塩ライスのこと


今日も元気に出勤。
1日じゅう体を動かす仕事をして楽しかった。

 

昼、社食でアジフライ定食を食べた。
いまの勤め先の社食はお茶碗ではなく、平たいお皿にご飯が盛られる。
平たいお皿のご飯を食べるときって、いまの世の中でそんなに出会わないだろう。デニーズかガストかサイゼリヤか、びっくりドンキーか…とにかくファミレスに行って、しかも、ご飯を選択しなければないのではないか?そう思うと常日頃からイレギュラーな体験をしているようだ。炊き込みご飯でもなんでも、ご飯なら平たい丸皿に載せて提供され、特に違和感なく食べている日々だ。


食べ終わりかけのお皿に残ったお米の粒をつまみながら、彼氏のことを思い出した。彼は、ファミレスで出てきたお皿のご飯に、なんのてらいもなく卓上塩をかけるのだ。
初めてその場に居合わせたとき、まったくもって初めて目の前にした所作だったので、わたしは固まった。そして詰めてしまった。
「え、なんで?なんで?おかずあるよね?お茶碗のときは塩かけないよね?」
よくよく聞いてみると、彼はご飯とおかずを完全に分けて食べる主義のようだった。もちろんおかずの塩っぱさにあわせてご飯を摂取はするのだが、ご飯の上におかずをちょいとバウンスさせて味を移すようなことはしないという、ご飯に対してとても礼儀正しい人物なのだ。 家系ラーメンを食べるときには必ずサービスのライスを食べるくせに…ごはんにおかずの味がついたら背徳の美味しさなのに…じゃぁ丼ものはどうなんだ、カレーライスはどうなんだ…ナイルレストランに行ったら「よく混じぇてね」と言われるのに大丈夫なのか…なぜライスに塩…うーむ納得いかん、としばらく粘っていたのだが、もはや追及しても仕方ない。どこかで皿上のライスについて異なる態度をとることになった二人の人生だったのだ。面白い。


「あー、彼はお昼ごはん、なに食べたんだろー?」と思いながら午後の仕事に入った。

ザ☆ピ〜ス!

ザ☆ピ〜ス!


下着がペタペタになるほど汗をかいたので、きっとビールが美味しいな。今日はビールを飲もう、飲んでいい、飲むぞ〜と思いながら働いて、終わって、飲みに出た。
なんかやっぱり飲みに出かけている場合ではないのでは…?と思ってから、家で食事するように心がけていたのだが、"いい汗"と"明日休み"が合わさると外でビールが飲みたくなる。家で…というのは1週間しか保たなかった。ごめん。
ウロウロして初めて入ったお店はとても美味しく楽しいお店だった。好きな食べ物ランキング20位以内に入るピータン豆腐がとても美味しかったので、好きなお店ランキングにも入った。ピータン、ぐにゃりとヘタっているお店とプリップリなお店とがあるようにおもうのだが、何が違うんだろう。製法?切り方?値段?なにはともあれ、ピータン豆腐とビールが美味しくて(あと店内BGMが80年代〜90年代の邦楽の有線で全部歌えて)、今日は完璧な日になった。
お店には2回目なのか初回2軒目なのかのデートらしき男女二人が、食べ物の好き嫌いがマッチするということだけで盛り上がっていた。知っていて歌えるBGMは、一人だと嬉しいことが多いけど、二人だとつらいときがある。集中力が削がれて、親密な会話を邪魔する。どうやら若い二人にはこのお店のBGMは響かなかったようで、なによりだった。しかし二人ともお互いを探る必要がもうない関係で、BGMでうへー!となって、カラオケに行けたりすると、それはそれで最高なのだがな。そろそろそういう時間も持ちたい。
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