本さんぽの日のこと

(11月5日の日記です)

 

朝ごはんに一昨日のピザの残りを焼き直して食べた。
一張羅のペヤングトレーナーを着て出かけたが、外が思ったより寒くて一旦戻って下に着たり上に着たりした。本がぎっしり詰まったスーツケースも思ったより重たくて全然歩くのが進まない。地下鉄のエレベーターの遠さよ。そうこうしていると約束の9時半に間に合わなくなり、焦っていたら共同出店のクララさんから「忘れ物をしたので遅れます」との連絡。助かります。

会場に着いて、シートを敷いたり段ボール箱を並べたり。周りがキチンと什器を持ってきているので比較するとすごく貧乏くさいのだが、まぁ最初だからこれでいいことにする。周りは本の量もすごい。みんなこんなにどうやって持ってくるのか。(答え:車)
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始まってすぐ、Nさんが様子を見に来てくれたので日記本を押し売りした。その後も想像よりも多くお客様が立ち寄られて、想像よりも多く本が売れた。
どのくらい接客したらいいかわからず、本屋で店員に話しかけられたいか?と自分に問うとそうでもない、と思いつつも、会話がきっかけで売れる本もあり、塩梅の問題がある。実際、今日は本屋というより"イベント"だから、コミュニケーションしたい人もまあまあいるようだ。私たちも古本よりも自分で作っている本を売りたいから、そのアピールも必要。もじもじしていたらクララさんがめちゃくちゃ日記本をプッシュしてくださるので有り難かった。わたしは凡そ傍若無人なタイプだが、こういう自分の価値を見極められる現場に来ると途端に自信がなくなり縮こまってしまうのだ。そんな状況もあり特にクララさんのお知り合いの方に多く買っていただいたように思う。ありがとうございました。

日陰でとても寒いので、ときどき日向に出て暖まった。1人の男性が「愛想よくしろよ!つまんねーな!!」と叫んできたので驚いた。愛想よくしろという文句はさておき、つまんねーなという感想には呆れた。

いか文庫店主の『栗zine』をビーナイスのブースで、読みたいと思って逃していた『文藝』のシスターフッド特集をuzuRa Booksさんで買い、クララさんが書いた小説の載った人魚がテーマのアンソロジーと、クララさんが今年一番面白かったと言っていた『母を燃やす』も買った。クララさんも日記本を買ってくださった。

16時に会計を締めて、片付けして徒歩2分の「ブロッケン」で打ち上げ。とりあえず冷え切ったので豚汁とハイボール。肉体労働直後のお酒って久しぶりだ。すごく美味しい。
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胡麻ダレの水餃子、牛スジ煮、ゴボウの唐揚げなど。クララさんの話はいつも想像のはるか上を行くので驚く。エピソードがありすぎる。ホルモン焼きそばで〆。
最近zineを他所に預けて委託販売することを何度かしたけれど、まあとにかく売れないのだ。作るのが楽しいので売れなくてもいいという気持ちはあるのだが、やっぱり売れたほうが嬉しいから、どうしたらいいか考える。
やってみてわかったのは、zineは雑貨的な要素が大いにあり、買うか買わないかは手元に置いておきたいかどうかにかかっているようだということ。わたしのバンコク旅のzineは立ち読みされて「へー」と言われて終了してしまう。手元に置いておきたくなる佇まいや手触りが足りないのだとお客様を見ていて感じる。もしくは、立ち読みでは読み切れない程度の文章量があって、続きを読みたいと思わせることも、売れる鍵のような気がしている。
一旦「日記本を出したい」という目標を達成した今、次はどんなものを作ろうか。今日のご祝儀売上が終わったので、とりあえず日記本をオンラインで売りに出し、在庫がなくなるのを待つことにした。


帰宅して荷物を置いてホッとして、まあどうも飲み足らず、再度出かけて中華料理店でビールを飲んだ。春巻き、チャーハン、締めに紹興酒ソーダ割り。さっき焼きそば食べたのにチャーハン。今日売った日記本の質素な食生活が嘘のように元気。治してもらって良かった。
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というわけで日記本を売り始めました。下記よりぜひ。