアラを見たいし、かわいい園内フードがあることにも気付いてワクワクの再訪日は、いい陽気で桜も満開、最高の動物園日和、混んでいた。ゾウもキリンも、すごく近くで見られるし、元気で、とっても美しかった。ライオンの形のピザも食べた。
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コアラを見に行くと、なんたる幸運。一頭は起きていて床にしゃがんでいた。そこからタタタっと木に登って、歩いてユーカリを食べに行く。軽やかで堂々としていた。もしゃもしゃやっている姿をまじまじと見て、目が合いそうなほどだった。相手の思いはいかばかりか。
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ほかの子はみんな寝ているけど、どの寝姿もかわいくてうっとりした。背中の毛の感じ、古い毛布の地が見えてしまっているようなもさもさ具合がたまらない。
最後に一頭、お腹を上下させて寝ているのを見ていたら、パッ!と目覚める瞬間にも出くわした。目覚めたあと、本人はちょっとキョロキョロしてぐーっと伸びをしたと思ったら、また寝た。きゃ〜と声が出てしまうほどのかわいさだった…そして眠気をたんまりともらった。

 

ボヤ〜としたまま、売店でコアラのぬいぐるみを買って、夜の作業を見守ってもらった。
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東山動植物園は植物園も素晴らしくて、名古屋に越してきてから4年もこれを見逃していたのは悔やまれるほどだった。年間パスポートを買う気持ちが生まれた。


海外旅行ができるようになったら、コアラを抱っこしにオーストラリアに行きたい。


 

*1:こう書いてみるとごまさんは彼氏よりも名古屋に来てくれている気がする…

*2:あと二人とも動物占いでコアラなのでシンパシーもあった。

薬を忘れないこと


お腹をサポートするために薬をいろいろと出してもらっている。
入院中は服薬くらいしか課された仕事がない*1上に、「飲み終わりましたか?」と看護師さんがタイミングよく聞きに来てくれるので、基本的に飲み忘れることはなし。しかしこれは退院後も同じ調子でできるのだろうか…や、無理じゃろ…と不安に思って、まずは毎日何を飲むべきか整理するために全てを机の上に出して袋に詰め替えた。*2退院直後、実家で母と一緒に3錠ずつに分けたり袋に入れたりしながら喋って「こういう軽作業しながらべらべら言い合うの、女同士って感じするな…」としみじみした。
父方の祖母が生きていた頃、祖母宅に遊びに行くときと祖母の通院が重なると、この薬を仕分けする作業を母と私がしていたような気がする。錠剤のカラを食材代わりにしておままごとをしていたことをふと思い出した。いろんな色があり形があるカラのシートを器に入れて混ぜてみたりして、ミックスベジタブルのようなつもりで遊んでいたのだった。その頃の祖母と張り合えるくらいにいろいろ薬が出ている…おばあちゃん、わたしここまで成長したよ!(ちがう)
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せめてもの慰めに、PLAZAで売っていたバーバパパの袋を使っている。IKEAに行ってかわいい模様のやつを買おうかと思ったが、名古屋駅の中で足りたのでPLAZAに感謝した。

 

しかし、詰め替えただけではまだ不安…なぜならタイミングによって飲むものが違うから。
リズムとしては朝食前にA・Bを飲み、朝食後にC、朝食2時間後にD、昼食前A・B、昼食後C、夕食前A・B・E、夕食後C・F、夕食2時間後D・G・Hと続く。GとHは花粉症の薬。
ABCあたりはなんとなくいけるのだが…と嘆いていたら「そういうアプリがあるんじゃない?」と言われて目から鱗だった。
検索したらあるある!勢いでインストールして設定してみた。
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この4人が時間になるとスマホの中から呼びかけてくれる。飲みましたと報告すると褒めてくれる。ちょっとバグもあって、飲んだと言っているのに怒られたりもする。設定した時間に間に合っていないからだろうか。全面的に褒めてほしいので運営に改善を依頼してしまった。
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この半月、おかん・執事・ギャル男の3人にサポートしてもらったが、どうやら1番ギャル男と相性がよさそうだ。全員、放置しているとすごくしつこく通知をくれるけど、ギャル男は心配してくれる度合いが低くて良い。「ガン無視系?」って誰にも言われたことなくて、良い。
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ギャル男に急かされて、あすけんの女には泣かれて、アプリの中の人たちに助けてもらいながら生きている2022年だ。*3

 

 

 

*1:あとは、病棟のなかをぐるぐる歩き回るのと、先生が来たらいつでも腹を見せられるようにしておくのが仕事。

*2:かさばる漢方薬があるためピルケースは使用しづらい。

*3:これ書きながら、普通のアラームなりカレンダーアプリできっと同じことができるんだろうなと気付いたけど、しばらく気付かなかったことにする。

止まらぬ甘味と冷凍バナナのこと


何度も書いているのだが私は20歳頃まで甘いものが苦手だった。

和菓子もクッキーも果物も好きじゃなくて、特に生クリームのものは避けていた。たぶん小さい頃になにか食べて吐いたりしたことがあって、それ以来ずっと嫌いなような気がしていて、おやつにツナマヨおにぎりと唐揚げを食べるのが20歳までの人生であった。
最初の転機はアメリカ留学で、マフィンやらクッキーやらのパワーに負けて(おおいに太って)帰ってきた。
第二の転機は30くらいから、段々と仕事中に糖分を求めるようになってきて、残業しながら「ぷにたま」を食べたりし始めた。
昨年の入院は完全に第三の転機となった。とにかくホットケーキが食べたくなって退院してすぐ食べに行ったり、甘味への思いを発散させるべく病院から親兄弟や友人にお菓子を贈りまくったりした。

いま、なんとか身体に良さそうなものを食べながらも、甘いものがほしくてほしくて、我慢せず摂取している。
退院以降、食べたものを振り返ると毎日なにかしら確実に食べていて、別な病気になるんじゃないかと不安になるほどだ。

赤福
プリン。
レモン味のお饅頭。
金柑の入ったあんパン。
お餅にジャムをのせたもの。
ココア、ミロ、ヨーグルト。
草餅、桜餅、バナナ。
らぽっぽファームのクッキー。
うぐいす餅。
パパイヤ、酒蒸し饅頭。
冷凍バナナ、パパブブレのグミ。
たまご蒸しケーキ。
森永の焼プリン、そばぼうろ。
さくふわさくらん、ミルクティー
セブンイレブンピエール・エルメ印、ピスタチオとラズベリーのアイスクリーム。
チェー、ミニストップのプリン。

大丈夫かな。
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直近の発見は冷凍バナナである。
2月末に入院する直前に、家にあったバナナが確実にだめになるなと、皮をむいてジップロックに入れてそのまま冷凍したら、それがアイスクリームの代わりのようになってとても良かった。凍ったまま食べるのだ。
しかし買って置きっぱなしにしていたアイスクリームがずっと冷凍庫にあったので結局我慢しきれず食べてしまった。翌日お腹が痛くなったのですこし反省したところ。
気をつけなくてはいけない。冷凍バナナにしとかないといけない。

しかし明日の朝は桜あんぱんを食べる。頭もお腹も歯もなんとか頑張ってほしい。

生まれ変わった下北沢のこと


退院したその日に実家に帰った。
気になっていたことがあったのもそうだけど、1月末からおよそ1ヶ月以上、ほとんど誰とも喋っていない状況で、精神的にきつかったのもあって帰った。体調体温排泄の報告か、仕事の連絡か、「ペイペイで」くらいしか声に出していなかった。皿洗いしたり薬の整理をしたりしながら母とめちゃくちゃ喋った。
食事の管理がつらいので、欲を言えばそのまま実家に留まって半月くらいご飯を食べさせてもらう暮らしをしたい気持ちもあった。しかしまぁ実家にいればいたで面倒くさいこともあり、職場は職場で「待ってますね」と言っていただけるありがたい状況もあり…とりあえず二泊三日の東京滞在とした。

 

親のこともありつつ恋人にも会わなくてはと下北沢まで出る。変わった変わったと聞いてはいたが、何年ぶりに駅の外に出たか覚えていないほど久しぶり。多少工事中のところは残りつつも、完全に新しくなっていて驚いた。
日記のお店『月日』に行きたくて、井の頭線西口(ここは変わってない)から地図を見てフラフラいくと、通ったことのない道や工事中の空間を経てかなりの人が一定の向きに流れていく。なんだろな…と思ったら、月日を含むBonus Trackという場所がその人々の目的地で、当日はPodcastのイベントをしていて大賑わいだった。文脈が全くわからないうえに酒が飲めないのでなんとも言えない気持ちになった。休みの昼間でお祭りで、ビールもワインもあちこちで売っていて飲んでいる空間、普通なら喜び勇んで買うのに飲むのに。少し悲しい。
念願の月日は、蟹の親子さん『にき』を読んで想像していたのよりもかなりコンパクトなお店だった。ひっきりなしにお客さんが出入りして、書店の反対側のコーヒースタンドも行列ができている。大変な日に来てしまった。
買うと決めていた古賀さんの『ちょっと踊ったりすぐに駆け出す』、武塙さんの『爽やかな茸』に加えて、田巻秀敏さん『貨物船で太平洋を渡る』に惹かれて購入。
ついでにお店の人に日記本を置いてもらうにはどうしたらいいか訊いた。門戸は開かれている。いつやるのか。
新生B&Bにも寄った。こちらは想像以上の広さと冊数で驚いた。本の冊数は総合書店よりも少ないのだろうけどすごく多く感じたのは、すべての棚に読んでみたい本が詰まっていて気が抜けなかったせいだろう。はあ…情報量…情報量…と息切れしながら外に出た。
これにfuzkueがセットになっているんだから、すごい商業施設だな。かわいらしい保育園も並びにあって、ああこれがいまの東京の文化なのか、という感じ。

 

少し歩いて駅の位置関係を理解し直した。高校大学から新卒の初期までかなりの頻度で下北沢にいたが、よく行っていたあの店この店はどうなったんだろう、そこまで見て回れなかった。
当時は希少だった電源の使えるカフェにThinkPadを持ち込んでレポートを書いたり、マクドナルドの2階の窓から隣のパチンコ屋のネオンを眺めつつ課題のアイデア出しをしたり、お好み焼きにハマったり餃子にハマったりホットワインにハマったり、東日本大震災直後の自粛ムードの中で1人タイ料理屋にビールを飲みに行ったり、まあそういった諸々の20代の思い出がある。
渋谷や吉祥寺がそうであるように、下北沢もこの20年で商業エリアの範囲が徐々に拡大しているのには気付いていた。しかしデカくてキレイな箱ができるというよりも、小さくてイケている店がポツポツと中心から離れた場所にできて、それに引っ張られる人流を目当てにまた小さな店が連なる…というのが常だったように思う。今回は駅と線路という骨格のようなものが変わったから街全体に大きなインパクトがあったのだな。小田急の駅ビルなんか小綺麗なヨーロッパみたいなムードを出していた。下北沢なのに!!!

ともかくあっち側のピーコックとこっち側のマクドナルドがこんなに近距離だったなんて、駅舎がなくなるこの時まで知らなかった。もうあっち側とこっち側で待合せを失敗することもないのだと思うと、すこし寂しいような不思議な気持ちだ。

そのあっち側とこっち側の間の空間にできていた猿田彦珈琲でお茶を飲んで帰った。おまんじゅうがあったので食べた。バレンタインジャンボ宝くじを買ったが当たらなかった話をした。
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