ことばの学校#2のこと

(#1はこちら)

 

第2回の講師はこの講座の主任講師・佐々木敦氏。つまり初回と同じ。
初回はこのことばの学校で何をするか?何を目指していくか?という話だったけど、今回は佐々木氏が作家としてどう書いたかなどが中心だった。


習っておいて申し訳ない話なのだが、批評家として出されているの新書『「書くこと」の哲学』*1は、チャレンジしたのに途中で挫折してしまったのだった。他の生徒の方が読んだことをベースに質問されている様子をみていると、やはりあらためて読まないとなと思う。わからないところをスルーしつつも最後まで目を通すようにしてみよう。ただ今回は話を聞いていると、6年前に発表された小説『半睡』*2と、今度の文フリ東京で発表する予定という詩集『再訪』*3がメインのトピックになった。そんなこともやってるんだ!と、またまた習っておいて予習不足で申し訳ない。
印象的だったのは、詩を書くときに「今の1行より次の行をより面白くするにはどうするか」を考えているというようなエピソード。小説だとどうしてもパンチライン以外の状況説明やら展開やらで行数を使うことになってしまうけど、詩にはそれがないところが書いていて面白かった、と話されていた。なるほどたしかに。日記も書いていると説明をついついしてしまう(必要な気がしてしまう)が、もっと「うおお!」となった瞬間だけ並べて書いても良いはずだ。それは古賀及子御大が「5秒のことを200文字で書く」と言っていたのに近いかもしれない。彼女の日記を読むと「詩か?」と思うもんな。

そのほかかなり長丁場の質疑応答のような生徒みんなの人生相談のような時間があり、2回目は終了。次から毎回違う作家が登場、ということはつまりそれぞれの作品を読まねばならぬ。もっと早めに受講を決断していたら、ゆとりをもって読んでおけたのに…!がんばらなくては。

レターパックとヴィニシウスのこと(2026/10/09-12)

 

2026/10/09 Fri
もしかしていけるんじゃないかという気になって、ウエストがキツくて履けなくなっていたズボンを履いてみたらいけた。グッド・モーニングである。喜びとともに朝食にいただきもののシュークリームを食べた。
昼ご飯も今日はなんかチートしちゃおうかしらと思うが、立ち寄ったファミマでホットドッグが100円引きになっていたので買って食べた。店員さんが温めますかと聞いてくださったのが想定外で「温めたほうがいいですかね!?」と聞いてしまった。「すぐ食べるなら…」とのことで温めてもらって、「熱いので気をつけて」と声かけをしてもらい、公園のベンチで座って食べた。なんか優しすぎる。公園はいまが行きどきという天気。みんな屋外で食事すべきと思う。オフィスを出ずにお弁当を食べてる方々は心が強すぎる。
ぴったり定時まで働いて退勤。帰りの電車の中でS氏にメッセージして、土曜か月曜(彼の休み)にお茶でもしませんかと訊く。昨日、休みについて質問したときに会おうとかのご提案はなく、しかし予定の共有もなかったので、勝手に「まあ別に会わなくてもいんですけどね?」といつもの拗ねを発揮していた。1日経って拗ねてても仕方ないと思い直して連絡したので偉かった。月曜日に会う。
帰宅して、通販でお買上げいただいた新刊の発送準備。さらに大阪のzineイベントに出品する本に値段を貼ったり申込み書に記入したり。レターパックに収まる量だけ入れてください、と申込み要領に書いてあり、ビッチビチに入れる。怒られるかもしれない。

 

2026/10/10 Sat
朝一番で不要になった服を区民センターまで捨てに行く。なんとなく保管してしまっていた父のマッキントッシュのトレンチコートがとても可愛いので最後の最後まで母と悩むが、結局捨てた。自分の服をもっと捨てるつもりでいたけど結局3枚くらいしか出せず。歩きながら、どんぐりが道に落ちているので「わー見て見て大きいどんぐりだ」などと言い合う。5歳児と母みたいな会話だが、41歳児と母。
帰ってきて、母の描いた絵をCanvaでカレンダーにする作業。来月にお絵描き教室のグループ展があり、来てくれた方に差し上げたり売ったり(絶妙な匙加減)するために作りたいということで、やりましょうと申し出た次第。月ごとの並び順をああじゃないこうじゃない、文字のレイアウトをああじゃないこうじゃない、する。花と景色の絵がほとんどなのだが、最後に友人のお孫さんを描いた絵を入れたいというので「ちょっと変だと思います」と反対する。「外すとこの月に入れる花がないのよ〜」「これでいいじゃん、この花で」「これは5月に咲くから〜」「でも雰囲気冬っぽいよ!いける!」などと押し問答。結局、孫は登場しないことになった。
ものすごく好天の三連休なのに家にいてもったいない。昼から飲みに出るべきだ、と思うけど痩せたいので我慢する。えらい。
レイアウトが終わってファミマで試しの出力をしながら、発送物を投函。詰めに詰めた大阪行きのレターパックはギリギリアウト気味だったがなんとか押し込んだ。申し訳ありません。ついでに図書館にも寄って本を借りる。予定外のものも借りてしまい、こんなに読めるわけないのに…と早速苦しむ。福岡文フリで買った本も積んでいるのに。
ジムへ。体重が少し減っていて嬉しいのだが、おそらくこれは先月まったく動かず寝まくったせいで減った筋肉なのではないか。ヒップアブダクションをしながらインターバルの1分間で新刊イベントの告知をする。
帰宅して鶏肉を焼いて、痩せるらしいノンアルビールとともに夕食とする。カレンダーの仮出力を見た母からは「日付の文字が小さすぎるかも…(大半の顧客が高齢者のため)」と修正が入る。直して入稿して25時。
深夜、ごまさんに共有したいTwitterの投稿があるが全然見つけられない。アカウント名がわからず検索できない。絶対いいねしてるんだけど呼吸レベルでいいねしているのでちょっと遡るくらいでは見つからない。絵は頭の中に浮かんでいるのに取り出せない。…はたと気付いてChatGPTに要件を伝えたら、すぐ該当のアカウントを出してきてくれた。すげえ。なんか正しいAIの使い方をした気がしてちょっと興奮した。

 

2026/10/11 Sat
来春の東京文フリに申込みしてしまった。やれんのか…?
いただきものの栗を茹でる。栗仕事、初めてだ。生の栗を冷凍しておいて、熱湯で5分茹で、お湯に浸かったままの状態から取り出すと作業が早い…と母がテレビで見たらしいので実践。包丁で皮というか殻を剥く。「こんなに早く剥けるの初めて!これなら全然やれるわ」とのこと。そうなんだ。
昼前に姉が来てくれて、家の生け垣を刈るというイベント。電動カッターを持ってきてくれたので使い方を教えてもらって、ばりばりやる。危ない、しかし楽しい。初めてフラワーアレンジメントをやったときと同じような気持ちになる。「生き物を切っていいのかな」という罪悪感。「こんなに元気に枝が延びているのにねえ」というその部分をじゃんじゃか切る。とてもお天気が良く嬉しいが、とても暑い。小一時間カットして、落ちた枝葉をゴミ袋に集めて、こんどは刃を付け替えて芝生をカット。マシンの変身に興奮する。芝を刈るのは難しい。暑い。また小一時間作業して終了。
3人で萬福飯店に行き、水餃子、棒々鶏、雪菜湯、五目炒飯、あんかけ焼そばのお昼ご飯。素晴らしいメニュー選定だった。うまい。萬福飯店Tシャツが売られていてかなり欲しい気がするが、どこに着ていくのかわからずやめた。ネタみたいなTシャツが多すぎて、捨てられないのに着る場もない。
帰宅して昼寝を自分に許可。気付いたら17時。あれこれやりたいことがありまくるのだが動き出せず、気持ちだけゾワゾワする。来週のイベント用の荷造りと弁当用のブリトーの具を作った。

 

2026/10/12 Mon
昨日刈った枝をゴミに出し、二度寝。一昨日発送したレターパックはやっぱり3cm超えという判定で戻ってきてしまった。ごめんなさい。
服の整理で発掘したパーカーがかわいいので着る。たぶん兄のもの。この部屋は以前兄が使っていたので残置物がけっこうある。勝手に使う。
S氏とランチする。化粧がうまくいき機嫌がよい。トトトというおしゃれなピザ店で白ワインを1杯飲み、サラダ、タコのセビーチェ、ピザ。大満足。近況を聞いたら、最近飼い始めた猫のお腹が妙に大きくて、これは…(ごくり)というハッピー事案が最初に出てきたので、平和ということがわかりよかった。猫は2ヶ月しか妊娠期間がないらしい。もう生まれちゃう。
公園に移動して缶コーヒーを飲みながら喋る。お互いずーっとTwitterにいるのだが全然違うタイムラインを生きているのでその辺りの話。ヴィニシウスについて教えてもらって笑った。みなさんのタイムラインにはヴィニシウスがいますか?

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またまた本を作りました

 

今年、4冊目!(やりすぎ)
こちらでのお知らせが遅れましたが、また新しい本を作りました。
『BUTSU-YOKU DIARY 物欲日記2026』です。f:id:l11alcilco:20261009142105j:image

10月4日の福岡文フリで初売りでした。当日はたくさんの方に手に取っていただき嬉しかったです。福岡のみなさまありがとうございました!

内容は、gommとしていつも一緒に活動しているごまさんと、gommのロゴ制作やスペインポルトガル旅行記でお世話になっているデザイナーのちばさんと、わたしの3人で同時に書いた日記です。期間は5月から6月の36日間、テーマはタイトルのとおり物欲です。「◯月◯日 今日の物欲:」から始まるそれぞれの日記。

面白いです。

ほしいもの、日々ありますわな。しかしそれを買うかどうかっていうと、買わなかったりもしますわな。まあ買うときもありますわな。その度合いは人によって違いますわな…という、三者三様の物欲および財布の紐のコントラストが楽しい1冊です。
ごまさんの勢いのよい前書き、3人+Nuts Book Stand平沢さんでの座談会、わたしの暗い愚痴のような後書きまで入ってボリューム満点の118ページ。A6横という判型も珍しくてかわいいです(ちばさんのデザインが冴え渡ってます!)。

オンライン通販も始めましたので、ぜひご注文お願いします。こちらから↓

 

有難いことに手売りの機会もいっぱいありまして、予定は下記の通りです。もしお近くの方がいらっしゃいましたらぜひお運びください。

①10月18日(日) CANDY POP MARKET

11:00〜17:00 喫茶すずめ(神奈川県茅ヶ崎市円蔵1-23-22)にて

編み物作家さんの作品販売やフリーマーケットもありの楽しい空間でzineを販売させていただきます!出入り自由です。店内飲食はできないけどお持ち帰りでフード&ドリンクもゲットできます(タイ料理、めちゃくちゃ美味しいです)

 

②11月3日(火祝) トークイベント

14:30〜16:00 サザンカブックス(神奈川県鎌倉市大船3-4-6)にて

人生初(?)のトークイベントをやります。喋るのは物欲日記メンバー。10月23日に新オープンするサザンカブックスさんにお呼ばれということで大変嬉しいです!ちゃんと喋れるのか!!

 

③11月14日(土) gommのzine picnic -秋の陣-

11:00〜16:00 中野セントラルパーク(東京都中野区中野4-10-1)にて

春のzine picnicが好評&めちゃくちゃいい感じだったので、秋のzineで秋の陣をやります。今回もジンに掛けたフード&ドリンクを計画中。気になるzineを芝生でゴロンとしながらみんなで読みましょう!ついでに新刊も買ってくれたらうれしい!


(前回のイメージです)

 

なにとぞよろしくお願いします!

あ、もう1回通販のリンク貼っときますね。

ことばの学校#1のこと

いろいろな方のオススメを受けて、映画美学校の「言語表現コース ことばの学校」*1を受講することにした。2ヶ月前にガイダンスがあってそのあと毎日ぐずぐずどうするか迷っていたのだけど、毎週B&Bにトークイベントを聞きに行くのと同じようなものだと考えるとオトクじゃない?と思うことにして、ギリギリで申し込んだ。ここから20週にわたって、毎週いろいろな作家の話を聞く。
で、そのガイダンスのときにどなたかが「講義の内容をnoteとかに書いてもいいですか」と質問していて、おおまかに「いいよ」みたいな回答だったと思うので、わたしもここにメモを書いておきたいと思う。

10月8日の初回は主任講師の佐々木敦氏による概要。
この先半年の講義で、言語表現についていろいろな作家がいろいろなことを言うだろう、その多様さを実感してほしいという話だった。手っ取り早く技術を学ぶ場ではないので、というメッセージが最初に出るのはありがたい。いつの間にやら上手くなる!みたいなことではなく、自分の好みや癖を発見しながら、他者の言葉の考えを浴びることで自分のことばを豊かにしていこうという目標設定。で、そのためにはとにかく読む。好きなものも嫌いな/読みづらい/受け入れづらいものも、大量に読むしかない、という初回のまとめ。ですよね~、と思いながらとるノート。f:id:l11alcilco:20261011191619j:image

 

話がズレるけど、わたくし、大学のときに佐々木敦の授業を取っていた。20年以上前の話。一番大きな教室で秒速5センチメートルを観て、セカイ系という言葉を覚えた。なんだったんだろうあれは。唯一かつ最後の課題がレポートで、「口語で書いていい」という条件だった。当時からブログを書いていたけど、そのままのノリで出せて嬉しかったので印象に残っている。中身は何を書いたのか覚えてない。なんだったんだろうな…
ということでなんとなく再びお世話になりますという気分。最後までついていけるだろうか。

*1:

2026/10/05-08 (はいつくばってとお喋りのこと)

 

2026/10/05 Mon
今日は福岡のお疲れ休みとして有休を取ろうと思っていたが、不覚にも先週木曜に欠勤してしまったためなんとなく言い出せずに出勤。かなり眠い。かなり意識が怪しい。怪しい意識で送ったFAXは問題なかっただろうか。
昨日文フリで買った本を読みたいが、図書館で借りた『はいつくばって』*1を読み終えねばならない。返却期限が迫っており、おそらく次の予約者がいるからだ(わたしの前にも予約者がいた)。しかしかなり性的な言葉が多いので電車の中で読みづらい。こんなにもセックスという言葉を一度にたくさん浴びたのは初めてかもしれない。わたしは村上春樹を読んでいないのだ。*2


2026/10/06 Tue
『はいつくばって』を読み終えた。ほんとうの自分がやりたかったことをやるというか、今まで無意識のうちに自分に禁じていたことに気付いたりやってみたりするというのがこの話のいくつかあるテーマのうちの1つだと思うのだが、それが夫でも子でもない別な誰かを愛すことなのかと思うとわかるようなわからないような。同時にその2人のことも愛しているのだけど。そもそもこちらは毎週夫とセックスするみたいな価値観を持っておらず、そのあたりの感覚にズレがあるので同列で考えられない。
ただ、読みながら「わたしなら何をしたいかな」と思いを巡らしてみるとふわっと浮かんでくるのはハグだった。ここ最近、男性と握手する機会は何度かあったのだが女性とはあまり握手したことがない。代わりに女性とはハグしたい、けど意外とする場面がない、もっと自然に(例え明日会うとしても)ハグできたらいいのにと思う。気安いオキシトシンの交換。わたしは酔っ払うとハグしがちだが、そうでなくてもハグできるといい。これこそ禁止されているわけではないのに勝手に遠慮していることのような気がする。でもハグされたくない人もいるだろうか?だとしたら困る。教えてほしい。
主人公が父親に「どうしてただの夢だってわかるの?」と尋ねるシーンがある。前半のページにも夫に対して似たような質問をするところがある*3。そこになんだかすごく惹かれた。わたしも「どうせ無理」と思いがちなことを「なんで無理なの?」と子どものような眼差しで質問したい。現実に諦めていることは多々あるけど、諦めを強くアピールしないでいたほうがもしかしたら心は健康でいられるのかもしれない。


2026/10/07 Wed
通勤中、文フリでもらったブックバーひつじがのシモダさんと柿内正午さんのペーパーを読む。8月に『人間関係の構造と手だて』*4を買ったがちょっと難しくて読むのが止まってしまった、とシモダさんに伝えたら、後半はわりと易しいのでそっちを読んだほうがいいですよと言ってくれた。なかなか飛ばして読む度胸がないので言ってもらえて助かった。柿内さんは「さめない社交」という会を開催していて、ペーパーにはそのことが書いてある(ただしこのペーパーはシモダさんが柿内さんのフリをして書いている)。集まって、喋らなくてもいい、というのは、わたしも最近強く思っていることで、無理に喋らずとも場の中には入れると思うしそういう場を作りたい。うなづいているだけで良いような場。gommのピクニックはそれを目指したい。11月14日にやります。
そうこう言いつつ、お喋りしたい気持ちもある。土曜日、しらい弁当さんとじぇっきゃさんと3人でひつじがのカウンターに並んで、しらい先生が何か言ったのに対してじぇっきゃさんとわたしが同時に全然別な話をし始めるという瞬間があった。お母さんに2人の子どもが全然別な話をママママママママと喋り出すみたいでちょっと面白かった。じぇっきゃさんが「すいません2人で同時に喋って」と謝ったのも面白かった。しかし肝心の話の内容を覚えていない!これだからすぐ日記を書かないとダメなんだ。
勤務中、率直に「クソつまんない仕事だな」と思う。仕事というか作業。特に価値を生むことなく時間を溶かしている。こんなことしてていいのか、と思うのは、自分への思い上がりである。過去の仕事の面倒なこと、しんどかったことを振り返り、「あれをもう1回やるのは嫌だ」と思いながら作業すると今の職への有難みが高まる。こんなことでお金もらってて、すいませんね、えへへ、という顔でテンキーをぱちぱち。
帰り道、体の薄い人が歩いていて羨ましく眺める。どうやったら身体が薄くなるんだろう?いやしかし物心ついた頃、というか、小学6年生くらいの時点でわたしは既に分厚かった。そういう体型なんだろう。と諦めていたら補正下着の広告がTwitterに表示された。脳内を読まれている。ちょっと開いてみたら色鉛筆で塗ったふうのAIっぽいマンガで商品の説明が始まって完全に嫌いな雰囲気だったのですぐ閉じた。散財せずに済んでよかった。


2026/10/08 Thu
東京は素晴らしい気候だ。朝、地下鉄から表に出るとき、階段の先に四角く真っ青な空がびかーっと光っていてちょっとたじろぐほどだった。まったく均一の青色。
会社の最寄り駅についたらホームのベンチに座って10分か15分のタイマーをかけて本を読む。この時間があるとないとで大違いだなあ、と毎朝立ち上がりながら思う。なおいつも同じ時間帯にベンチで睡眠を取っている方もいて、その人にとってもこの10分が肝なんだろうと思う。そこからのこの快晴。こんな素敵な空間に躍り出ていいんですか、と思いながら階段を上がり切ると、もう空は見えなくなり、オフィスに座ると画面と紙しか見るものがなくなる。なんかおかしくねえか。
仕事は昨日業務に対しての悪口を言ったせいか、システムのバグに繰返し遭遇してかなりややこしい時間を過ごした。天罰。
お喋りについて引き続き考えている。随風の01号か02号に、「エッセイはお喋り」みたいなことが書いてあり、「そう!」と思った。ブログもTwitterも日記本もわたしにとってはお喋りであり、誰かの日記本やエッセイを読むのはお喋りを聞いているのと同じ。ポッドキャストを聞きたいしやりたいのも同じ。しかしそれらも本当のお喋りには敵わないところがある、のはわかっている。友人知人から「Twitterで見てるから久しぶりな気がしない」と言われがちなのだが全然こちらとしては久しぶりの気持ちなのだ。なぜなら実際には書いてないけど喋りたいことがいっぱいあるし、ていうかあなたは(わたしに比べて)Twitterに全然書いてないし、既知のあなたとだけ通じる話があるじゃないですか、と思う。エッセイはお喋りだけど、お喋りはエッセイじゃないということか。

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*1:

*2:色彩を持たない…だけ読んだ

*3:ここの詳細をメモするのを忘れた、悔しい

*4:

2026/10/02-04(福岡文フリのこと)

 

2026/10/02 Fri
今週は一回も駅の階段を登ってない。エスカレーターばっかり。早めに出勤して昨日やるべきだったことをやる(昨日欠勤した)。やっぱり昨日来てこれだけでもやればよかった。予想の倍時間がかかり、その後の作業の開始がずれ込む。しかもいろいろ間違えたりもしており、申し訳ない。頭がぼんやりしたまま、なんとか月初の業務に参加して人足としての役割を演じる。同僚のみなさんがのど飴をくださる。ありがたい。だって声が通常の1/3くらいしか出せてない。咳が止まらない。


2026/10/03 Sat
勝手に飛行機が1時間で福岡に着くもんだと思い込んでいて、8時半に出れば9時半に福岡に着くと決めてかかっていたが実際は10時半に着くのだという。11時にOさんと待ち合わせしているのでギリギリだ。しかし空港からタクシーに乗ってしまえばなんとかなる。そんな旨をOさんに連絡しながら京急線に乗り、羽田空港の保安検査を大股歩きで通り過ぎ、ゲートの前のトイレに駆け込み化粧をした。家を出る前に化粧する時間がなかったのだった。
最近買った「回らない水光カラコン」というのをつけてみる。目の中が漫画みたいになって面白い。回らないというのはカラコンが目の表面で回転することで柄がズレてしまうことを防ぎますという意味で、目の下のほうに多少の重りが入っているため固定されるという理屈らしい。水光というのはおそらく、普通のカラコンのように一律に円形のデザインではなく、目玉の上部よりも下のほうがより明るい色になっていて、水のような光が目の中に表現されますよということ。それゆえに「回る水光」だと本来あってほしい位置に明るい色がなくて困るため、「回らない水光」が開発されたのだろう。こんな装置を目につけていて問題ないのだろうか?悪いに決まってる。
飛行機のエンジンがかかった状態で寝てしまう。目を覚まし、そろそろ飛んだか?と見てみるとやっとゲートから動き出すところだった。空の上で加速して時間通りに着くとかあるのかな、とか一瞬考えたがそんなことはなく、離陸した後に機長からのアナウンスで「機体の整備のため遅れ、到着は11時10分予定です」と流れてくる。あの、11時に待ち合わせなのですが。しかもこの遅延を連絡する手段がない。せめて飛ぶ前に言ってくれよと思うがどうしようもない。せめてフライト番号を伝えておけばよかった。中村季節『愛の練習』*1を読んでいる。f:id:l11alcilco:20261008232947j:image

ガタンと着陸するとOさんから「飛行機の遅延をチェックして11時の予約はキャンセルしたから」とメッセージがあり、平身低頭となる。
Oさんは10年以上前にスゴ本オフでご一緒して以来gommのピクニックなどで遊んでもらった大先輩で、いつの間にか東京を離れ福岡で生活されている。わたしがInstagramで福岡文フリ行く!と騒いでいたら「久々にごはんでも」ということでお声掛けいただいたのだった。もともと予約していただいていた楽しい朝ごはんの店には行かれなかったが、メルボルンふうのカフェでスフレパンケーキなどいただき、さらにおしゃれなカフェをはしごしてアイスクリームまで食べて楽しいお昼となった。グルメなOさんの福岡の街解説はイケてるスポットが満載で、たくさんメモした。オークラの地下の飲食店街がアツい。わたしのGoogleマップにはごまさんと共有している旅用リストがあるが、福岡は既に100軒を超える店が登録されている。住んだとしても行ききれないだろう。
Oさんと別れ、ホテルに荷物をおいて「本のあるところajiro」に向かう。じっくり棚を拝見して1冊購入*2。横になる必要を感じてホテルに戻ってゴロゴロしながら読む。その前に古着屋に吸い込まれて服を買ってしまった。明日の気温次第で着ようと思う。
夜になり、そのままゴロゴロし続けそうになるが、それはさすがに勿体ないと起き上がって出かける。100軒以上あるマップのピンを無視して近所で見つけたお店に入ってみた。生ビールとお刺身盛り合わせを頼む。きれいな5品、秋鯖のお刺身がとてもうまい。「能古島名産!大人気!ピーナッツもやしの天ぷら」と書いてあるのも勢いで頼む。「ピーナッツもやしに、ワンダーピーマンを添えてます」と言われて出てくるがどちらも初めて聞く単語すぎて慌てた。かぼすサワーと美味しくいただき、サッと出る。
じぇっきゃさんとしらい弁当さんに会いにブックバーひつじが(へ行き、1杯飲むと、他に来ている人も明日の文フリの出店者で、さすがの空間なのだった。ホテルへの帰路、むくみ必至とわかっているのに1人でラーメンを食べる。だって、博多来てとんこつラーメン食べないとか嘘じゃん…

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2026/10/04 Sun
福岡文フリ。ごまさんが10時頃着くはずだったので、昨日Oさんに教えてもらった美味しそうなおにぎり屋さんでおにぎりを買って待っていようと思ったが、早朝にも関わらず大行列で全然無理だった。生旬館という良い名前のスーパーで代わりに高菜のおにぎりを買い、付属のサンドイッチ店でめんたまサンドを食べて会場に向かう。明太子とたまごでめんたま。
初めて会場の設営ボランティアに参加してみる。が、遅刻。焦るが3分ほどの遅れで到着し、向こうからしらいさんが手を振ってくれたのでホッとした。わたしもこんな場面で手を振れる人物になりたい。机にシールを貼ったり、紙を配ったり、楽しい。単純作業、大好き。一方、ごまさんからは機材トラブルで一度乗った飛行機から降ろされてしまったという報が入る。心を強く持って1人設営をする。隣の人がなかなか現れないのでのびのび使えて助かるが、大丈夫なんだろうか。(その後、無事登場されて間に合っていらした)

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開場すると、昨日もお会いしたOさんが差入れと共に来てくださったり、こちらも久々の再会のおしこまんさんが来て大量買いしてくださったりで、有難い気持ち。ごまさんは13時に現れた。ホッ…こちらも有難い。少し会場をウロウロする。東京で会える方にもなんだか他所で会えると嬉しさ2倍。東京よりも買いやすい気がしてあれこれ購入した。と、同時にわれわれの新刊もとっつきやすいタイトルのおかげか順調な売れ行き。ありがたい。本当はgommの本だけ持ってくるつもりだったが、昨日の出掛けに欲が出て自分のスペインポルトガル旅行記も持ってきてしまった。それも想像以上に買っていただけて、福岡LOVEの気持ちに。
16時でお開きとなり、博多駅の上でうどんを食べて帰京。また来たいよ。

 

有松と藤一番のこと(名古屋旅行記)

 

朝6時。窓の外から滝のような音がする。この中を歩いて出ると、最寄駅まで通常13分のところ20分かかるかもしれない、そもそも足が濡れて体も濡れて力が出なくなってしまうかもしれない、と思うと全然出掛けたくない。しかし8時半ののぞみを予約してある。不可抗力…でもないが、それに近い力に押し出されるように布団を這い出て支度する。昨晩、朝ごはん準備してあげるわよと母に言われたが、ありがとうのあとに「でも新幹線の中で駅弁を食べるというのをやりたい」と申告したらヨーグルトだけが用意されることになった。食卓につくとそのとおりになっていて、ありがたくいただいた。

化粧をして家を出ると雨は少し弱くなっていて、このタイミングでとおそらく散歩に出された巨大なハスキー犬が濡れながら嬉しそうに歩いていた。

最寄駅に着くとホームには込み上げる嘔吐をこらえる若者や、しゃっくりをしながら自販機で飲み物を買おうとする若者がいて、連休を感じる。ガラガラの電車に乗り込む7時半。文庫本を読みながら今日の夜なにを食べたいか考える。宿泊は納屋橋である。つまり?あの角の焼鳥屋?ちょっと栄の方まで行った天ぷら立ち呑み?もしくは藤一番か、などと思ったところで、ハッと思い出す。納屋橋の近くに異様にピータン豆腐のうまい中華屋があった。半地下みたいな。あそこに行きたい。あの店のことを何年ぶりに思い出しただろう!えらいぞ記憶、とウキウキする。夜はピータン豆腐に決まり。

東京駅に着くと、駅弁屋は信じられないほど混雑していた。まだ8時前である。人気らしいお土産屋の開店を待つために並んでいる人もいる。8時にシャッターが上がるのだろうか。8時に開くということは、スタッフは7時半には着いていて、6時半には家を出ていて、5時半には起床しているということではないか。売り物は何時に店に届いているのだろう、怖い。連休に旅行するとはこういうことなのか。すべてに恐れおののき、わたしは店に近づくのをやめた。東京駅の駅弁屋は1軒だけではないことを知っているので気を落ち着かせてうろつく。しかしどこも混んでいる。もう駅弁じゃなくていい、わたしは名古屋についたら高島屋の地下で赤福を食べるんだ。そうだ、京葉線の方角におにぎり屋さんがあって、便利でよく使っていたじゃない、と思っておにぎり屋さんに向かうとそこも行列している。並びたくないので無視して進むとそのまま京葉線の手前という明らかに新幹線とは差別化されたゾーンに突入し、グランスタとも違う惣菜売り場があらわれる。空いている!喜び勇んで入っていき、サンドイッチ屋さんの前で5分ほど迷った挙句にたいめいけんのカツサンド(3切れ)を買った。NewDaysで氷のカップと小さいウイスキーの水割りを買い、新幹線のホームでホットコーヒーを買う。

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出発した新幹線の中で文庫本を読みながらカツサンドを食べていると、武塙麻衣子『にぎやかなひとり飲み』*1に出てきたサンドウィッチ伯爵のことを思い出す。わたしも確かに子どもの頃、初めてサンドウィッチ伯爵について知って「遊びながら食べるためなんてカッコいい」と感じていた。でもサンドウィッチ伯爵という人物が発祥で食べ物をサンドウィッチと名付けることにしたのは本当だろうか?だって、それまで人類はパンでおかずをサンドしようと思いつかなかったのだろうか?いや、挟むだろう、ちょっと急いでたりしたら!と想像するが、そもそも「サンドする」という動詞は日本語で、英語には存在しない。英語圏に「〇〇サンド」という食べ物は存在せず、sandは砂だ。砂は挟むとなんの関係もない。とすると本当にサンドウィッチという人名(これも変わった名前のように思うが)がパンで何かを挟むという作業及び結果の代名詞になったのだなと実感する。こうやって一瞬疑問が浮かんたことが調べもせず一瞬のうちに脳内で解決するのは面白い。

さっさとカツサンドは食べ終えてしまい、コーヒーをつまみにウイスキーを飲む。こんなことがあっていいのか、いや、いいだろう。わたしはこのあと赤福を食べるのだ。

すっかり酔っ払った足で名古屋駅に降り立ち、そのまま流れるように高島屋の地下へ降りて赤福とお抹茶のセットをいただいた。いつも並んでいる気がする赤福の喫茶は朝一番ゆえか空いていて、すっと入れる。赤福は二粒出る。なんらかの合理性を感じる皿に乗って出されるので行く方はぜひよく見てほしい。味はいつも通り美味しい。そして抹茶とは別についてくるほうじ茶の香りがとてもよく、美味しくてびっくりした。甘いけれどさっぱりとしたほうじ茶。これは今度もし来たときはお薄を頼まなくてもいいかもしれない。

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目的を達成したのでゆったりした気持ちで本日の宿泊地に向かう。ああこの道路の広さよ、この徒歩人口の少なさよ。名古屋を感じる。荷物を預けて身軽になり、さっさと駅へ戻る。歩いていると何も変わらないようにも思うが、微妙そうだと思っていた店はまた別な微妙そうな店に変わり、かつて建設中だった建物は完成し、かつてあった建物がなくなっている。ああそうだった、この近鉄の横のボウリング場とマクドナルドが入っていたビルはなくなったんだったよね、いまは広場のように整地されフードトラックが数台出ていて、その奥にひっそりとあった(ように感じていた)ダイコクドラッグが堂々と丸見えになっている。このダイコクドラッグで大袋のお菓子を買っては勤め先に持って行っていた。店の1/3が百均になっている変な店で、たまにポイントが貯まりましたのでとか言われて変なものをプレゼントしてもらえるのだ。アボカドカッターとか。一度も使わなかった。しかしこの潰れた建物はなんていうんだっけ、ということを思い出さないまま周囲を散歩し、お世話になったミニストップやお世話になったローソンやお世話になった焼肉ライクを眺め、なんかもう少し豊かな思い出なかったっけ?と妙な切なさを抱く。待ち合わせの12時半になる頃やっと「レジャック」というビルの名前を思い出したのだった。

もともと今回の名古屋旅行は以前の勤め先(東京)の仲間たちと5人でジブリパークに行ったり常滑に行ったりしましょうという主旨で、土曜の朝から月曜までの二泊三日を想定していた。宿泊の予約はすべて自分が手配した。しかしあろうことか直前の水曜にインフルエンザA型に罹患し熱がバンバンでてしまった。正直土曜の朝には治っているだろうとは思いもしたが、同じ部屋で寝起きした結果みんなが連休明けからインフルです!という可能性もなきにしもあらず、怖すぎたのでやめた。そんな仲間たちの旅の最終日に合流しようというのがこの12時半である。

地下街のうな富士でひつまぶしを食べると、驚きの値段だがその分きちんと美味しいような気がした。2泊分の旅のダイジェストを聞き、みんなが仲良くやっていたことを確認し、名鉄に乗って今日の目的地である有松へ。数年前のトリエンナーレの会場になっていたのを見て以来の訪問。駅から出るとかなり閑散としており不思議である。有松は有松絞りという染物の産地である。旧東海道沿いに江戸時代から続く文化財レベルのお屋敷が並び、海鼠壁と蔵の背の高さが格好いい町並みが残されている。その中に工房があったり絞り染めを使ったブティック的なものがあったり、飲食店も点在したり、している、はずなのだが、なんと、まあ、全然やってないのだ。全然。客もいないが店もいない。なんで?今日、週末っていうか月曜だけど祝日じゃん?祝日って、観光地は混むはずじゃん?シャッター商店街の様相に、あれから4年、すべての店が閉店したのか?と思うが、たぶんそういうことではない。ただ今日、ほぼ全て閉まっている。われわれ以外の観光客は全員この状況をわかっていて来ない判断をしたのだろうか?どこかでお知らせがあったのだろうか?憮然としながら「有松・鳴海絞会館」を訪問し、素敵だけどちょっと手が出ない値段の品物を眺め、「ガイドブックに載ってたソフトクリーム食べたかったなあ」と嘆きながらやっていない店の前を歩き、悔し紛れに立派な蔵や柳を褒めたりし、「ここなら今日やってるっぽい!」とたどり着いたカフェで「すみません今日はもうオーダーストップで…」と言われる14時半。早すぎんか?ショックすぎて、返す刀で「どこかこの近くでわれわれがお茶できるところってありますかね…」とお店の人に聞く始末。結局駅の横にくっついたイオンの主テナントらしきコメダに入り、5人でシロノワールを分け合って食べた。ソフトクリームを食べたがっていたメンバーはジェリコを頼んだ。

そうこうしているとみんなは帰りの新幹線に無事に乗って行った。わたしは晴れた名古屋の夕方を歩いて「一段落しよう」と納屋橋の角の焼鳥屋に行こうとした。が、月曜は休み。代わりに仕方なく、斜向かいの藤一番に入ってビールと餃子ともやしスープを頼んだ。餃子は普通ではなくしそ入りにすればよかったなと思ったが、もう一品のもやしスープには驚いた。これは!酒飲みが!ラーメンに!求めるすべてが凝縮されている!誰も他に客のいない店内でひとり拳を握りしめた。焦ってテーブルの上の薬味入れから紅生姜をつまんで載せる。最強になる。ラーメンそのままの塩っぱくて油っこいスープ!細くシャキシャキの残るもやし!少しの白髪ねぎ!そこにアクセントの紅生姜…ほしいものは全て藤一番にあったんだ…もっと名古屋に住んでいた頃に行っておけばよかった。呆然としながら食べ終わってホテルに戻って寝た。

夜になりノソノソと起き上がって、名古屋の友Kちゃん落ち合いピータン豆腐を食べた。あれやこれや喋っているといつのまにか閉店時間になっており、もう一杯飲もうと磯丸水産に入って蟹味噌を焼きながらハイボールを飲む。やっぱり藤一番に帰ればよかったと思った。もやしスープのことをKちゃんに伝えたかった。あと、店のシャンデリアに藤一番と描かれているのがかわいかったことも。

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(2026/09/21)

 

 

 

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