あんスパのこと

現時点で、名古屋で1番好きなローカルフードは味仙の『コブクロ』かもしれない。
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にんにく盛り盛り、唐辛子ごりごり、小袋ぷりぷり、こりっこり。ビールの神様が作った食べものだと思う。ダイエット中にどうしても塩っぱいもので小腹を満たしたくなって、小袋とノンアルコールビールをおやつに食べたほど。酒飲みの友達が名古屋に来たらコレだと思う。


その味仙の台湾ラーメンも、先述のカレーうどんきしめんも、ど定番と思しき味噌煮込みうどんもまあぼちぼち経験して、みんな好きになった。カレーうどんなんか大好きだなと思って別な店にもどんどん行っている。そこで残る名古屋めしは「あんかけスパゲッティ(以下、あんスパ)」である。なんだか不安で、周りに「美味しいよ!好き!」と言ってくれる人もいなくて、避けていたのだ。それになにしろ、カロリーが恐ろしく高そうなんだもの。こわかった。

夏のある日。Twitterで名古屋の人に教えてもらったあんスパ店に行こうと歩いていた道すがらに、別なお店を見つけてしまったのが、私のあんスパデビューとなった。
店名は伏せる。
気怠いムード、大盛り推奨、スパの上に乗せる選択肢がだいたい揚げ物。ちょっとこわいな〜と思いながら「カントリー」を頼んでみた。
あんスパの世界は不思議なネーミングで溢れている。「カントリー」は、野菜炒めがあんかけの具になっているアイテムのこと。「ミラネーゼ」というのがソーセージの入った商品で、それを組合せた「ミラカン」というのがスタンダードメニューらしい。「ミラカン」の具はナポリタンの具とほぼイコールだ。但し、あんかけがかかっている。
あんかけってなんなんだ。あんかけて何味なんだ?中華のあんかけ焼きそばにかかっているあんかけは(そろそろあんかけがゲシュタルト崩壊し始めませんか)、鶏ガラスープだったり、味覇的な味と思っておけば間違いないだろう。和食であっても、スープにとろみがついたら「あん」になる、というのが基礎だろう。
私が初めて体験したあんスパのあんは、何なのか全然わからなかった。説明のつかない味。良い意味ではなく、わからない味だった。なんだろう、なんだこれは…と思いながら食べた。
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ただ、すごい胡椒の量ではあった。また、あんスパの「スパ」は所謂「ロメスパ」方式で、茹でてある太麺を注文ごとに炒めて食べさせるということも理解した。ロメスパ自体は好きなので、そこに活路を見出して行きたい気持ちだ。


初のあんスパを食べ終わって、頭の中が混乱したまま、もともとの目的のお店に行った。あんスパのはしご。ちょっと気がおかしくなっていたのだと思う。でももう一軒食べたらなにかわかるかしら…と藁をもすがる気持ちで徒歩5分ほど。もう一回「カントリー」を食べてみた。
f:id:l11alcilco:20181015191354j:imageうーん?とりあえずさっきのところより美味しいかな?あんかけが絡みやすいと食べやすいな?ていうか、めちゃめちゃお腹いっぱいだな…?(当たり前)

 

別な日に、あんスパの代表的なお店「ヨコイ」にも行ってみた。スーパーでヨコイのあんかけソースが売っているくらい、ここのあんかけは名古屋人に認められているらしいのだ。知らないことは基礎からよね、と思いながら3度目の「カントリー」。
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なるほど食べやすい。ヨコイはトマト味が強めなのもさっぱりして良いし、目から入ってくる情報(赤色が強い)と舌の情報(酸味)が一致しているのもあって食べやすい。食べやすいとか食べづらいとか言ってる時点で美味しいと思っていない可能性がある。でも、べつに不味いわけじゃない。

段々、「あん」はケチャップとウスターソースコンソメ的な味がついており、胡椒でパンチを出しているものだとわかってきた。ただそもそも「胡椒味」のものを食べ慣れないから、食べはじめたときの驚きが未だにある。ビシッッッと胡椒。こんなにマッタリした見た目なのに!


そんな戸惑いながらのあんスパとの出会いを、生まれも育ちも勤めもずっと名古屋の人に伝えたら「あんスパは、あんスパ食べに行こうってわざわざ行くもんじゃない」「喫茶店のメニューにあったらじゃぁ今日はこれ、と選ぶ程度のもの」と言われてこれまた戸惑った。

むしろ専門店じゃない場所でも出てくるのかよあんスパ!こんな変わった食べ物なのに!!むしろ名古屋喫茶文化の深さはいったいなんなんだ!!! と、御本人にはお伝えしなかったが(初対面だったし)、ツナサンド、ホットドッグにならぶあんスパを想像するとなんだか意外と納得感がある。ナポリタンはナポリにないし天津飯が天津にないのと似たような、あるもので工夫して作ってみたら皆好きだった…みたいなことなのだと思うと、そうかもしれないと思えた。

 

そこで初めて勇気が出て、勤め先の社員食堂であんスパを食べてみることにした。
今の勤め先の社食はメニューの幅がなく、味も含めて最高とは言いがたい。そんな中でも頼みの綱だった「茄子とミートソースのスパゲティ」が数ヶ月前のメニュー改訂時になくなって、あんスパに変更になったときの切なさといったらなかった。なんであんスパ…そんな知らない食べ物困る…やっぱり名古屋の人はあんスパ好きなのかな…と嘆いた。味の見当がついていないメニュー(しかも、美味しそうとは思ってない)を、ウィークリーで目の当たりにするのはつらかった。

写真をお見せできないのが残念だが、社食のあんスパは「ミラカン」で、上に目玉焼きが乗っている。あんの色は薄い茶色。あ〜こりゃチャレンジだわ…と思って食べたら、

なんとびっくり、美味しかったのだ。

色の薄さと連動して味も薄い。それが良い。スパゲティは炒める余裕がないので、ゆるく茹でただけ。それが良い。初めてのあんスパで出会ったあの店の胡椒のパンチも油の強さも、どちらもない。それがとても良い…。きっとこれは、名古屋で1番あっさりしたあんスパだろう。邪道だけど、わたしのあんスパは一旦、これでいい。と、思うことにした。

あんスパは社食で食べる程度でいいんだよー、なんて、名古屋人ぽくて、いいじゃないか。

自炊のこと

風邪をひいて寝ていたら、すこし気弱になりました。
風邪のときはプリンとかシュークリームとかを食べたくなりませんか。卵と牛乳がかたまりになって冷たくなって、イガイガしている喉に気持ちいい。気持ちいい。
突然会社の中に咳き込む人が現れて、その日のうちにそのムードに巻き込まれ、あーこりゃ駄目だと思って薬屋さんで薬を買ったついでに2個買っておいたのでした。とりあえずそれを食べる。
でもあとはなにを食べようか。家からは出たくない。大したものは冷蔵庫にはない。なぜなら最近全然自炊をしていないから。


なんだか外で食べてばっかりで、それがいちいち最高だったらいいけど、そうでもないこともあり。かけられる予算にも時間にも限りはあり。
レシピを読むのが好きでレシピ本をいろいろ持ってるし、レシピが載ってる雑誌も買うけど、実際には全然使ってないし。
でもスーパーの「おそうざい」はあんまり好きじゃないし、「お弁当」もあんまり好きじゃなくて。
インスタグラムで料理をしている人のアカウントを眺めているとへこむ。自分の食べるものを自分でちゃんと準備しているひとはなんてちゃんと生きてるんだろうと、羨ましいような、うらめしいような気持ちになる。
洗濯も、掃除も全然やってなくて、こうやって生きてていいのか…もっとちゃんとしなくてはいけないのではないか…
弱っているとこうなる。


で、できあがったのがこちらのメニューです。
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昼。かつての自分が冷凍してくれていた鮭ご飯の最後の一個と、サバ水煮缶を味噌汁にしたもの。
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夜。冷蔵庫でポツンとしていた糖質ゼロ麺と冷凍ブロッコリーをレンジで温めて、サバ水煮缶味噌汁を温め直してかけたもの。


どうでもいい自炊がもっとシェアされて、どうでもよく生きていいと思える世界になりますように。

と思うけどどうでもいい自炊の写真、全然見たくないよね。

 

〈2018.9.30追記〉

このどうでもいい自炊(とそれを実施する自分)へのがっかりした気持ちがなんなのか、少しわかったのでメモ。 その1。自分の母が料理上手の料理好きで、かなりの品数の食卓で育ってきたから、これでいいのかなと思う気持ちがある。母だって一人のときは簡単に済ませていたはずなのに。 その2。実家にいたとき母とテレビを観ていて「時短!簡単レシピ!」みたいなのをやってると母が「こんなのは料理と呼ばない」と感想を述べていたことを思い出すから、自分がそれをやっていると思うと貧相な気持ちになる。

そういえば母のメニューの中で私が大好きな「お揚げを炙って茗荷と大葉とお出汁で和えたやつ」を先日帰ったときにリクエストしたら、それのことを忘れていたな。最近は父と二人になって、出前やお弁当の頻度が増えているようだ。

龍のこと

麺、好きですか。わたしは大好きです。ラーメンも大好き、蕎麦も好き。スパゲッティも大好きです。いつも大抵ちゅるちゅるしたいです。
でもうどんってそんなに興味がなくて。「はなまるうどん」が東京に現れるまで、うどんを外食で食べることはなかったように思います。でもそれ以降も、別に嫌いでもないけれど、そばかうどんで選べるときは大抵そばを選んでしまう。そばの方が健康的かしら、なんて、白い小麦粉より黒いそば粉に栄養が、なんて、マクドナルドのふあふあフィレオフィッシュが好きなくせに、偽善者のように選んでしまっていました。

さて、名古屋はうどんの国です。
というか、名古屋以西の日本はうどんの国なのでしょうか。九州はラーメンの国かなと思いますがさすがに雑でしょうか。

名古屋名物のきしめんもうどんの一種(だと思ってるんですが大丈夫でしょうか)。 私にとってきしめんといえば実家の近くの蕎麦屋から出前で取るもので、それは風邪を引いているときに食べるもので、鶏肉が入っているのがボーナスのようでした。私の実家は父が鶏肉嫌いなので基本的には鶏肉を家で食べることができなかったのです、全然関係ない話ですが。東京の蕎麦屋のメニューにきしめんがあったのも、いま思えば珍しいことなのではないかという気がします。東京の人、どこできしめん食べましたか? ものの本によると、熱田神宮の中で食べられる「宮きしめん」が、ムードも含めて素敵なんだそうです。うなぎ絶滅の声が聞こえる今日この頃、ひつまぶし食べてる場合じゃないので、今度行ったら食べてみたいと思ってます。
f:id:l11alcilco:20180920223308j:image(これは名古屋駅近くのKITTEに入っている宮きしめんの写真です。)

それと、味噌煮込みうどんも名古屋の名物。まだ、「山本屋本店」でしか食べたことがなくて「山本屋総本家」には行ったことがないくらいの味噌煮ビギナーですが、ぐらぐら煮えている鍋の蓋をとって、蓋を取り皿にせよ、という世界観には驚きと共にときめきました。二人で行っても「取り皿としての蓋」がもう一つ出てきてますます驚いた。これ、蓋じゃないんじゃないの?(蓋です)
f:id:l11alcilco:20180920223654j:image(上下に写り込んでいる円形が2枚の蓋です。なお、山本屋本店はつまみのラインナップが素敵なので飲みに行くのもおすすめできます。)

 

独自のうどんカルチャーに振り回されている中で、もう一つ気になっていたのが「カレーうどんは名古屋名物」という文句。カレーうどんに地域性なんてあるかいな、そもそもカレーだぞインドだろ、や、インド人は絶対カレーうどん食べないだろうけど…とかいろいろ思っていたのですが、今日「うまいカレーうどんは良いものだな」と素直に幸せになってしまったのでそのことを書きます。

 

名古屋の繁華街・錦に、「麺処 龍」という有名うどん店があります。
錦は、東京で言えば歌舞伎町のようなエリアで、狭い道幅に細長い建物が並び、そこここに無料案内所があって(あれは何を案内してくれるのでしょうか)、ビルの側面では大量の夜のお店が看板を光らせています。「ビキニ・ガールズ・バー でらでらガールズ」の看板を見たときは衝撃のあまり、心の中で「名古屋ここに極まれり!!!」と叫びましたが、よく考えると名古屋人もこのネーミングには喜ばなさそうです。でらでら言ってる人、1人も見たことない。ちなみにみゃーみゃー言ってる人も見たことない。観光で遊びに来た人が記念に行くのかな、でらでらガールズ。そんな店の合間合間にスーツのいかついお兄さんたちが立っていて、ちょっと怖い気もするのですが、若くもなく美人でもなく派手でもない私のような人間は彼らにとって一番関心のないタイプの人材なので、逆に堂々としていられるというもの。そのエリアのほんとうに谷間と呼べる、ちょっと奥まったところにある「龍」。もうロケーションだけで絶対美味しいやつじゃん。
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秋雨のしとしとと、あの40℃の日々はなんだったのかと思わせるひんやりした日だったせいもあるのか、店に入った20時頃は満席。一人ですと伝えると「相席しかないけど」と言われて、全く問題ないので案内された席に座ります。先客がスーツにメガネ、Galaxyのスマホでゲームの画面を見ている内向的な印象の男子で、これ全然恋とか芽生えてもいい感じですけど…?と3秒ほど直視してしまいましたが迷惑なのでやめました。
メニューの文字の雑然としたところに改めて手応えを感じ、瓶ビールとつまみを実施してからうどん、の流れもある、と認識しつつ、カレー煮込みうどんを頼みます。なお渡されるメニューにはカレーうどんは掲載されていないので戸惑いますが、壁に貼ってあります。ほかにはお蕎麦やひやむぎなんかもやっているようですが、店内は圧倒的に煮込みうどん。出汁のいい匂い。
麺は注文から20分ほどかかります、と壁に注意書きがされていて、それもいつ書いたのかという黄ばみで、またときめく。気取り皆無で、やすらぐ。テレビが付いていて、隣の席のおじさんたちは3人で誰かの噂話をしながら、ビール後のうどん中。相席の男子はかしわ味噌煮込みうどんを食べていました。つゆが茶色く不透明なので、カレーうどんなのか味噌煮込みうどんなのか見分けが付きにくい。なんだか楽しくなってきましたよ。
名古屋で「龍が如く」の新しいやつをやるならここが舞台だし、キムタク確実に来るな…「龍」に…とほくそ笑んでいたら、わたしのカレー煮込みうどんが来ました。
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めっちゃグツグツしている。


つゆは小麦粉がしっかり入った感じのドロリ具合。和風出汁のいわゆる蕎麦屋のカレー的なやつ。麺は手打ちなんだそうですが、それにしてもと言いたくなる短さ。でもこの短さがおつゆを跳ねさせないとのこと。天才か。小麦粉の鍋の中に泳ぐ小麦粉の麺を探して食べるのが楽しい。たまに鍋底にくっついているのでしゃもじでガリゴリする食い意地。その他の具はちょっとシャキシャキの残った玉ねぎ、アサリとエビ、生卵、かまぼこ、少しだけお揚げ、少しだけ鶏肉、青ねぎ。卵とネギ以外なにも見えないので、とにかく掘って掬って食べます。まあ、もう、うまーい、です。
こんなの、飲んだあとに食べたくなるに決まってます。出汁の味、味の濃すぎぬカレーの味、やや芯の残ったうどんの小麦粉の味。ご飯を追加で頼んで、おつゆをかけたらさぞ美味しいことでしょう今日は自重しましたが。 ここには見どころがないとかカルチャーがないとか名古屋の人は嘆くけど、こんなのカルチャーでしかないだろうよ!と、一人でちょっと怒ってしまうほど魅力的なお店でした。悔しいけど、カレーうどんはもしかしたら名古屋名物なのかもしれません。次は深夜に行きたいです。


ペヤング焼きそば激辛MAX ENDのこと

からいです。

 

(以下、同日19時追記

ペヤングが好きというのはずっと言ってるんですが、その詳細は今回は省きます。ちなみに過激派なので「ソースなし麺とスパイスだけ」で食べることを推奨しています。美味しいですよ。


さて最近のまるか食品さんは、例のリニューアル以降、ずっと変わり種の味を出しています。これはパッケージにかけるコストが変わったことが影響しているのかもしれませんし、例の事件を忘れさせるインパクトを求めてのことかもしれません。
そのあたりの「新味ペヤング」を半年間くらい集めてみんなで味見しながら飲むペヤングパーティー、略して「ペヤパ」を今年1月に催行いたしました。大好評&自分大満足で良い会でした。
で、これをまたやりたいなと思って、それ以降に出ている新味を買い集めています。2個ずつ。コンビニでペヤングの新味2個ずつ買ってる女がいたら私です、というくらい、ほぼ必ず買っています。ただし、ネットで情報を見ても身の回りで売っていない場合があって、そういうときはドン・キホーテまで遠征します。大抵売ってます。これは豆知識ですのでお役立てください。


そこで出ました、激辛MAX END。
毎回新しい味を食べて記事にされているアスキーの小嶋さん曰く「これはだめ」。

ASCII.jp:これダメなやつだよ「ペヤング 激辛やきそばEND」辛いというより痛い|アスキー・ジャンク部リターンズ
わたくしとしては、最近辛いのをテーマにして出し過ぎだし飽きたよ、超超激辛みたいなやつ食べたけどほんと辛かったよ、でも、ENDという名前は、この路線はこれで終わりです、という意味かな、と思って、久しぶりに食べてみることにしました。


(毎回2個ずつ買ってますが、どちらも基本的には食べてません。パーティーの準備用です。)
(なので今回は3個買いました。)


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予習すると緩衝材が必要そうなので、最寄りの自販機でココアを調達しました。
おまけのフィナンシェはこんなことに使うにはもったいない京都土産。
では、作ります。3分待って、ソースをかけるとなんだかフルーティーな香りがします。でもよくよく吸い込むと、ヤバい香りが。混ぜると、いつものペヤングよりもほの赤い。あーこれは辛いんだろうなーと思いながら、食べます。
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あれーそんなに辛くないな、ふむふむーと思いながら進めます。あれー、と顔を上げて一休みしたら、


からい!!!!!!
空気に唇が触れると痛い!!!!!!
あーーーーーー、ココアのむーーー!
これはいけませんよ、これはだめです。
と思いつつ諦められません。
食べます。心を無にして食べます。
「なんで久しぶりに食べる大好きなペヤングで心を無にしなくちゃいけないんだ…」と思いながら、食べます。
休憩すると痛いです。
涙と鼻水が出てきます。
食べます。
ドキドキしてきます。ときめきというより、動悸です。


がんばりました。
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鏡を見たら唇が真ピンクになって周りの皮膚も腫れていました。動悸はしばらくおさまらず、顔と胃がポカポカポカポカしておりました。
やー、これはねー、気を付けて召し上がってくださいませ…。


f:id:l11alcilco:20180901191422j:image(やれやれ…という表情でソースまみれになった箸置きのミッフィーさん)

 

完全食のこと

数年前に ちょっとカオティックなシェアハウスに住んでいたことがある。 そこの住人には料理は一切しない組の人たちがいて、コンビニ、外食、または料理する組の人たちが作ったものを食べる、の3択で生きていたようだった。(わたしはする組だったので沢山おかずを作ったりできて楽しかった)
あるときに、しない組の一人のメンバーが 深夜に帰ってきて、コンビニの納豆手巻き寿司を食べながら 「もう食事の内容は何でもいい、もしこれひとつ食べてれば全て完了しますみたいなものが出たらもうそれでいい」というようなことを言っていた。そんな寂しいことあるかーい! と思っていたけれど、実際そういう考えの人はたくさんいるようで 、あれから少ししか経っていないけれど、世の中には「これさえ食べていれば」というような商品は結構出ているようだ。


で、その中の1つ『BASE PASTA』という、 完全食のお試しセットを買ってみた。Twitter やらインスタやらに しょっちゅう広告が出るせいで、だんだん気になってきて買ってしまったのだ。

 

そもそも主に Twitter 上に生存しているので、そこに出てくるものにすぐ洗脳されてしまう。
殺戮のある映画なんて全然好きじゃないのに、マッドマックスを見に行って「あー全然好きじゃなかったなぁ」と後悔したりしたのもTwitter のせいだ。だけど観ておいたおかげで、その後あの映画をパロディにしているものが出てくると、元ネタが分かってクスッとなれるので良かった。教養のようなものだと思うことにする。
今年は『バーフバリ』『カメラを止めるな!』がTwitterで流行ったからこそ観に行けて、とても面白かったので感謝もしている。それに『オーシャンズ8』も観に行くつもりでいる。Twitterで話題の本もつい買ってしまうし、流されてばっかりだ。 ちょっと前はインスタに広告を出していた歯医者に行ってしまった。もうインターネットに出てくる広告に抗えない。ちなみに漫画の広告は気持ち悪いので消す。

 

さておき完全食の話 。BASE PASTAだ。 曰く一般的な和定食と同じ(もしくはそれ以上の)栄養素がパスタにバランスよく入っている、という。 パスタの具じゃなくて、パスタそのものに。へー。食べてみよう食べてみよう。
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お試しセットはこういう箱に入ってくる。


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開けるとまさかの手書きの手紙。長文。えー…こういうノリなのマジか …生活クラブ生協みたいじゃん…と、ちょっと引く。僕たちスタートアップだよ!イケてるオフィス(植物がいっぱいあってフリーアドレス)でサラリとMacBookでお仕事しているよ!みたいなのかと思ってたんですけど…(余計なお世話)(あとホントにそうかもしれないけど別に悪気はないんだよ)。
その下には、私も食べてます☆みたいなことなどが書いてあるコンセプトブックが入っていて(ラミレスも食べているらしい)、それを経て商品が出てくる。

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商品としては太麺と細麺があるようだが、お試しセットには太麺が2個と、パスタソースが2種入っている。せっかくなら両方の麺を食べたかったなと思うけどたぶんいろいろな、生産及び販売上のご都合があるのでしょう。
2分で茹で上がると書いてあるけどほんまかいな と思いながら茹でてみる。塩は入れなくて良いそうです。


で出来上がったのがこちら。
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えーっと見た目は…思ったよりそそらない感じだね。全粒粉にチアシードとかいろいろ入ってるらしいので麺がこの色。まあそれはいいや。
食べてみたら、もちもちしている。 もっとボソボソしているかなと思ったので、良かった。塩は入れてないけれども確かに麺にも味があるし、ソース(今回はジェノベーゼ)もちょうどいい。 角切りトマトは余っていたので入れました、正解。


食べている時の擬音は「もぎゅもぎゅ」って感じ。未来の食べ物の食感はもぎゅもぎゅしている。思えばドラえもんの映画の中で、海底で建てたテントの食事はもぎゅもぎゅしていそうだったじゃないか。川原泉の宇宙船のマンガに出てきた食べ物も…(彼女の作品のすべての食べ物の咀嚼音はもぎゅもぎゅだし、この擬音自体、読んでなかったら思い浮かばなかっただろうけど…そしてこれは姉の影響だけれども。)

ああそうか…食べているあいだに気が付いた。私はパスタというよりスパゲティが好きなんだなぁ。 「ちゅるちゅる」「プリプリ」「しゅるん!」みたいな感じを丸くてつるつるした乾燥スパゲティの茹で上がりに求めているんだな… と。

要はBASE PASTAはいわゆるスパゲッティではない、ということだけが感想だ。栄養素がちゃんとしているのは、一回食べただけで力が漲ってくるわけでなし、わからない。でも、いろいろ考えなくて良くて便利だ。私が毎日着る服はのび太のように同じでいいと思っているように、毎日同じものを食べて栄養が管理できればいいと思っている人には良いと思う。他のレトルト品と同様にちょっと買い置きしておいて、適当にご飯を済ませたい時に使う…みたいな付き合い方がよさそうだ。 

さて、あのときの彼はこの完全食を召し上がっただろうか、どうだろうか。

松屋のこと

松屋が好きだ。牛丼チェーンのほうの松屋のことだ。

いつから好きだったのか思い返してみると、出会いは新卒の頃かもしれない。最初に勤めた会社の真隣に松屋があったので、基本的にはお弁当かコンビニ(セブンイレブンだった!)の生活だったが、 たまにセブンイレブンでも食べたいものが見つからない時があって(なんということだ…)、たまに松屋に入っていたのだった。
もしかしたらそれまで一人で牛丼チェーンに入るということはしたことがなかったかもしれない。大学生の時でも、牛丼屋には友達と連れ立って行ったことしかなかった。牛丼屋は、女子大生当時はそれほど惹かれる場所ではなかったのだろう。それより、モスバーガーに行きたかった気がする。今より少しだけキラキラしていたのだ。
新卒何年目か、同期と一緒にランチすることも減り、「あら、一人で牛丼なの?」というような視線の男性社員とカウンター越しに目が合うこともあったけれど、そんなことを経て、もしかしたら松屋一人飯への熱情は強まっていったのかもしれない。
なお、その頃の松屋には基本的なメニューしかなかったと思う。トマトカレーが夏季限定で出ていて、それを女性陣でワイワイ言いながらお弁当として買いに行き、みんなで休憩室をニンニクくさくした記憶もあるが、変わり種と言ったらそれくらいだったように思う。

 

2つ目の会社で私と松屋の距離はグッと縮まった。通勤途中の乗換駅にあった松屋を、すこし残業して遅くなったときなどよく使っていた。周りは、同じく残業明けのおじさん方か、飲んだシメに牛丼をご所望のみなさま。そのときには松屋は期間限定メニューを出しまくる現在の体制になっており、わたしはろくに「プレミアム牛丼」を食べず、限定定食に心乱してきた。



昨年の夏頃か、Twitter上で「ゴロゴロチキンカレー」がバズった際には、やっとみんな松屋の価値がわかったか…とものすごく上から目線で祭に参加していたような気がする。この火を絶やすまいと期間中にゴロゴロチキンカレーを食べているようすは、好きなアニメの第二期を望むばかりに派生コンテンツに課金しまくるオタクのようだった(かもしれない)。

 

さて、名古屋の中でも地方に越してきて、イオン系列店舗の波に揉まれワオンカードを作ってしまいそうな今日この頃。(鳴き声が可哀相なので避けたいと思っているのだが)
最寄り駅から自宅と反対方向に歩くと、そこに松屋があることを知った。ここ最近のTwitterで話題になっているケイジャンチキン定食を食べてみたいと思っていたし、仕事が早めに終わったので行ってみた。
ケイジャンチキン定食は上に挙げたTweetでも食べているから、結構前からあるメニューなのだが、とにかくニンニクがひつこくって最高。味が濃いのでご飯がもりもり進む。トマト味とニンニクと唐辛子にひき肉も入って、鶏肉なしでもご飯泥棒だ。箸休めに食べる生野菜がとても優しく感じる。お味噌汁はあんまり合わない気はするが「デフォルト味噌汁」は松屋の大切な心意気だと思うのでぼちぼちいただけばよいとおもう。


駅から少し歩いた国道沿いの松屋は、なかなか今まで体験したことのない空間だった。とにかくお客が全員日焼けしてる。たぶん全員車で来てる。半分以上が作業着。半分以上の声がかすれてる。1人、まだ7時半なのに寝てる。
そして店員さんが足りていない。バッシングが追いついてない。調理も追いついてない。とにかく叫んでる。「お待たせしまーす!」ドライブスルーもある。ドライブスルーのマイクにも叫ぶ。「お待たせしますが大丈夫でしょうかー!」松屋にもドライブスルーあるのか、夢みたいだな、と思いながら叫び声を聞く。車の中のお客さんも、みんなどうやら待ってくれるようだ。


しかし私ひとり、さっきまでクーラーがガンガンにかかったオフィスでパチパチ電卓を叩いていたせいで、身体が冷え切っている。それが、いづらい。マシンで出るホット玄米茶が美味しいけど、おかわりに行けない。シャツが花柄なのも、なんだか恥ずかしい。みんな、塩分も炭水化物も絶対にたくさん摂取しなくちゃいけないお客様。わたし、脚が象のようにむくんでいて塩分摂るべきじゃないお客様。
これはまた、随分以前と違う経験だなぁと思う。同じチェーン店だけれど、場所でこんなに客層が違うのか。あたりまえのことだろうけど、知らなかったのだ。


「こんなに居づらい松屋は初めて、もう松屋のこと、好きでいられないかも…」と思いながら食べ始めたケイジャンチキン定食は、ライスをおろし豆腐に変更済(+50円)。f:id:l11alcilco:20180810214921j:image

初めてメニューで見たのだが、調べたら2017年夏から実施の施策のようだ。知らなかった!このおろし豆腐がすこぶる良い。海苔とごまと塩ダレがかかっていて、大根おろしも大盤振舞い。さっぱりして、定食のご飯に求める要素を十分に発揮している。ありがたい…

松屋はさ…わたしのこと好きだよね…?わたしが万年中途半端に糖質制限してるの、知ってるんだよね…?」
「もうこれで、すき家で牛丼ライト(ご飯の代わりに豆腐が敷いてある)を食べなくても良いのね、、、わたし、やっぱり松屋が好き…!」
結局かなり気持ち悪い感じになって帰路についたので、今後も松屋推しで、じゅうぶんやって行けそうだ。

 

コンパルのこと

名古屋名物のひとつにエビフライがある。 エビフライが名古屋名物になったのは理由をよく知らないが、 たぶん名古屋城に鎮座まします金のシャチホコと関係があるのだと思う。 そして、エビフライは往々にして特大というメニューが喜ばれると思われているらしい。エビフライの特大とは、大きいエビを使っているのか、それともエビをつなげて大きくしているのか、コロモを大きくしているのか…大きいエビなんだとしたらそれはどこから来るのか…食べたことがないのでまだわからないのだけど、これはなんだか名古屋で不安に思っていることの一つだ。


そしてもう一つ名古屋といえば喫茶店のモーニング文化。 コーヒーを飲むとトーストとゆで卵が自動的についてくるみたいなシステム。さすが、気の利いたサービスだなぁと思うのだけど、なかなか早起きすることができなくてあまりじっくり体験していない。たまにしか行かないからいつゆで卵を割り始めたらいいのかわからない。そこで食べると言われている、朝だからこそ許される糖分の塊と思しき「小倉トースト」も、まだ怖くて食べたことがない。


さて、コンパルのことだ。
コンパルは名古屋市内の喫茶店チェーンで、先述したエビフライとトーストを組み合わせた、名物・エビフライサンドが一押しメニューだと思われる。メニューにもさらりと名古屋名物と書いてあり、ガイドブックにも載っている、鉄板のご当地 B 級(?)グルメが、コンパルのエビフライサンド。


わたしはね、わかっていたのです。これはまずいわけがないと。 エビフライはおいしい。 焼いたパンはおいしい。おいしい+おいしい=おいしい。しかもお互いがギュッと身を寄せ合って、キャベツの千切りと一緒になっているというビジュアル、まずいはずがない。
ただなんというか、 一人で食べるには重たそうだなあと思ったり、まあいつでも食べられるだろうと思って、誰かが名古屋に来た時に食べようかなあ…なんて思っていた。 でもある日、栄のコンパルの前を通ったら空いているもんですから、そしてお腹も空いていたもんですから、一人でパッと入って食べてしまったのだった。


シャツにベストの制服を着たお姉さんがきびきびと働いている店内。入ると目も合わさずに「空いてる席どうぞー」と投げやりに言われ、「こ、これは勝ち組の店だからこそのご対応…!」と思う。ハイとお水とおしぼりを渡されて、エビフライサンドをくださいと牛丼屋でものを頼むみたいなスピード感で伝えると、はい分かりましたと言われその場で「エビ、ワンでーす」と叫ぶお姉さん。お互い牛丼屋のテンポだ。
座った右隣はおばあちゃまで、左隣はお仕事途中のおじさまだった。 お二人とも頼んだのがミックスサンド。 おじさまのドリンクメニューはメロンジュースです。 そんなイケてる選択肢あるのかよ!と思ってメニューを見ていたら、すぐお隣に運ばれて来たメロンジュースは搾りたてっぽい素敵なビジュアルで、立派なマスクメロンのカットがグラスに引っかかっていた。うらやましい。
そして、エビフライサンドを待っている間に、両隣のミックスサンドも運ばれて来てしまう。白くてフワフワのパンがきれい。具もいろいろでおいしそう。うらやましい。


とぼんやり待っていると来たのがこちら。
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わかっていたのです。これはまずいわけがないと。 エビフライはおいしい。 焼いたパンはおいしい。おいしい+おいしい=おいしい。(繰り返しました。)
でも、この考えをちょっと上回る、喫茶店らしい見事な力加減の、上品さとパワーのある美味しさが、コンパルのエビフライサンドだった。これは、ハッピーな体験だ。


まず、挟まれているのは3本のエビフライ(衣が薄いのにカリカリで最高)とキャベツだけではなくって、薄焼き卵がある。掛布団と敷布団の間の毛布みたいな感じでそっと入っていて、優しい。優しいうえに、ぎゅっとホールドしてくる感じだ。(※寝ている本人はエビフライ。)
それと、味付けは味噌カツ的なこってりしたソースなんだろうと踏んでいたのだけれど、実際は酸味のあるソースとタルタルソースの味付けだった。ケチャップかと思うほどの酸っぱ味が好きだ。実際、食べている間はケチャップだと思って感激しきりだった。
マクドナルドのチーズバーガーだってケチャップがなかったら美味しくないですよ、と思う程度(=軽度)に、ケチャップには思い入れがある。20代でイギリスへ短期留学に行ったとき、寮で出される料理に味がまったくなくて涙していたのだが、留学期間も終盤になって食卓に現れたケチャップがすべてを救ったという経験をしたのだ。味があるぞー!あのとき、ケチャップ・セイブス・ザ・ワールド、と思った。
だいぶ話が逸れたけれど、このソースの酸味がフライのしつこさとぶつかり合って、カロリーゼロになる勢いであった。こういう物言いが流行っていませんか。要は上品さを生んでいるということが言いたかったのですが。
そして、食べている途中で気が付いたのだが、隣のおばあちゃまはサンドイッチを紙ナプキンで包んで召し上がっていた。なるほど。私の手はソースまみれでぐじゃぐじゃ。もういいやと思って、都度舐めたり拭いたりしながら食べる。
自分に上品さは全然ないのだった。

 

2枚のパンにたっぷりのソースとキャベツ、卵、エビフライ3本。3等分にしてあるから、3分の1は残して持ち帰ろうかしら、なんて、食べる前には思ってみたけどそんなのは無駄だった。結局隣のおじさまより先に食べ切ってしまった。ああ美味しかったなあと立ち上がったら、やっぱりしっかりカロリーの分だけ満腹になっていて、今度は誰かと3分の1ずつで食べるのが良いかなあと思った。そして、メロンジュースも飲むんだ。誰か遊びに来ないかなあ。


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