Duoとのこと

5月の半ばに「どうなるかわかんないけど何か勉強しないと、、、とりあえず中国語やるか!」となり、語学アプリのDuolingoで久しぶりの語学学習を始めた。
語学っていつも最初が1番楽しいと知ってはいるのだけど、Duolingoは噂に違わず本当に良くできていて、面白い。テンポがサクサクしていてゲーム感覚で課題を進められるのが楽しいし、同じ単語が出てくる頻度がしつこすぎず足りなすぎずちょうど良くて、記憶に残る気がしている。


隙間中の隙間時間である、会社を退勤してから会社の最寄り駅までの10分程の徒歩時間にDuolingoを開くとちょうどよく2−3レッスン消化できることに気が付いてから、珍しく良い習慣になった。これが、仕事終わりのモヤモヤした感じをテンポよい正解音でかき消すことにもなり、なかなか良い。スマホゲームをやっている人の感情ってこんな感じかなぁと思う。生活と全く別な世界にポコッと入り込んで、たまに悔しいこともあるけど大体は自分のやっていることを肯定してもらえる時間。本当はこれをノートに書いたり復習したりするべきなんだろうな〜と思いつつ、何も続かないよりマシだろうと、ゲーム的にそのまま流している。
Duo(Duolingoのキャラクターで緑色のフクロウの子どもみたいな生き物)から毎日メールと通知が来て、連続日数を更新するようにフォローアップされる。レッスンをしていないと日付が変わりそうになる30分前に「あと30分しかないけど…」と通知が来て、ハッとなって1レッスンだけやって寝たりもしていた。
6月の日記を見返すと頻繁に「Duolingoした」とメモしてある。6月6日には「Duolingoしか楽しいことがない」と書いていて不安になる。こうやって人はインターネットに取り込まれて孤独になっていくのだな…

と思っていた矢先。7月に入ってすぐの一週間の海外出張で、わたしはDuoからの連絡を無視し続けた。
移動に次ぐ移動。時差。緊張。出勤も退勤もないイレギュラーな生活。定形の行動が崩れて、Duoとの関係も潰えた。わたしの習慣なんてこんなものなのだ。出国直前は英語や行き先の言語を中国語に追加してやってみたりしていたけど、降り立ってしまえばレッスンなんて思い付きもしなかった。

帰国してからもDuoからの連絡は止まないのだが、今度は突然こちらが韓流アイドルのATEEZという人たちににハマってしまい、明けても暮れても彼らに癒しを得るようになってしまう。「Duolingoが1番楽しい」なんてことはなくなってしまった。「ATEEZが1番楽しいしかわいいよ」と言ったら、Duoはきっと泣いてしまうだろう。

Duoからの連絡は「3分だけ時間ある?」だったのがいつの間にか「もう5日も経っちゃったね…🥺」のようになり、最終的には「ごめん、しつこすぎた?もうメールしないでおくね…」と別れのメッセージになった。
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追いかけられる恋愛が終わった瞬間に失ったものに気が付いて、時既に遅し…とはならないアプリとの関係性に感謝して、わたしはDuolingoを大変久しぶりに起動したのであった。
1ヶ月前に覚えた中国語は半分くらい残っているようだ。