転職のこと


恋人が職場を探しているので、先輩風を吹かせて「次が完璧なゴールじゃなくていいんだから、焦らずね」なんてアドバイス申し上げた。

そもそも完璧な職場などない。
なのにそれを追い求めて人はさまよう、ような気がする、わたしはそうだった。
しかしどうだろう。職業や職場に期待するものって、新卒の就職活動のときは無理やり持たされて(言語化させられて?)いたような気がするけど、いまは全くわからなくなってしまった。

わたしは新卒の会社に勤めるとき、10年働いて1000万円貯めて、自分のお店を出したいと思っていた。月に8万円貯金するって、いま思えばなかなかのハードルだけど、そう思ってた。実際に毎月いくら貯めてたかは忘れた。
でも同じ会社にずっといたいとは最初から思ってなくて、新卒のところに4年勤めて辞めて、2社目も4年勤めて(入社時は辞めると思ってなかったけど)辞めて、なんと3社目の今の会社も勤め始めて3年たった。
今年は4年目。
ジンクス・イヤーなんだよな。
冬季五輪にあわせて転職するサイクルだ。今年は夏のオリンピックが遅れたおかげでわたしの転職機運もずれるかなと思っていたけど、どうやら夏季五輪がどうなっても冬季五輪はずれないみたいで…

いつか自分のお店をやる、と思っていたのは、自分は絶対独立しなきゃいけない、自分の城を持つべきだ、みたいな気持ちがあったせいだと思う。このへんは会社をやっていた親の影響だろう。しかし、会社勤めを始めると、自分が非常に怠惰(セルフスターターでない、外圧がないと動けない)故に会社勤めがとても向いているということに気付いた。それに、やりたいと思っていたような店の儲からなさを心底理解したのでその気持ちが萎えてしまった。それに、いろいろなことがあって貯金をけっこう使わざるを得なくなって、それでさらにだいぶ萎えた。
そんなこんなで目標のような夢のようなものはなくなり、同時に今の職場で手元の責任は増えて、ここの人たちを多少でも幸せにしなくてはいけないのではないか…という気持ちが芽生えて、今だ。今の勤め先にダラダラい続けることもやぶさかではない、むしろもっと自分がこの場でやらなくてはいけないことがたくさんあるように感じる、それはある種幸せなことなのではないか…と思うがしかし飽きる。様々なことが毎日起きて新鮮にてんやわんやしているのに、不思議なほどに飽きる。飽きる。
さて、今年やめるのか!やめないのか!しかしおそろしく景気が悪いのに私なんかに転職先なんてないな!そもそもなんか全然別な仕事がしてみたいから学校に行ったりもしたいよな!なんか「なんか」を言い過ぎてるな!


っていうさ、こういう話を居酒屋でダラダラポテサラ舐めながら飲みながら喋りたいんですけど、まだですか、コロナウイルスがなんとかなるのは…。