最近の天罰のこと

先週は全然力が出なくて欠勤しまくってしまった。

95%布団の上で過ごして起き上がれず、睡眠したり覚醒したりしていた。
そういうときは大概TwitterデイリーポータルZをぐるぐるしていることが多いのだけど、今回はmiyearnZZさんのラジオの書き起こしを読み漁っていた。なので今わたしは安住紳一郎にすごく詳しい。彼がパンダの命名のプロであることを初めて知った。*1

 

そんな具合に怠惰を極めていたら天罰が下り、電子レンジが壊れた。
2020年の年末にも壊れた。買ってから2年も経ってないのに壊れた。
安いやつだからか?それともわたしが人としてアレだからか?タイミングが良すぎて後者としか思えない。
炊いたご飯を全部冷凍しているからレンジなしでは食べられず、とりあえずひやむぎを茹でて食べ過ぎるなどした。
社会復帰したこの数日は冷凍ご飯はお弁当として持参して会社で食べている。

食べられないと思うとなぜか食べたくなるのが人の常*2で、吉野家に通っている。
牛カレーのチーズのせを食べたらルーライスマネジメントをミスしてしまい、余ったルーのために追加でご飯を頼んだ。並盛の丼にびっちりご飯が詰まって出てきたので、びっくりしたけど食べた。半量とかで頼めるようになるといいな。

そろそろ太るという名の天罰が下りそう。お腹が痛くなるという天罰は現時点では発生していないのでナメている。

 

*1:

*2:主語デカ

ノーノーのこと


ノーやる気です。
夏休み明けから6勤したらエネルギーが全部消えました。
いや、6勤最終日にエネルギーが消えるのを感じながらも1人で一生懸命飲み食いし、翌日も一生懸命遊んだらほんとに全部消えました。なぜか体力よりも心のエネルギーがよりマイナスに。いずれにせよ消すまで使っちゃちゃだめだとわかっていたが遊びたかったんだ…と私は供述しています。

 

で、今日はノーやる気のため、ノーブラ出勤しました。
暑いし。蒸すし。
誰も気付かないだろうし、下着くらいラクさせてくれと。
いや、しっかり休んでぐーたらして、フレックスタイムに勝手にして、じゅうぶんラクさせてもらってるんですけどね。普段もカップ付きタンクトップ的なものしか着てないので、ちゃんとブラジャーする日なんてほとんどないんですけどね。

そいで出勤途上でお昼食べようと、近所のうどん屋さんに入りまして、きしめん定食頼んだんですね。750円。きしめんはコロと呼ばれる冷たいおつゆのスタイルで、炊き込みご飯がついていて、小鉢もついていて。食べ過ぎですけどもうね、気合い入れるためにいいやと思って。
頼んだ20秒後くらいにハッとして、鞄を漁ったら財布がないんです。

ノー財布。またかよ。*1

遊ぶ用のカバンから仕事用のカバンに全部移したつもりで、財布だけが取り残されているんだな。
定期入れに忍ばせてる"いざというとき用"の千円札も、たまたま昨日使っちゃって補充してないし。
毎度おなじみ、まさかの今月30回以上使用済になってるペイペイも、この古き良きお店では使えないし。
あー。
立ち上がってお店の人に「すみません、わたし財布忘れちゃって」と言ったら「お近くですか」と。
「はい、すぐに持ってきて…や…」
二人で厨房を一瞬見ました。もう…茹で始めてますよね。
「あとからでもいいですよ」と優しく言っていただき、出てきたきしめん定食を恐ろしいスピードで食べきりました。

食べている間、頭の中を巡っていたのは「この暑い中、徒歩10分の家に帰りたくない…なにかソリューションがあるはずだ」ということ。そしてこのツイートを思い出したのです。


前回、ノー財布で旅行したときに、Twitterで嘆いていたらセブン銀行公式がリプライしてくれたやつ。

ありがとう、これだよ、炎天下の徒歩10分より、3分と手数料のセブンイレブン
高速でうどん屋からセブンイレブンへ移動して、念の為の2千円をセブン銀行ATMからダウンロード。走って戻って千円でお会計。はー、よかったよかった…おかげで食い逃げせずにすみました。

 


先ほど帰ってきて、財布はちゃんと仕事カバンに移しました。ノーブラのままです。もう後者はこのままでいいんじゃないだろうか。やる気はちょっと出ました。

 

 

 

 

*1:前回のノー財布記録はこちら

服が臭いこと

 

あの…
なんていったらいいか…
その…
コミケは臭い…みたいな…
今どきの明るく元気できれいなオタクの人たちじゃなくて…
いにしえのヲタクの人たちってなんか臭い…とか…
ある?あった?じゃないですか…

なんで臭いんだろうねとか風呂入れよとかいろいろあると思うんですけど…

いま
わたし
それです。

服が
臭い
です。

 

なぜそうなったか、言い訳をさせてください。

 

少し前までアリエールのジェルボールを使って洗濯していたのです。
使う前までは「こんな環境汚染の素みたいなの使っていいのかしら」と不安がっていたのに、ポンと1個洗濯機に投入するだけという手軽さに、使い始めたらもうコロッと負けました。
洗濯の量に合わせてなんやかんや調整しなくていい!洗剤の液がフタから垂れて悲しくならなくていい!ありがとう科学よ、ありがとう人類の進化よ、と思っていたのに、どうも香り抑えめの商品が廃番になってしまったようで、近所のドラッグストアで見つけられないときがあったのです。
そこで同じシリーズの別商品を「まぁいいか」とごく適当に買ったのですね。そしたらすっごい、すっごい、匂いで。もともとわりとなんでも無香料が好きなので、大変に困惑したんです。ちょっと、気持ちが悪くなるくらいに。
それをTwitterに書いたら*1、「無印良品の洗剤が無香料でいいよ!」とおすすめされました。素直なので、強い香りのジェルボールを使い切ったあとにすぐ買いに行きました。
久しぶりの液体洗剤で、やっぱりどのくらい入れたらいいか量がわからないなぁと思ったりはしたものの、しばらく問題なく使っておりました。むしろ無印の洗剤はパッケージも押し付けがましくなく、これで私も少しだけ丁寧な暮らしに近づけそうだわ…と、とても気分が良かったのです。

しかしこの数週間の暑さ。汗。湿気。

部屋干ししている洗濯物にふと近づくと、異臭がしてきました。
あれ…
これ…あれじゃん…
服が臭い人のニオイじゃん…!!!

泣きながら消臭スプレーを買ってきてみたら今度はそのスプレーの匂いが嫌いだったり、ならばとアロマオイルのスプレーを手作りしてみたら全然効果がなかったり*2して、
気付いたんです。

無印良品の洗剤を使っている人は、晴れを活用してベランダ(もしくはお庭)で洗濯物を干しているに違いない。
日に当たって、風にそよいで、パリッと乾く洗濯物。
だから異臭がしないんだ。

わたしがいま取り組んでいるのは、テレビのCMでよく見る「部屋干し臭」というやつだ。
黄土色の、どよんとしたフォントで書かれた、あれ。
素直な洗剤で洗って脱水もそこそこに、ろくに風を通さず締め切った部屋で、濡れた服を乾かそうとする…しかもちょっと重なってて乾きづらいところもある…
きっと洗濯物のプロが聞いたら叫びたくなるような劣悪な環境。
は〜これが、これが服を臭くする方法か。

 

ほとんどの洗濯物はドラム式で一気に乾燥までやりきってしまう生活をしております*3 *4が、一部ハンガーに干している主に通勤用のシャツは、なるほどP&G的な、炭酸パワーがなんたら!洗濯科学がどうたら!除菌が!バイオが!大容量!といった工夫たちに守られていたんだなと、身を持って理解いたしました。

なので…はたとインターネットで検索して、Amazonで買いました。アリエールバイオサイエンスジェルボール4D微香タイプ。廃番になってなくてよかったです。

 



 

 

*1:何でもTwitterに書きます

*2:でも、いい匂いです

*3:前回のpostも今回もズボラ自慢になっていて恥ずかしい。芸風を変えたい。

*4:この手前まではちゃんと日に当たるように干してた時期もありました。念の為。

ひとり住まいの夏休みのこと

 

夏休みが終わった。
正確には夏休みの彼氏が名古屋に遊びに来ていた期間が終わった。
わたし個人の夏休みは8月11日と15日の二日間であった。8月10日も休むつもりだったがいろいろあって出勤したため休みは減った。
なお、いろいろあって出勤もしているがぐずぐずして欠勤もしているため月間で見ると休みの数は合っている。もっと休みたいのは休みたいが。

 

夏休みの目標は「1年くらい溜め込んだ段ボールごみを捨てること」「1年くらい壊れっぱなしのゴミ箱を買い換えること」の二点。ゴミ休みである。

 

段ボールは捨てるタイミングと場所がいまいちわからなくて放置していたらどんどん溜まった。溜めていたら一人で持てる範囲を超えてしまい、ますますいつどこに捨てたらいいかわからなくなって更に放置していた。できれば客人が来る前に捨てたかったのだが、やっと見つけた365日24時間捨てられる場所が家から30分くらい歩いた先だったので、挫けた。

11日の朝、いざ捨てに行くぞとほぼ寝間着のまま出掛けた。暑くなる前に捨てに行くのが正解のはずだと7時に出発。客人の協力を得て歩きはじめたら、なんだか近隣のおうちの前に段ボールが置いてある。
「え、回収あるの…?」「調べても市の回収はないですって書いてあったのだけど」などとムダな言い訳をしながら、よくよく捨ててあるものを見ると「○○学区 資源回収」の紙が付いていた。これは、市ではないけどオフィシャルに、地域として回収してもらえるということだ。嬉しい。すごく嬉しいぞ。
今後もこの学区単位の回収について調べておけばいいということもわかって大いなる前進だ。

徒歩30分のつもりが3分で段ボールを手放し、コンビニで牛乳など買って帰ってきた。

これは朝一番で出掛けなかったら既に回収されていてわからなかったかもしれないし、そもそも今日出掛けなかったらこの回収ルーティンに気付かなかったかもしれないし、やはり今日の早朝に取組んだのは素晴らしかったなぁと自画自賛しながらミロを飲んだ。

そのあとはトリエンナーレを観に行ったりして休みを満喫した。
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ゴミ箱は3年くらい使っていたのだが、フタをキッチンのサイドボード代わりに鍋釜を置いたりしていたら、いつの間にかひしゃげて閉められなくなった。

たぶんそれが1年くらい前の出来事で、そのあと突然入院したときに荒れ果てた部屋を見た親から「あなたゴミ箱買いなさいよ」と言われて、ハイハイ返事だけして買わずにずっと来た。わたしは返事だけして実行しないことに定評がある。

フタだけ買いたいなぁと思っていたがそんなことはできず、無印良品で買ったはずと思って行ってみるも同じものは既になく、やる気がそがれるばかりだった。

夏休みも最終日になり、「ゴミ箱を買いに行きたいのだが」と伝えると客人が思ったよりも乗り気で「買うべき」と言ってくれたので、4軒くらいお店を回って買った。ついでに扇風機も買うべきではないかと提案を受けて、小型のサーキュレーターを買った。つけたら部屋じゅうに冷風が行き渡って涼しいのだった。

 

ひとりで住んでいると、不便に慣れてまぁこんなもんかなと思ったり無視したりしているようだ。新鮮な視点で住まいを見てくれる人がたまに来てくれるとありがたい。

とはいえ誰もいなくなった部屋にもそれはそれで安心感があり、まったくもって素敵な空間ではないが、人生をダメにするにはちょうどよいと思いながら残り物のチャーハンをタッパーからそのまま食べるのだった。

もっと休みたい。

 

 

アートブックフェアのこと


るるるるん(id:lulululunlulululun)のクララさんと、みなとまちアートブックフェアに行ってきた。
会場になっているポットラックビルという場所は、楽しいマーケットをやったりアートイベントをやったりしている素敵なところがあるんだなぁと、わりと越してきてすぐから知っていたのだけど、初めて出かけた。そんなことばっかり。


そもそもこのブックフェアに「出品者として出ないか」と、クララさんに声をかけてもらったのだ。それは名案!!と思って応募したけど落ちた。二人とも。そのあと出品者のリストを見たらめちゃくちゃちゃんと"アートブック"だったので、たしかに私のzineは全然アート力(りょく)不足だなと思った。
あ、そんなわたくしのzineはここから買えますのでぜひ。
るるるるんさんの本はいろんな本屋さんで買えますので各自お近くでお求めください(通販してくれる本屋さんもあるよ)。

 

で、最高気温37℃のとろけそうな本日、行ってみたらまあ魅力的な本が目白押しで困ってしまった。
15時集合してからみっちり2時間、二人でほとんど会話せずに会場のに設置されている見本を眺め続けた。欲しい本をメモし始めたら8冊9冊となってきて、やめるものを決めるのに迷ってまた会場をぐるぐるした。
二人とも結局3冊ずつ買って、移動して金山のベトナム料理屋さんで見せ合う。このムーブ、良い。
クララさんの選書は3冊ともめちゃ良い本で「わたしは何も見えていなかったのでは…」となる。自分の選んだ3冊は「なんでここでこれ買ったの?」みたいな、わりとどこでも買えそうなラインナップになったことに気付き、ますますちょっと凹む。でもいま読みたいと思ったものを買いました…
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  • erikaintheisland『Life with flowers.』

かわいい切り絵集。ちょっとしたものを送るときのカードとして使いたくて…実用。

同名のドキュメンタリー映画を監督した方の、その記録のような感じの本。

  • NEUTRAL COLORS『大人になって見る行きたい学校の夢』

これほんとどこでも買えるし前買おうか迷ってやめたよねっていう…でも最近なにか勉強したい気持ちが高まっていて、いま、読みたくなってしまいました…

 

その他ほしかった本は以下のとおり

  • 中島あかね『Float』
Float

Float

Amazon

目に気持ち良いドローイング集でした。こういう絵が描けたらなぁ、という。

  • 阿部航太『PAISAGEM DAS CIDADES 都市の風景』

印刷の感じと、写真を漫画形式にしている感じと、どっちも面白かった。やっぱりこれ買えばよかった。

  • 小野博『世界は小さな祝祭であふれている』

写真家の方のエッセイと日記集。アムステルダムに住んでいるというところが気になって…

  • 『世界をきちんとあじわうための本』

この本、初めてON READINGに行ったときから読みたいけど結局ほかの本が欲しくなって買わないというのを繰り返してる…世界をきちんとあじわってない認識がずっとあるんです。



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そのあとはクララさんがカップ焼きそばの塩味をアレンジして食べているという話を聞いて心底嬉しくなったり(同族のため*2 )、日記を本にする作業を始めたらめちゃくちゃ面倒みたいな話を聞いてもらったり。
日記作業は横書きを縦書きに直しているので数字やアルファベットをこまごま調整するのが手間*3 なのと、縦書きにすると全然読み心地が変わるので"てにおは"を直したり括弧書きを直したりが想像より面倒で「これが…編集か…」と思ったりしている。クララさんに「横書きでもいいんじゃない」と言ってもらったので横書きにしちゃおっかしら…迷う。なんにせよ今日いろんな人が作っている本を見て少しまたやる気が出たので、コツコツやります。


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良い休日でした。




 

 

 

*1:ポットラックビルにはフリーペーパーやフライヤーがいっぱいあってそれも楽しかったです。2階でやってた展示も素敵でした。

*2:ただしお腹の都合でお休み中…わたしがカップ焼きそばを再開するのはいつになるのでしょうか

*3:これも正しいツールを使えば正規表現とやらで解決するらしいのだが…

7月のこと


7月は前半にたくさん働きました。
たくさん働いたのでたくさん遊ぶぞこのやろう、と思ってたくさん遊びもしました。
そしたら後半にしわ寄せが来てまたたくさん働くことになりました。
結果として8月1日はエネルギーがゼロになって欠勤しました。

 

7月に遊びに行ったのは、リニア鉄道館と、岐阜と、一瞬だけ東京と、名古屋。

 

リニア鉄道館はわりと近所なうえにお友達が勤めているのに行ったことがなくて、不義理…と思っていたらついにその人が異動でいなくなってしまうというので慌てて出かけた。特に電車が好きというわけではない私にも大変良く響く、すごくカッコいい博物館だった。デザインの良いものがバーンバーンと並んでいるだけで心躍るね。実車だけでなく精巧なジオラマで電車が走るのを見られたり、シュミレータで運転体験ができたり、新幹線を動かしている人たちの秘密を勉強できたりと、自由研究にもってこいである。スジャータの例のアイスや駅弁も売っていて中で食べられるのもアツい。あと、めちゃくちゃ涼しかったので夏のレジャーに最適。
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2時間しかいなかったのにめちゃお土産買った。

 

岐阜は岐阜市立図書館"メディアコスモス"の見学と、周辺をぶらぶらしに行った。岐阜駅の周りは素敵なアーケード商店街がずーっと連なっていて、古い建物を再利用したお店も多くて面白い。飲食店も楽しそうなところがたくさんあって住みたくなってしまった。メディアコスモスは噂に聞いていた以上に広々と居心地のよい空間で、図書館としても素晴らしいしコミュニティスペースとしても機能しているようで、ここに毎週通うような人生は素敵だ。本を買っては積んで暮らしているけど、そういえば今住んでいる場所の最寄りの図書館はどこなのだろう。と言いながら結局行きたかった古本屋『徒然舎』で爆買して帰ってきた。
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シルクスクリーンの印刷も初めてやった。

 

東京には4時間くらいだけ行った。選挙の在外投票の申込みがうまくできなかったため、里帰り投票。次こそは名古屋で投票したい…ってあと何年も選挙ないんでしたっけ。帰りに外食した。
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名古屋は…名古屋に住んでるんだけど、友人夫婦が二泊三日で遊びに来てくれるというので、喜び勇んでガイドして、すっかり一緒に堪能した。
コンパルのホットドッグを初めて食べたんだけど、ケチャップもマスタードもなく、炒め千切りキャベツがぎっしりとパンに挟まれている驚きのプレゼンテーションだった。もちろん美味しい。このメニューはコンパルの影のスターなのでは…と、出逢えた喜びを噛み締めた。
f:id:l11alcilco:20220802205800j:imageこの、恰好良いキャベツ-ソーセージ比を見てよ。

 

コロナウィルスの感染が今までで1番「すぐそこまで来てる」感じがするけど、なるべく8月も頑張って遊びたいと思います。心を込めて石鹸で手を洗います。

 

 

読む読まない読めないのこと


なにをかというと空気をです。

わたしはここまで結構空気を読んで生きてきたな〜と思う。頭は良くないし教養もないので読んだ空気が合ってないこともしばしばで、特にイケてる同世代の空気は全然読めてないことが多い気がするけど、立場が上のなにかとか強いなにかの空気は読んで、迎合して、流れに乗って生きてきたように思う。まあ要は気に入られるようにというか。
最近は読みすぎずぶっ込んでいくスタイルも取れるようになってきたが、それにはそれなりの体力が必要で、まだまだ努力が必要。とにかく会議中に何も言わずにあとからぶーたれる人にはならないようにしたい、でも会議中には思い付かなかったりするのよね。脳内の準備と瞬発力が問われるわけですね。

 

というようなことを考えたのは、先日TOUTEN BOOKSTOREで行われた『違国日記』の読書会がきっかけで。
主人公の高校生・朝は、素直ゆえにずけずけと粒度の粗い発言をする。もう一人の主人公・槙生は、その発言を流さずにひとつひとつ拾って返す。朝この感じはいいところでもあるのだけどイラッともするよね、槙生さんは偉いけど生きづらそうだよね、というような話を会に参加したみんなでした。二人とも、お互い空気を読まないのだ。
空気なんて読まなくていいよと、物語の中の人やSNSの中の誰かに対しては思うのだけど、現実の世界ではなかなかまだそうなっていない。一人の方が「大きい会社では空気を読むことが強く求められて、とてもつらかった」と話していて、我が身を振り返ったのだった。

空気を読む気のある人たちばかりで構成された空間では、空気を読み合うのが「甘え」の発生源であるように思う。
これは優しい漫画だよねと感想を言う人もいたけど、私にとっては全然優しくない、結構厳しい漫画なのだ。なぜなら「甘え」がほとんどないから。朝はいろいろな場面で苦しむが、槙生はそれを甘やかさない。適当な言葉で誤魔化さない。
「あなたとわたしが別の人間だから/あなたがわたしの息苦しさを理解しないのと同じようにわたしもあなたのさみしさは理解できない」という一節。
泣いても「わかるよ」とは言わない。むしろ「わからないよ」と言う。甘やかさない。でも、側にいる、二人の関係。


わたしは自分にも他人にも甘くいたい。ラクしたい。甘やかされたいし甘やかしたい。でもそれには限度があると、この数年でやっとわかってきた。自分と人は違う生き物でお互いに理解なんて出来ないし、人と付き合うのにラクなんてできないという前提をやっとやっと受け入れつつある。空気なんて読んでる場合じゃない。だって言わないとわからない。
でもでも、お互いに空気を読み合ってダラダラしたいなあ。言わないでもわかってほしい。ツーカーの関係、山と言えば川、阿吽の呼吸が気持ち良い。そうでない現実世界でちゃんと生きるのは大変だ。

 

憧れのキャラクターは森本千世さんだけど、一番共感できるキャラクターはえみりのお母さんの楢美知子さんかもしれないなと読み直して思う。子どもいないけど…