コンマリと紐のこと

とある事情で引越しすることにした。ただ困ったのは、引越しを決め、いまの部屋の解約通知をしたあとで、その事情を鑑みなくて良くなってしまったことだ。
今の部屋は広く清潔で暑くもなく寒くもなく、追い焚き機能のあるお風呂があって、私の一人暮らし経験のなかでも最良の物件だったので、名残惜しい気持ちになっている。このままでよかったのに、事情め…!
とは思うが新居は新居で楽しみだ。追い焚きもなくなり、コンロがガスでなく電熱になるのが不安だが(特に後者、けっこう不安だ)。


そこで、ネトフリでコンマリを観て片付けの気持ちを高めている。
アメリカ人が苦しみながら片付けをしていて共感するので、気持ちは高まるが自分の片付けはあまり進捗しない。「わたしが着ている服はPracticalなだけで、Spark joyじゃない、でも持っているSpark joyな服はサイズ的にもオケージョン的にも着られない」という女性の様子に釘付けだ。誰か(コンマリ)が片付けてくれるわけではなく、自分で苦しんで片付けをするというのも現実的で良い。

先日のハイヒール廃棄もこの片付けの一環だったのだが、コンマリをずっと観ていたら、2000円で買い取ってもらったうちの2足くらいはSpark joyだった気がして、悲しくなる。
お店で一瞬、ウッ、と思ったのに、「もう決めたんだから二言はない」としてしまったことを悔やむ。わりと人生でそういうシーンが多い。よく考えることを覚えたい。


この7年ほどで5回目の引越しだ。
実家の引越しにも参加しているので足し算すると7回目。ばかなのかと思う。あそこにベンツがありますね、という感じだ(さすがにベンツを買えるほど費用はかかっていない、中古の軽くらいは買える)。
移動が好きなのか?好きなのだ。賃貸の更新料を払ったことがない。そろそろ落ち着きたい気もする。でも新しい街に住むのは楽しい。旅のような気でいるのかもしれない。
これだけ引越しを繰り返しているから、荷物も少なく身軽。と言いたいところだが全くそうでない。各地で積層されるモノ、本を含む紙、服を含む布。無尽蔵だ。

梱包も慣れない。これを箱に詰めるって、どうしたらいいんだっけ。どこまで詰めたら良いんだっけ?いつまで何を使うんだっけ。
いちばん苦手なのは紐だ。紙類をしばる紐。どういう仕組みでしばったらいいかいつもわからなくて、積み上がった紙の周りで右往左往してしまう。

今朝が古紙回収の最終日だと昨日の深夜に気が付いて、突然コンマリがわたしに憑依した。どんどん積み上がる雑誌と、なぜか大量のクリアファイルに挟まった過去の紙たち。
ある程度溜まったら、紐を持って右往左往。YouTubeで紐の掛け方の動画を観る。わかった気になってかけ始めるのだが1ステップ目から2ステップ目に行けない。あ、これ最初から紐切っておくのかな?と思って切っておいたら短い。本当のコンマリならこんなことないはずなのに。
3束作って、やっと慣れたところで作業終了。2時半。次に紙に紐をかけるときも、またYouTubeを観るんだろうなと思いながら寝た。


いまとてもねむい。

 

 

人生がときめく片づけの魔法 改訂版

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