カーテンのこと


いまの部屋に引越してきてから、もう2年も経っている。
その間ずっとカーテンがなかった。
正確に言うと、ベランダに向かった窓が1つだけだった前の部屋で使っていたカーテンを、窓が3つになった今の部屋でそのまま使っている。
レースのカーテン2枚を大きい窓に。普通のカーテン2枚を残りの小さい窓に。
それで目隠しは済んでいたが、小さい窓にかけているカーテンは大きすぎるし、大きい窓にかけているレースのカーテンはどう頑張ってもレースでしかなく、なんとなく不完全な感じはしていた。でも、不便でもなかった。


入院してあてがわれた部屋は大変きれいで、大きな窓から日光がさんさんと入ってくる、療養生活に適した爽やかな個室だった。
そこでものすごく久しぶりに、毎日カーテンを開けたり閉めたりする生活をして気付いたのだ。
カーテン、めちゃ大事じゃない…?
朝はカーテンを開けたら部屋が明るくなって、はい、起きましょうね〜という感じになるし、夕方になったら閉めると部屋が暖かくなる。これはすごいぞ。
日に日に、これが私の部屋にも必要である確信を深めていった。

そもそも、部屋に一日中いる日はすごく少ない。いや、正しくは、休みの日は大抵一日中部屋にいるのだが、その場合は一日中寝ているので、カーテンの開け閉めなどしない。だから要らない、という考え方もある。
一方で、引越し以来の悩みは寒さである。部屋の日当たりが悪くて、そもそも北向きで、秋冬はシンと寒いのだ。窓から来る冷気たるやなかなかのパワーがあるので、なんとかしなくてはいけないと思っていた。思っていたのに2回も冬を越してしまった。

来る冬。不安な体調。
いまカーテンを導入せずしていつするんだ!と、退院した当日にカーテンを買いに行った。
いろんな人に無理するな無理するなと言われたけど、入院中あまりに動いてなさすぎて、家で座っていられなかった。それまで1日に100歩も歩いてなかったのに、帰ってきたら15000歩も歩いたことになっていた。極端。
遮熱効果のあるものをビシッと選び、取付けて大満足。これできっと寒くない。

 

翌朝から起きてカーテンを開けると、すこし部屋が明るくなって、ああ、朝…という感じがする。これよ、これこれー。って、世の中多くの人が既にわかっていることを今更やっている。


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