反省とOVER THE SUNのこと

 

入院日記のつづきです。

 

手術から一夜明け、いろいろな器具も殆ど外してもらって「さあ、立ってみましょう」。
え、こんなにもなんだかいろんなところが痛い気がするのに…?と思ったけど意外とスッと立てた。*1
とりあえず病棟のあっちからこっちまで、ヨボヨボ…と歩いてみる。
歩けはする。
でも、とにかく全身痛すぎる。

傷が痛いのもあるけど、たぶん緊張した状態で寝たような寝てないようなをやったせいで節々が痛い。背中も痛い腰も痛い。熱も出てるし体内免疫係の人たちがすごい頑張ってる感じする。
やっと普通の病棟に移してもらって、スマホも使えるけど、ちょっと家族にLINEしただけで鬼のように目と肩が痛い。
咳は地獄。鼻もかめない、腹筋が全部消えてしまったのか?
なにこれ、しんどい、ほんとに治るの…?

 

ここで私は大きく反省した。

ああ、今は亡き祖父母。健在だけど両親。出産後の姉、などなど。などなど。
みんな手術だの入院だのあったのに、全然わかっていなかった。
子どもだった私は見舞いに行ってもただぼんやりしていたな。
もっと背中を擦るなり、肩を揉むなり、してあげればよかった。
手術したら一発で病気から元気になるわけじゃない、くらいはわかっていたけど、こんなにも全身疲れているなんて。
わりとなんでも想像力不足で、痛い目に遭うまでなにも理解できない自分を認識はしていたけど、こんなことまでか…と。

コロナ禍で、どんな病気の人も入院しても誰とも面会できず、治療は受けられても癒しは受けられず、疲れている人たちが沢山いるんだろうなと思うとまた胸が痛い。
そもそも入院や手術ができてるだけでも幸運という世界線の2022年2月になってしまったけど…。


というわけで、読み書きも何もしたくないとわかって、数日はSpotifyポッドキャストをずっと聴いていた。何も操作しなくても次のエピソードをズンズン流してくれるので助かる。前々から友人各位から勧められていたジェーン・スー堀井美香の番組『OVER THE SUN』*2だ。
面白い。笑うとお腹が痛いので堪えながら聞く。元気出る。
性格も生き方もまるで違うお二人のやり取りを聞きながら、明るい気持ちで時間を潰せて本当に本当に有り難い。すっかりファンになった。
話がかなり下世話になるところがあるのでそのときに先生とかが部屋に入ってくるとヒャッ!となって、音を止めるのに失敗したりしている。*3
いま、Ep.28まで辿り着いたところです。まだいっぱい聴く回があって嬉しい。


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主治医に「とにかく歩いて」と言われて、なにもない病棟の廊下をぐるぐるぐるぐるぐるぐる周っている日々。
手術の日からやっと1週間経って、「ほんとに治るの…?」と思ってたいろんなところの痛みはやっとほぼ解消された。食事も始まりだんだん退院に近付いている感じ。
その後の生活どうしようと思うとまたグッタリと来るが、とりあえずは皆さん極寒の折、どうぞご自愛ください…



 

*1:ただし低血糖みたいになって顔面真っ白のフラフラになった。看護師さん焦ってた。

*2:

*3:イヤホン持ってなくて個室なのでスマホからそのまま流してる

いたちのたぬきのこと

入院日記の続きです。

 


手術が無事終わり、やれやれと思いはしたけれど、まだ闘いは続いておりました。


腹腔鏡で手術していただいたので表面の傷は小さめなのですが、お腹の中では大幅な模様替えが実施されたため、お腹は痛いのです。ただし、昨日までとは違う痛さ。
更に、両足ふくらはぎは圧力マッサージ機のようなものを付けられ、尿カテーテルも心電図の管も付けられ、点滴も両手に何本も付けたまま、「じゃ、安静で」と言われても、寝られるわけもなく。

まだ午後6時くらい。

本もないテレビもない、スマホもない。

なにかで時間を潰そう…羊を数えるか?
そうだ、一人でしりとりをしよう…
りんご、ゴリラ、ラッパ…パイ…痛い…

とかやっているうちに、ふと脳裏に浮かんだのが『いたちのたぬき』でした。

Eテレピタゴラスイッチ』の中で流れる歌の1つです。

(公式の動画がこれしかなかった)

なぞなぞと数え歌が一緒になっているんですが、最初に、かつ熱心に聴いたのはもう10年も前。
歌詞の「いたちのたぬき♪かにのかとり♪」まではすぐ思い出せるのですが、そのあとがぼんやりと思い出せない。*1
「さんまの…まぬけ?まぬけではなかった気がする…さんまの…痛い…*2」とかやっているうちにフッと寝たり、やっぱり痛くてビクーッと目覚めたり。

1つずつ思い出して、10までたどり着いて「あ〜よかった、思い出せてスッキリ…多少時間も潰せたし…改めてとても良い歌だなあ…」と思いましたが、一体なんでいま『いたちのたぬき』なのか…
わたしの人生が終わるときに流れる音楽は『いたちのたぬき』なのか…?
もうダメかもというときに見る走馬灯は『いたちのたぬき』なのか…?
しかも一気に思い出せないしまぬけではないか…?

いぶかしみつつ、とりあえず思い出せた『いたちのたぬき』を噛みしめながら、なんとか腹の痛くない姿勢をモゾモゾと探しつつ、でも姿勢を変えるのも痛いから諦めつつ、朝になるのを待ったのでした。*3

 

 

(なお、きょう放送のピタゴラスイッチで『いたちのたぬき』が偶然流れたのでそれはそれは嬉しく観たのですが、脳内で再生してたものと実際の映像にかなり差があったので笑ってしまいました。)

 

 

 

*1:でも20年前のGLAYはソラで歌えるの、なんなんでしょうね。10代の記憶の維持力。

*2:正解は"さんまのまつり"

*3:途中で『こたつたこ』ってのもあったな!?とひらめいて、思い出そうとしたのですが無理でした。さっき調べたら脈絡があんまりないから仕方ないなと思いました…

なんか美味いもの、のこと

 

入院日記のつづきです。

〈前回のあらすじ〉
手術前の鼻からチューブ挿入処置で一息ついたと思いきや、直後にまさかの激痛が腹に!なんだこれ助けて!


「いたたたたた」と病院の人の前で言いながらぜーはージタバタするのって恥ずかしい。
でも恥ずかしがってる場合ではない。
ベッドに寝てみたり、床にしゃがんでみたり、トイレに走ってみたり、痛み止め追加でと言ったら断られたり、「落ち着け、痛いと思わなければいい」と思ってみたりしたけど、痛くて3〜4時間くらいおりました。
無理無理。
先生にエコーで見てもらったら、管が腸を突き破って大変だ!ということではなかった。腸に管を入れる際、造影剤も入れていたせいで、腸が刺激されて動き、痛くしたらしい。さらに、鼻から入れた管が喉にあるから嘔吐反射が出てしまって吐く。「若い人ほどそうなんですよ」と先生。まじか。
言っといてくださいよ…。

完全にくたびれ切って痛みは少し落ち着いて、違和感と共に寝ました。


翌朝。
背中が痛い…と呟いたら「昨日しんどかったから、きっと筋肉痛ですよ…」と看護師さんが慰めてくれました。
午前中はゴロゴロしながら、髪を洗ったり*1へそのごまを取ったり、腹帯に名前を書いたり*2着替えたりして午後、いよいよ手術です。
先生・看護師さんと3人でいざ〜!と手術室の前室みたいなのに行ったら、「あ、まだ時間じゃないのでちょっと待ってください」と言われて笑ったりもしました。やる気があった。指示通り待って、説明を受けて、台に乗ってアレコレつけられ、眠くなりますよーと言われ、ハイと返事をしたらもう終わってました。全身麻酔していただき4時間ほど経っていました。

病室に戻り、結局来てくれた母と30秒ほど会話しました。
「わざわざありがとうございます」「よかったわね、4時間くらいやったわね」「お待たせしましてすいません」
先生から"かくかくしかじか、無事終了してます"的な話をサラッと聞いて「いても仕方ないからこれで」と去っていく母に特に何も言えなかったのですが、心の底から
「なにか美味いものでも食べて帰って!!」
と思いました。
私の父はしょっちゅう入院していた時期があり、私は母としょっちゅうお見舞いに行っていたのですが、行くと必ず言われたのは
「なんか美味いもの食ってけよ。△△の寿司とか。○○の中華とか。」
お金出してくれるわけでもないのに、こっちは普通の生活してるのに、本人が食べられなくて不自由で、鬱憤を晴らしたくてそんなことを言うんだろうな、と毎回思っていたのですが、「ああ、ねぎらいの丁度いい言葉がこれしかなかったんだな…」と20年越しくらいで父の気持ちが理解できました。*3

 

 


あとから母にLINEで聞いたら、名古屋駅の中のお店に寄って、手羽先とビールに親子丼ときしめんのセットを食べた!と言っていたので、たいへんホッといたしました。ちゃんとやってたわ。*4
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*5

*1:まさかのベッドで寝たまま洗っていただいてしまった。自分でできたじゃろ…

*2:名前書いてくださいね、とペンを渡されたのでパッケージにきっちり名前を書いたのだが、そうじゃなくて中身に書くのだった。出して使うんだもんね、そりゃそうだ。

*3:ただ刷り込みされただけかもしれませんが。

*4:たぶんここの店

*5:写真のはこの店。名古屋駅周辺は親子丼充実しているな…

えらい神への冒涜のこと


入院日記のつづきです。

 

 

もともと前回の入院の際にかなりしっかりと検査していただいたところ、「そもそも腸の位置がおかしい」と言われておりました。よくある大腸がお腹の中を四角く走ってるようなあの図に、お腹の中がなってない。なんか理由があるはずだけど、今までこれで生きてきたから、生まれつきのものなのかなあと。
腸閉塞って、そもそもなにかで内臓の手術をした人がなりやすいようなんです。手術の余波で腸同士がくっついたりして、どこかが塞がって、食べたものがその塞がったところで詰まると。
でもわたしには特に手術の履歴はない。じゃぁなんで今になって急に腸閉塞になったんだろね、ここ詰まっちゃったのか、わからんね…と言いながら入院中の経過が良かったのもあって、絶飲食と点滴だけでニコニコ退院したのです。*1 *2
そして、「再発したらもうお腹の中を見るっきゃないネ!」という話になっていました。
それゆえに「明日手術しましょ〜」と言われて納得して入院したものの、その後「現状だと腸が張ってて手術しづらいから、いったん別な処置をしてからにしましょう」と言われ
そのまま携帯電話禁止区域*3に格納されて、やっぱり痛いっす…痛み止め追加で…と言いながら寝させてもらいました。


翌朝。
薬も効いて落ち着いているので、携帯禁止区域から出て各地に連絡。着てきたパジャマが前開きじゃないうえに、タオルも持ってき忘れていたために、結局院内のパジャマ&タオルサブスク(1日500円くらい)に加入したり、手術後に使う腹帯・T字帯を買ったり、と穏やかで前向きな時間が流れました。鞄に放り込んでいた蟹の親子さんの日記本『にき』を読んだり。面白かった。*4

で、夕方くらいから手術の前の処置をしてもらいました。
イレウスチューブと呼ぶ管を鼻から腸まで通すのです。そして翌日の手術までの間ずっとそのまま、腸の中のものを鼻から出す!!!これで腸閉塞の症状を治すというパターンもあるそうです。
チューブはね、わたしが小学生くらいのころよくあった、ぐにゃぐにゃ曲がる長い鉛筆のような感じの強度です。太さは1.5倍くらいかな。わかりますかね、あの鉛筆。
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想像してください。
うーん。
結構激しいよね。

台の上に寝て、鼻の穴に麻酔のジェルを流し込みながら、ズズイズズイと管を入れていきます。
喉を通すのでウエッとなりますが、ゴクリと飲む感じで対応します。
先生たちはX線での透過画像を見ながら、ズズイズズイ…と…管を入れます。「いま、胃まで来ましたよー」とか言われます。

そうですか…と聞きながら、わたしは
「これは…神への冒涜だな…」
と思いました。

前回の入院時には造影剤を飲みながら、それが流れて行くのをX線でライブで観るという検査をしてもらって、そのかなりのSF感に「人類の進歩たるや…!」と興奮したのですが、今回はそれどころじゃねえっす。
人間は快適に生きるためだけに…こんな管を体の中に入れて…しかもちょっと引っ張り出してみたりブルブル震わせてみたりして…かつては食べすぎで腸閉塞が破裂してそのまま死んだ人たちもいただろうに、もう、そのままでよかったのではないか。一体何をやっているんだろうか…と。

ここで先生や看護師さんが「えらいよねえ」「えらいですけどね、もうちょっとですから」と声をかけてくださります。
えらい、というのは、偉いということではなく、「しんどい」「キツい」という意味の名古屋言葉です。医療現場では患者にとってより身近で温かい方言が使われることがあるとは、旧友ごまさんの卒論で読んで*5いましたが、これです。これか〜と思いながら、うん、結構しんどいです…

ある程度(2.5mほど)入ったところでお腹が少し痛くなったので止めていただき、管を機械につなぎ、終了です。30分くらい入れたり出したり震わせてみたりしていたようです。
何もしてない(管を受け入れていただけ)けど疲れた…と思っていたのもつかの間、わああ!とお腹が痛くなりました。入院を決意したのと同じ痛さ!えーん!嘔吐!わーん!治しに来たのに何たるこった!む、むりだよー!!!

 


つづく!

 

 

 

 

*1:いま思えばあのときは仕事をすごくしんどく感じてたので、正直休めて助かりました。そのあとわりと気楽に働いてる気がする。

*2:BASE BREADが悪かったのでは説も思ってサブスク辞めた。

*3:要はICU的なところ。そんな死ぬような状況でもないんですけど、コロナとかの都合もあって、こうなったようです

*4:

*5:14年前…

串カツ田中かこんにゃくチップスのこと

 


2021年10月に、カレーを食べたらお腹が痛くなって即入院したということがあったのですが、
またやってしまいました。
今回の犯人は串カツ田中(デリバリーで頼んだ7本くらい、とくに牡蠣とハムカツが美味しくて泣いた)か、そのあとに食べたこんにゃくチップスではないかと睨んでいます。
睨んでどうする。
こんにゃくは消化に悪いと聞きますけど、チップスになっても同じなのでしょうか。
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じつはこの一週間前ほど前にも、休前日を満喫したかったわたくしは、蔓延予防措置発令直前の名古屋を駆け巡り、一夜のうちにめちゃくちゃ食べまくるということをやりました。詳細は恥ずかしくて言えないほど、「"あたおか"っていま使うのかな」くらい食べました。ヒントを出すなら5軒ハシゴした。
そしたら翌日めちゃくちゃお腹が痛くなって、あ〜わたくしはまたやってしまった…なんてバカなんだ…って泣きながらお腹を暖めたり部屋でもんどりうったりしてたらなんとか治ったんです。もちろんその日はほぼ何も食べず。3時間くらいもんどりうってましたけど。
これが良くなかった。
「なんだ、なんとか治せるんじゃん」と思ってしまったんだよね。

そして繰り返す諸行無常
缶のハイボールを飲みながら楽しく串カツ田中を家で満喫したわたくし、熱いうちに食べないとねっていつもの早食いをやったのが悪かったのかなんなのか、翌日昼からお腹が痛くなりました。
お腹は痛いけど歯医者の予約をしていたので行きました。痛いけど歯医者で磨き残しのご指摘をいただいたり歯石を取っていただいたりしてるうちに時が過ぎたのでちょっと助かったよね。
でも治らない。ふむ…
「先週もやってもたし、そろそろもう一回病院にかかっておこう」という気持ちで、その流れで病院にも歩いて行って翌朝の診察予約を取ったのでした。

しかし、その帰り道にもどんどん痛くなる。家帰ってからもぜーはー痛い。もんどりうってたら嘔吐。これはちょっと無理かもしんない?でも今から病院に行くとまた即入院と言われるかもしんない、そのときに支度ができてないのはマズい。寒い。熱い。でもスマホと社用PCの充電器を鞄に入れなければ。今もらってる薬も。パジャマ…は今着てるやつでいいか。前回の入院で使った歯磨きセットとかをまとめてたやつがこのへんに…あった…痛い…嘔吐。うーばーを呼んで…
みたいなドタバタを家でやってから病院に駆け込んだところ、退勤していたはずの主治医が現れて
「前回と同じですねー。明日手術しましょう」
「えっ…、はい」
というわけで再び即入院と相成りました。


ちなみに病名はかっこよく言うとイレウスです。日本語で言うと腸閉塞。
要は糞詰まりです。
糞詰まりごときでこんなにいろんな方にご迷惑おかけして…と思うと本当に情けない。前回の痛み苦しみを忘れ、再発したら手術しようねとの主治医との約束を忘れ、日々粗食で生きるべきところをコンビニとファストフードに再び溺れ、早食い大食いを繰り返し、このコロナ全盛、医療体制逼迫の折に緊急入院させていただくだなんて、不届き者としか言いようがない。
今回の入院と手術を経て、もう2度と病院の敷居を(経過観察以外では)跨がないようにしなくては…と思いながらも全く健康管理に自信がありませんが…
しばらくまた入院日記にお付き合いくださいませ。

 



贅沢旅のこと


どこかに行きたさが破裂しそうになり、京都にでも行くか…?と思って宿まで予約しかけた。
けど、オミクロンだなんだとか。新幹線乗ったら結局結構かかるわねとか。仕事では評価の時期なのでそれもやんなきゃねとか。いろいろモヤモヤした末に、近所で旅行することにした。
知らないところに泊まって知らないところでご飯食べたら大体旅行ということに。

北朝鮮からのミサイルのニュースを聞きながら昼過ぎまで寝て、ときどきかかってくるお取引先からの電話に出て、ちょっと対応して、クリーニング屋さんに寄ってから、久屋大通のホテル*1に行く。
そういえばこの辺あまり来ないなと思って歩いていたら、初めて見るオーガニックスーパー*2があったので早速嬉しくなった。こういう、歩いてて見つけるみたいなことがあればもう旅行。ぐるっとひと回りして、明日の朝ごはんはここでパンを買って食べようと思った。ハイソって、もう死語かな。ハイソな感じだった。
チェックインしてすぐにお風呂に入る。大浴場があるのだ。家での入浴は大嫌いでいつもはカラスの行水しているけど、旅先で大きな浴槽に浸かるのは好き。早い時間だったから誰もいなくて、ゆっくり体を洗ってゆっくり湯船に浸かって、小さな露天風呂から青空を眺めながら深呼吸したりして、30分くらい満喫した。脱衣場で水をめちゃくちゃ飲む。贅沢。入れ替わりに同い年くらいの人が入ってきたから、ナイスタイミング、貸し切りでっせ、と思いながら出た。

行ったことのないところで飲もうと思ってウロウロし、通りかかったレストラン*3のドアを勇気を出して開けたら「いっぱいです」と言われるなどした。今度予約して行こう。
結局グーグルマップにメモしていたスペイン料理店『Estoy lleno*4』に辿り着く。シェフがきっちりマスクをしていて嬉しい*5。しかもカウンターとキッチンの間に窓のようなものを設けていて、お料理を出したり注文を聞くときだけカラカラ〜っとそれを開けてくれるのだ。その窓がピカピカでまた嬉しい。
頼んだのは今日のお勧めから、ラディッシュのマリネ、サワラのドノスティア風サラダ、ハチノスとギアラと里芋のカジョス。ラディッシュがローストしてある上にマリネが軽くて、これはこれは、と思っていたら、次のサラダが尋常でない美味しさでワインをごくごく飲んでしまった。何が美味しいのかわからなくて悲しいのだけど、サラダの味付けがめちゃくちゃ美味しい。香りと少しの苦みが野菜も魚も美味しくしている模様。お店の最安値グラスワインがびたびたに合ってしまい、おかわりした。
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ちょっと歩いて、ここもメモしていたけど初訪のバー『安西コーブンドー*6』に。本と酒、の呼び込みでずっと気になっていたのだけど、タイミングが合わずに2年くらい経ってしまった。BGMでスピッツの『正しい街』カバーと『青い車』が順に流れて戸惑い、そのあとも自分の世代のJPOPが流れ続けて耳が忙しかった。
本棚の中身は自宅にあるものや、読みたかったと思っていたものに溢れていてこれまた大変。私もこんな店をやりたい…というか私がこの店をやりたい。夢を叶えている人だ。読みたかった長嶋有『ルーティーンズ*7』が置いてあって、ビールとジンソーダを一杯ずつ飲む間に読み切ってしまう。こんな贅沢なことあるか。『Neverland Diner*8』が置いてあったから、今度はあれをちびちび読みながらだらだらと飲みたい。
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ダメ押しでホテルの近くのバーに駆け込み、ワインを飲む。なんだかどこの店にもアルケミエ*9が並んでいるような気がする、前の店にもあった。それを眺めながら勧められたワイン、一杯目は正直よくわからなかったが、二杯目が美味しかった。お店の人に言うと「そりゃなかなか通ですね」みたいなリアクションをしていただけるのだけど、実はこちらのアレルギー性鼻炎に対抗できるくらいの強い香りのするものを良いと思うだけなのかもしれないと恐縮してしまう。ワインやお酒をもっと知りたいと思うけど、鼻に自信がないので全く勉強する気につながらない。横に座った人たちが「酸が」「山菜の香りが」と話しているが、なんか美味しいなあとしか思えない。言語化したいけど、どうやって香りに名前をつけたらいいのか。

やめときゃいいのに最後の最後でケバブを食べて寝た。


起きて朝ドラを観る。今、出てくる人が全員かわいいので楽しく観られる。もう一回大浴場に行くか?と思うが、結局ゴロゴロしてチェックアウトの時間になってしまった。とぎれとぎれに読んでいた『諸般の事情*10』を読み終わる。コロナ禍以前の愉しげな日々、パリ旅行記が羨ましかった。*11
『続 諸般の事情』に行く前に、『なにもつづかない*12』を読み始める。タイトルにシンパシー。しかし読み始めたら、イライラしたり、喧嘩したり、病気になったりとかなり激しかった。最初は読むのしんどいかも、と思ったけど、だんだんハマってきてどんどん読んだ。"ブファ"という単語がよく出てくるので何だろうと思ったら"ブックファースト"のことだと途中でわかった。新宿のモード学園の地下にある書店。

朝ごはん、久屋大通のカフェでカフェラテとアボカドトーストを食べた。映えた。
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雨用の靴が必要で栄のデパートや地下街をぐるぐる回った。見比べているうちに疲れてきてしまい、イメージしていたのと全然違うものを買った。イメージは合皮で普段履きもできるサイドゴアの雨用ブーツで、買ったのはゴム製のもの。
もう家に帰りたいが、帰ったら100%寝てしまうのでバスに乗って知らない街にあるロイヤルホストに行く。名古屋の数少ないロイホ、初めてだ。メニューに載ってるもの全部が美味しそうだが、二日酔いのためビーフジャワカレー1択。久しぶりに食べたがやはりとても美味しい。パラダイスティーをごくごく飲む。
やろうやろうと思って先延ばしにしていた去年の手帳から今年の手帳への転記を少しやる。去年のミーティングや研修のメモは、理想ばかりが書いてある。この中で実際にやり遂げたことなど1つもない…と暗くなってきて、せっかくのリフレッシュ旅行感が消えかけたのでやめた。食べようと思っていたいちごのパフェはまた今度にする。
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『なにもつづかない』を読み終え、蟹の親子さんの健康を祈りながらの帰路。いろんな人の日記本を読んでいると、やっぱり本になってるのいいな〜と思ってしまう。


昨日出したクリーニングを引き取って旅は終わり。家は寒い。

 

 

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*3:

*4:

*5:これ、ほんとにこの2年で生まれた新しい感情だ

*6:

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*9:岐阜の郡上八幡で作ってるカッコいいジン

*10:

*11:読みながらこのブログを書いているので文体がかなり武塙さんに寄ってしまっている。彼女のあっさりしつつも愉快さ溢れる文章に憧れる。

*12:

お正月のこと


新年あけましておめでとうございます。
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晦日は近所のお蕎麦屋さんに行った。お蕎麦だけ食べるつもりが、つまみもお酒も販売していたので興奮して焼味噌や白子の天ぷらも頼んで豪華に満喫してしまった。お蕎麦も美味しかったので、また行こうと思った。
紅白歌合戦氷川きよし美空ひばりの曲を歌ったのと、MISIAと藤井風が二人で歌ったのがとても良かった。氷川きよしは思いの溢れでる様が、MISIAと藤井風は才能の花が乱れ咲いている様が良かった。
日付が変わって23550655の干支の歌がいつになく可愛くてびっくりした。毎年もっとわりと呆然としてしまう気がするのだが。

お正月の朝兼昼は鶏肉を入れたお雑煮をかろうじて作って食べた。昼から仕事に行って帰ってきて、夜はスーパーで買った900円くらいのおせちセットを食べた。別途で好物の紅白なますを買っておいて大盛りで食べた。さらに、今まで存在を知らなかった魚屋さんに通りがかり、いくらを買ったのだがこれがべらぼうに美味しかった。多分漬け方が上手なんだと思う。一緒に買った西京焼も美味しかったので、この店を信じる気持ちが強く生まれた。通おう。

年末年始やりたいこととして書いた15個のうち、6個はできた。
・アトリエみちくさに行って花を買いたいしMATKAさんの花瓶も見たい
・紅白を観ながらツイッターをしたい(これはする)
孤独のグルメスペシャルを観たい(紅白とかぶっている)
・美味しいお蕎麦を食べたい
・お正月の食べ物を買いに行きたい、かまぼこと紅白なますだけでも
シャンパンを飲みたい
全て欲望を満たす系のもので、自分を律する系のものは何もできませんでしたね。わかってたけど。


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