フレンズとザ・プロムのこと


相変わらずこのBTSカープール・カラオケ動画を折りに触れみてるんですけど… 
そしてこの動画の面白ポイントはJINさんが「(前列の二人が英語で話すので)何喋ってるかわかんないけどとりあえず笑っとこ」*1つって笑ってるところと、その文言を本国以外のファンがあちこちのYouTubeのコメント欄に貼っているところなんですけど…このコメントを見かける度に微笑ましい気持ちになってめちゃ良い*2のですけど…

 

それは本題ではなくて。
この動画の中でRMさんが「英語をTV番組の『フレンズ』で勉強した」という話がでてくる。ああ〜そんなのあったねえ、と久しぶりに思い出したけど、なんかあの登場人物が水に濡れるオープニングと、こないだレゴになったコーヒーショップと…くらいしか記憶にない。どっちかというとフルハウスのほうが記憶強いけど、結局フレンズってどういう話なんだっけ…
と思って、観始めました。
ネトフリに全話あるんだもの。
ネトフリで流行ってる連続ドラマとか新しいドキュメンタリーとか、観たほうがいいのはわかってるんだけど…観たほうがいいっていうのは自分の多少の教養になるとか、話題に乗れるようになるとかの意識ゆえのことで、その意識があるから身構えてしまって見るのが面倒くさい。テレビなんてレジャーなのに、無駄な身構えが我ながらもったいない。今更だけど『愛の不時着』も観てないし、『トランスジェンダーとハリウッド』も観てないし…『ザ・プロム』はかろうじて観て、思ってたよりも泣いちゃったけど。風呂に入れば気持ち良いのはわかっているけど入りたくないのと同じ現象。*3

 

改めて観た『フレンズ』は、1組の兄妹を含む男女6人がしょっちゅうつるんでいて、今のところ、誰に彼氏ができた彼女ができた、セックスした、まだしてない、上の階の住人が変だ、仕事クビになった、どうのこうの、と喋ってるコメディ*4
とにかく頭を使わずに眺めていればなんとなく話が流れていき、大したドラマはおきないのがちょうど良くて、ダラダラとシーズン3まで観たところ。ロスとレイチェルが付き合ったり別れたりを繰り返しているあたりだ。このあとも付き合ったり別れたりし続けるんじゃないかなと思ってる。

面白いのは90年代前半のニューヨークの古さ。
テクノロジーの面で行くと、スタート時は携帯電話がまだなくて、固定電話だけ。留守電がついて、恋人の留守電に入ったメッセージを遠隔で消したりする。そのあとポケベルが仕事で支給される人が出てきたり、肩掛けの携帯電話を持っている人が出てきたり。
妻がレズビアンだったことがわかって絶望したり、会社でゲイだと思われて発狂したりの描写は、現在のニューヨーク(のイメージ)と比べるとすごく時代を感じる。前者はヘテロだと思って結婚した人がやっぱり違ったらショックだから、題材としてはいまでもドラマになる可能性はある*5けれど、やっぱりそれを爆笑するムードはもう世の中にはないと思う。

 

一方で『ザ・プロム』はレズビアンの女子高生が古い体質の土地で苦しみ、解放されるまでの物語だった。
すっごく良い話で、ハッピーエンドで、涙涙で観たんだけど、思ったのは「アメリカで一人を楽しむことってやっぱり不可能なのかな」ということ。
三十年前のドラマ『フレンズ』も、いま一番新しいドラマ『ザ・プロム』も、カップルになってプロムでダンスすることやパーティーに行くことは憧れでありかつ当たり前のようで、一人でいることの推奨や容認は少ない。『フレンズ』のロスはシャイでオタク的な存在だけど、なんだかんだでデートの相手がいるし、『ザ・プロム』で"誰でも歓迎=Inclusive"とされたパーティーも、相手がいないとダンスできない場所だった。家で本やゲームを楽しんでいるような子たちはそんな場に興味すらないのかもしれないけど、そういう存在が描かれない。あまりに主題と離れるからだとは思うけど、なんかなあ。ちょっとポカンとしてしまう。Diversityを頑張る国の新しいドラマでも、一人という単位についてはこれからなのかな。
とはいえ恋人もいないし仕事もなくて、完全に孤立しそうな状況でも『フレンズ』のようになんとなく行き場があってワイワイできる仲間がいるのは羨ましい。一人という単位の存在であっても、結局は身近なコミュニティみたいなものを持っておくことが救いになるんだろうな。未婚の友人同士で「老後はみんなで住もう」とか話すけど、そんなのもう今からやればいいのかもしれない。

 

 

 

*1:I don't know what he say, but let's laugh.という字幕が出る。韓国語わかりたい

*2:あとこれ以外も英語圏のファンがオタクらしい英語を話すことがわかって読むのがすごく楽しい。かわいすぎて死ぬとかすぐ言ってて良い。

*3:同じではない。

*4:いま観ると面白いけどかなり大人っぽい要素が多いから、放送当時は強い興味を惹かれなかったのかもしれない。見てた同世代は大人だったんだな

*5:むしろ94年にこれをやったのはめちゃくちゃ新進的だったのかもしれない