炊き込みご飯のこと

この3ヶ月くらい個人的に大流行してる炊き込みご飯。ほぼ毎日、朝は冷凍しておいた炊き込みご飯のおにぎりを食べてから出勤する。たまに食べながら出勤する。たまに出勤してから食べる。
なので炊き込みご飯を週に一度くらいは炊く。炊飯器を持っていないので土鍋で炊く。


炊飯器を持っていないのは、それがカッコいいと思っているからだ。炊飯器って、一人暮らしでの稼働頻度に対して、占有面積が大きすぎる。出し入れできるほどコンパクトでなし、置きっぱなしで他に使い道もなし。その部分がないだけで部屋は広くなる!みたいな言説をどこかで仕入れた若い頃の私は素直に言うことを聞き、初めての一人暮らしから次の場所へ引越すにあたり、持っていた炊飯器を手放したのだった。
炊飯器がなくてつらいのはタイマー炊きができないことくらい。ご飯のいい匂いと共に目覚める快感は炊飯器ならでは。帰宅して即炊きたてが食べられるよう調整することもできる(でも残業したらかき混ぜもせず保温しっぱなしご飯になってつらい)(残業しなければいい)(そうだなあ)。それと、高級炊飯器で炊いた美味しいお米には憧れはしている。


そんなわけで鍋物をする土鍋で普通に白米をたまに炊いては食べていたのだが、あるときから炊き込みご飯に目覚めた。


もともとわたしは、炊き込みご飯がそんなに好きではなかった。なぜなら、炊き込みご飯はお茶碗に載るお米の量を減らしてしまうからだ。学生時代、実家で炊き込みご飯が出ると必ずお代わりしていたと思う。足りないのだ。これはこれで美味しいけど、おかずを食べながら白いごはんを食べたほうが断然たくさんご飯が食べられるし、いいじゃん、と思っていた。炭水化物が大好きゆえに、白くピカッと光るきれいな姿以外のご飯のことを愛しきれなかったのだ。
それに、おかずありきで考えると炊き込みご飯の味とおかずの味の兼ね合い(もしくは衝突)も懸念事項で、お店なんかでコース的におかずをいろいろと食べたあとに単品で食べるならまだしも、わざわざほかの食べものと一緒にせんでも…と思っていた。あと、混ぜ込みがちな芋栗南京、豆類が苦手だったのもある。いまはそのあたりの食材も好きだ。

 

あるときスーパーで鮭の切身が安くなっていたのを見て、これをご飯と一緒に炊いてみようかしらと思い至ったのが私のパラダイムシフトの始まりだった。炊きあがった蓋を開いて鳴った\ジャーン/という架空の効果音に、心躍った。それに、お米の上に具を載せただけなのに、ちょっと"丁寧に生きてる"感が出るのも喜ばしかった。
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そして、それをおにぎりにしたときの生活の効率化ぶりが何よりもたまらなく快適なのだ。

あるとき鍼医(前回参照)に、「朝ごはんを必ず食べなさい。できればご飯を。」と言われてから、冷凍保存していた白いご飯を食べるのに苦労していた。
寝起きが悪いので、ご飯をチンして茶碗に盛り、おかずを添えて食べて、それを洗ってから出かける、という流れが出勤時刻に間に合わない。おにぎりにするにしても具を入れたい、海苔も巻きたい…と考えているとうまくいかない。
仕方なく近所のミニストップに寄って「お店で握りました!」と書いてあるおにぎりを買いながら出かける。200円ほどの出費を続けては「ああ自分でできれば…」と自己嫌悪になり、朝からよろしくない。
ちなみにミニストップの手作りおにぎりはとても美味しいのでミニストップは悪くない。海苔を手巻きするタイプのコンビニおにぎりはセブンイレブンが圧勝しているので、ミニストップでおにぎりの気分のときはぜひ「お店で握りました!」のほうを選んでいただきたい。


そこに「炊き込みご飯のおにぎり」というソリューションが現れた。
味がついている!具が入っている!今まで嫌だったことが全部よい方向に切り替わった。
これを握っておいてチンすれば、それだけで一応なんとかなる。鍼医との約束も果たせるし、具が多いほど炭水化物過多から少しでも逃れられる。
あんなに白いごはんを愛していたのに今や避けてばかりいるのだから、年をとるのは哀しいなと思いつつ、あつあつの炊き込みご飯を握っているときは愉しい。食卓にずらりと炊き込みおにぎりを並べていると、忍者が遠出の準備をしているような気持ちになる。兵糧丸だ…にやにや。一人暮らしだなぁと思う。


朝食べるもの、ヨーグルトにしてみたりバナナにしてみたりいろいろだったけれど、どうも飽きたりいろいろでルーティンにできていなかった。もっと言えば毎日違う朝ごはんを食べたいと本当は思っていて、それ故に挫折しやすくて、なにも選択できず食べないことが多かった。でも、しばらくは炊き込みご飯で楽しめそうだ。嬉しい。
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日記 (鍼のこと、カフェのこと、鍋のこと)

日頃の暴飲暴食のおかげでまた太ってきたうえに、早めの冬休みというか夏休みに対する苛立ちを解消するために近々南国のビーチに行く計画もあり、つまり水着になる予感もあり、たいへん久しぶりに糖質制限を思い出そうとしている。自炊してなんとか空腹をごまかす作戦。ただし、朝はお米を食べて良いルール。
それに加えて、すっかりサボっていた筋トレを再開しようと、腹筋アプリ、その名も「お腹の脂肪を落とす」をダウンロードした。3日ほどいろいろやってみたところ、今度は腰が痛くなってしまった。座って仕事をしていると、腰の痛みで立ち上がってしまう。ばかなのか。
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そんな腰痛を予測していたかのように、鍼医の予約をしていたので行ってきた。9月頃、人生初の腰痛にショックを受け、焦って通い出したところ。自宅からものすごく近いのでなにも調べず行き始めたのだが、先生もいい人だしなにしろツボに入ったときの鍼の感じがたいへんリアルなので、間違いないと思っている。リアルというのは、まあ、痛いということなのだけど、「ここがツボじゃなかったらなんなんだ」というズーンとくる感じ。いったい鍼と肉体の間で何が起きているのかわからないけれど、おかげで腰は(一旦)良くなったので、もう他を検討する気にもならない。
また腰が痛くなりました、腹筋運動のせいだと思いますと鍼医に言うと「その取組みはえらいけど」とケラケラ笑われた。すっかり忘れていたが一時期は腹筋を割りたいとまで決意したのにこの有様。どこからやり直せばいいんだ。と思っていたら「歩いたり軽く走ったりしたほうがいい」とのお言葉をいただいた。
そこで、少し前から行きたいと思っていた、自宅から徒歩25分の距離のカフェに行くことにした。コーヒーを飲んで本を読もう。近所なのに全く通ったことのない道を歩いて、公園の紅葉まで楽しんだ。
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カフェに着いて、結局コーヒーだけでなくケーキも頼んでしまった。プラスマイナス大幅プラスだが、昼ごはん代わりなので良いことにする。ダイエットに向いていない性格だなあと思う。
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カフェは想像よりもゆったりしていて、皿盛りのケーキは嬉しく、味も美味しかった。絵本やおもちゃが置いてあって子どもが遊べるようになっており、ああこれこそ地方都市のカフェの良さ、と思う。都市圏のカフェだと基本的にそういう余裕がない。子どもが遊べるというコンセプトをわざわざ付け加えないとできない。シングルオリジンコーヒーと洋書の絵本ならまだしも、学研のソフトブロックはなかなか両立できない。
「生活考察」で辻本力氏がバナナの良さを熱く語っているのを読んで笑いながら共感していると、コーヒーがなくなってもう一杯頼んでしまった。二杯目に選んだメニューはどんな飲み物でも200円引きになる。最初はコーヒーで、お代わりがスムージーでも200円引きだ。すごく名古屋っぽい仕組み。ココアを飲みたかったけれどお店の方に一杯目とは別なコーヒーの美味しさを説明されてしまって、ついまたコーヒー。カロリー的には良かった。
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そのあとは海猫沢めろん氏が文章でストレスを発散しているのを読んで笑いながら強く共感した。インターネットに載った短文を読んで知った雑誌に載った文章を読んでまたインターネットに書くって、なんなんだ。そんなに文章好きか?と思う。


カフェを出ると目の前に韓国惣菜店があり、一見怪しいが面白そうなので寄ってみた。キムチ類、海苔巻き、チャプチェなどいろいろ売っていて楽しい。白菜キムチと、一押しされていた「牛すじのキムチ」を購入。どうやって食べたらいいですかと訊いたら、「そのまま酒のツマミにもいいし、白いごはんに載せてもいい。チャーハンにしてもいいね」「でもね、インスタントラーメンに載せて食べるのが一番オススメ。ラーメンと混ぜちゃうと具が沈むから、麺を啜ってからパッと口に入れるといいわね〜」とめちゃめちゃ魅力的だが今ぜったいやったらダメなことを言われた。つらいけど面白い。クリスマスにはペヤングにこれを載せて食べようかと思う。大宴会だ。
家に帰ってきて鍋を作り、牛すじのキムチを載せたり載せなかったりして食べた。旨味がものすごい。買って大正解だ。このアテがあっても酒を飲まないでいるのが立派すぎて自分とは思えない。
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ところで、今日は一応レシピに沿って鍋を作って食べたのだけれど、やや失敗した。写真を見ていただくとわかるけれど、全体的に煮えすぎてしまった。根菜はさておき葉っぱやお肉は煮えたてを食べなくては卓上コンロで食事をする意味がない。インスタ映えみたいなことを一瞬でも思って具を全部一度に入れたのが間違っていた。煮込み料理ではなくて焼き肉みたいな鍋だったのに。おでんでもポトフでもないんだから。あと写真撮ってる間にも煮えている。好きなだけ煮え立ての具を食べるためにやっているのにばかなのか。もう一人鍋をするときは写真を撮らないことを決意した。
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京都に行ってきました


藤田嗣治展を観るのが主な目的で、京都に行ってきました。国立新美術館でやった過去最大の回顧展の、巡回が京都市現代美術館に来ているということで。きっと秋の京都、土日は激混みでしょう、こんなときこそ平日休みのパワーを使わなくてはと思って、水曜日の休みに行ってきました。
新幹線に乗れば家から一時間で京都まで着くので、まあ日帰りでも全然問題なく楽しめるのですが、やはりどうしても(?)飲みに行きたいので、仕事終わりで夜に移動しました。


で、このブログはどこ行って何食べた、というだけの内容です。


予定では最悪でも20時には退勤して、21時から飲めればじゅうぶんだな…と思っていたのですが、当日になってなんだかいろいろと帰れない都合が出てきてしまいました。会社の他のメンバーと話しながら、片手でスマホをいじって予約していた新幹線の時間をEX予約アプリから変更すること2回ほど。EX予約、すごい。EX予約、大好き。EX予約もきっと尻の下に敷いても壊れません。
もう明日朝出かけるか?と思いつつ、結局名古屋から新幹線に乗ったのは22時過ぎでした。京都に着いたらもう23時。あーブックマークしていたあの店もこの店ももう閉まってるよ。と思いながら「現在営業中」のお店を調べました。


で、ぎりぎり開いてたお店に滑り込み。
居酒屋 ニュータコヤクシ - 烏丸/居酒屋 [食べログ]

そしたら本当にぎりぎりで絶賛片付け中で、申し訳ないと思いながらおでん盛り。まさにいま出汁から具を抜いているところなのに、すみません…
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透き通ったお出汁に大根、糸こんにゃく、厚揚げに、かつお節とおねぎがドババ!と載っていて、贅沢。具も食べつつ、かつお節でも飲めるという素敵なメニューでした。よしよし。


で、そこを出てすぐ見付けた朝5時までやっている創作料理ぽい居酒屋に突入。

マエダ・ダイナスティ - 四条/居酒屋 [食べログ]

すごくメニューの多いお店でめちゃめちゃ迷った挙げ句、ここで鰹のタタキと、生麩と茄子の揚げ出しを食べました。生麩を選ぶあたりに、多少でも京都らしいものを摂取したいという我ながらいじましい心が見えますね。結果これがとても美味しく暖まって良かった。
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それと、すだちサワーが美味しかった。
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それで夜の部は終わり。道みちの美味しそうなお店を眺めて嘆きながら、カプセルホテル泊。


翌朝。
ロリマー京都 (LORIMER KYOTO​) - 五条/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]
ここに行こうと思ったら水曜定休でした。
で、こんなものを食べました。
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どら焼きの皮の間に巨大なオムレツが挟まっているような。マスタードのソースをつけながら食べます。うすあまふわしょっぱ。右手に付いているのはモーニングセットのヨーグルトです。コーヒー屋さんなのでコーヒーが美味しかった。ご近所のお店さんたちが朝立ち寄って、話しながらカプチーノを飲んでサラリと出ていく感じもすてき。
オカフェ キョウト (Okaffe kyoto) - 四条/カフェ [食べログ]


で、うろうろ歩きながら途中で買い物したりしつつ、美術館へ。新しくて小規模な旅館やゲストハウスがとても多くて、観光都市として勢いがあるんだな〜とつくづく感じる。
で、途中でラーメン食べる。
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鯛の乗った塩ラーメン。真っすぐでややアルデンテな麺。昨日彼女と別れたりしました?と訊きたくなるほど愛想のない対応。美味しいしお店もお洒落なんですけど、なんだこの緊張感は…とハラハラしました。夜もやってるみたいだし、疲れちゃったのかしらね…
らーめん錦 - 祇園四条/ラーメン [食べログ]

 

で、美術館を堪能したのち、すぐ横のお店でお茶。焼き物3点セットを選んでみたけど、これは個人的にはいまひとつ。柿のタルトにすればよかった。
京都モダンテラス - 東山/カフェ [食べログ]
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インテリアがとても豪華で、ゆったりできるお店で良かったです。観たものを反芻しながら本読みながらだらだら休憩。
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さて、また散歩をしながら、帰ります。夜は名古屋で、藤田嗣治の伝記本を読んだ人達が集まってお話をする会に行くのです。
京都駅前でほんの少し余裕があったので、前にお友達に教えてもらった立ち飲み屋へ。
へんこつ - 京都/居酒屋 [食べログ]
こちら…は、「一見さんお断り」と貼り紙がしてあり怖くなったのでチャレンジせず逃げて、こちらへ。
ひょうたん - 京都/立ち飲み居酒屋・バー [食べログ]

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すごく焦って3品おまかせを選んだら、肉じゃがとポテサラと枝豆というスターチの固まりセレクションだったので少し泣きました。この日は3品セットしちゃ駄目な日だったようです。みなさんが召し上がってたもつ煮とか鮭とかを、心を落ち着けて選べばよかったのに…。

とはいえほどよくほろ酔いまして、名古屋へ帰ってまいりました。よく食べたー。

 

で、急遽、明日も京都に行ってきます。今度は母と姉と三人で日帰りです。紅葉MAXの3連休、どこもめちゃめちゃ混んでるでしょうね…

クスクスのこと(または、クスクス弁当はOLを助ける1つのアンサー)


クスクスが好きなんです。

 

 

「タブレ」という食べものはクスクスと細かくしたお野菜を混ぜたサラダと認識しているのだけれど、初めて食べたときに、「このつぶつぶしたやつ、炭水化物なん!?」ととても驚いた記憶がある。
初めてライスサラダを食べたときもショックだったけど、そのときはお米はもうお米にしか見えてないから「お、おぅ…そういうアプローチね…」という引いた印象だった気がする。

ライスサラダにはビールを野菜と認識するみたいなドキドキがある。しかし(当たり前だが)ビールは野菜ではない、つまり、嘘だ。ライスサラダも、「サラダは炭水化物じゃないヘルシーディッシュよ」という観点から見れば嘘。クスクスの入ったサラダも同じ観点でいくと嘘。なのだが、クスクスは、私にとってサラダの世界から先に来ているので、ライスサラダよりもヘルシーで嘘じゃない気がしている。
それがクスクスの第一印象だ。

 

第二の出会いは、西荻窪のモロッコ料理店に行ったときだと思う。そこはツレヅレハナコさんかどなたか、著名な食ブロガーさんが紹介されていて、憧れて行ったのだった。ここで初めて、主食として、温かいクスクスを食べた。
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(画像が荒いのは2014年訪問時の写真を引っ張り出してきているためです)

おーいしーいなー!と思った。
ふかふかで。さらさらで。スープがじゅーと染み込んで。
お店のこじんまりとした感じと、お店のシェフの現地っぽさと、合わさって、なんだかとても良い体験だった。
それで、お会計をしながらシェフに訊いたのだ、「どうやってクスクスを作ったらよいですか」と。その、お店に沢山ある、素敵だけど大仰で家に置くには場所を取りすぎる蒸し器がないと駄目ですか…?というのが、本心だったのだが、彼は答えてくれた。
「好きな器にクスクスを入れよ。クスクスが浸り少し隠れるほどの熱湯を入れよ。オリーブオイルをちょびっと回し入れ、フタをせよ。3分待ち、フタを開けたら、フォークで掻き回し、ふかふかにせよ。以上。」
「以上?そいだけ?」
「最後にまたオリーブオイルを足してもよし。」
「わかりましたどうもありがとうごちそうさまでした。」
わたくしはその日ニヤニヤしながら西友を通って帰った。

 

そもそもクスクスはパスタのようなものだけど、パスタ以上に調理されている食材らしい。セモリナ粉を練って小さくして、蒸して、さらに、乾燥させたものだそうで。そうなのか。だから、お湯に浸けて、戻して、だけで、いいのか。


そこで、一介のOLとして、トライしてみたのがクスクス弁当である。

まず、何度か、スープジャーに入れてみた。
スープジャーにクスクスを入れて、ぐらぐらに熱くしたスープを入れて、フタをして会社へ。すると、ほどよく戻ったクスクスとスープを満喫できる…と思っていたのだが、実際はスープをMAXで吸い込んだクスクスがジャーの中でパンッパンになり、味は美味しいのだが永遠にもさもさする昼休みを過ごすことになったのであった。

反省を踏まえて、クスクスを敷いたお弁当箱…というかタッパーにお湯とオリーブオイルをくるりとし、トマトペーストをペッとつけ、もさもさとかき混ぜた、その上におかずを載せた。
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これはなかなか悪くない。おかずが汁っぽいのは大歓迎だ。ご飯の代わりにクスクスを使った丼になる。すでに米を炊くのが面倒な段階に突入しているあなたにおすすめ。ちょっとイケているようなお弁当ができる。食前にレンジでチンすれば尚良し。かつて挑戦しては頓挫していたパスタ弁当のように、のびてぶよぶよにならないところが、とってもいい。



しかしこれにはまだ改善の余地があった。

紆余曲折を経て、最終的に行き着いたのは「お湯を会社で入れればいいじゃない」。

クスクスを、小さいタッパーに入れて、オリーブオイルをくるりと垂らし、家を出る。スープなりおかずなりは、別なタッパーなりジャーに入れて持つ。お昼になったら、給湯室に駆け込んでポットからお湯をクスクスに注ぐ。
(駆け込むのはクスクスにお湯を注ぐのを見られるとちょっと照れるからです。)
そしてすかさずフタをして、待っている間におかずをチンする。電子レンジがない場合は、クスクスの温かさに頼るメニューにしよう。ある場合は、スープをタッパーに冷凍しておいて、そのまま掴んで家を出ると朝が楽になります。スープでなく、カレーでもいいね。むしろカレーが良いくらいだ。
レンジがチンとなったら、タッパーの中でぱんぱんに膨れたクスクスを、フォークでふわふわにしながら食べる。おかずかスープ(またはカレー)に絡めながら食べる。うまい、だって、要はクスクスだけはほぼ正式な姿で、出来たてなのだから。
f:id:l11alcilco:20181117005336j:image(このときは膨らみ具合を想像できなくてクスクスが溢れている)(このフォークはなんなんだ)

 

絶対気付くの遅い(社会人歴10周年)けど、これが、1つの、OL弁当の答えだ…!と、結論づきましたので、ここにお知らせいたします。

思うに、学校に持っていっていたお弁当は、レンジや給湯器がなかったがゆえに、あの形式だったのだ。
ごはんに、赤緑黄黒茶色のおかず。梅干、ゆかり、ふりかけ。冷めても美味しい味付けで。
それはやっぱり日本人のお弁当の理想形だろうし、栄養バランスも良く、楽しいけど、あまりにも手間で面倒で、私にはもう取り組めない。
でもお弁当はやっぱり節約にもなり、薄味にできて、ちょっとホッとする時間をくれるものでもある。だから、「おにぎらず」とか「スープジャーに餅を入れよ」とか、手間を省いたスタイルが世に溢れる。
そこに、どうでしょう、クスクス弁当。
自炊のおかずを余らせて冷やしておく。乾燥したままのクスクスをタッパーに入れて鞄に入れる。
わたしだって曲げわっぱに憧れていたけど、いろいろ吹っ飛ばしてこうなった。丁寧な暮らしは無理でも、楽して好きなものを食べたいし、その権利くらいあるだろう。
そんなわけで、どうでしょう、最速の炭水化物・クスクスを使った雑な弁当。ぱっと見全然美味しそうに見えないのが問題だけど、あとはおかずの味次第なんだ。f:id:l11alcilco:20181117005506j:image

天津楼のこと

高岳、って、なんて読むかわかります?正解は「たかおか」です。全然、読めてませんでした。「たかがく」かな?とか思ってました。名古屋の地名駅名、全然わかっておりません。愛知県の地図を買おう…と思いながらもう半年以上経ってしまって、そろそろ有言実行しなくてはいけない今日この頃。カレーを食べに「高岳」に行きました。


ら、お休みだったんですよ。


あら、こんなにもカレーの気持ちだったのに…というのもありつつ、わたくし、高岳駅からカレー屋さんまでの道のりで、入ってみたいお店が五軒ほどありましたので問題ありません。高岳はそういうエリアなんですね。栄、久屋大通、といったメジャーな繁華街から少しだけ離れた高岳。ふむふむ楽しいな。


で、天津楼です。


お隣に「喫茶ボンボン」という、名古屋のガイドブックとか、昭和レトロ喫茶マップみたいなのに必ず載ってる有名な洋菓子屋さん兼喫茶店があります。
目の前にしてみると、たしかにこのロゴ、この佇まい、今までいろんな波があったでしょうに、負けずにレトロを維持している力。地域の信頼も厚いし、観光客も喜ばせているんだろうな、と思わされる外観です。金曜夜の広い広い店内には、トレーナーを着てムスッとしたおじさんが姿勢良くソファに座ってました。喫茶は夜9時までの営業。華金にケーキ、きっとお好きなんだろうな、と思いました。
その周囲には、「ボンボン・天津楼共通駐車場」が2箇所もあります。人気なんだな〜と思います。愛知県の飲食店は駐車場の有無を必ず食べログで申し立てる必要があるように推察します。もちろんあるに越したことなく、自前の駐車場がないなら提携はどうか?という、東京にはない仕草。こんな町中の洋菓子屋にまで求められているとは知りませんでした。f:id:l11alcilco:20181108133805j:image

で、天津楼です。(二回目)


ボンボンのロゴに引けをとらないポジティブな看板。「餃子 ラーメン」の真っ直ぐなメッセージ。窓の外から見える、ボンボンと同じく、昭和をそのまま保冷しておいたような空間。あーもう絶対好き。昨日名古屋駅近くの街中華「千龍」に入ったばっかりだけどダメ、通過するにはもったいない。
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東京日本橋たいめいけん」の横にあるラーメンコーナーが尋常ならざる光を放ってるのよりもぴかぴかと光って、「ボンボン」の横にある天津楼。お店に入ると、最高かわいい、今まで中華屋で見たことのないロゴ入りのスツールが調理場をぐるりと囲っていて、年月以外の要素では汚れのないステンレスのコンロがビカビカ光っていて。カウンターは朱色。ずらりと並んだプラスチックのプレートのメニュー。最高です。この景色だけでもう、もう、お腹いっぱいです…
と思いながらメニューを観るのが楽しい。柳麺と書いてラーメンと読ませるの大好き。結局、お昼ごはんが遅くてそこまで空腹でなかったので、ビールと焼餃子だけ注文しました。
「焼餃子と、ビールを。」
「ビールはビンか生。」
「うーん…、ビン。」
「キリン、アサヒ、サッポロ。」
「うーん…、サッポロ。」
で来たのが大ビンだったので焦りました。33歳女ひとり、中華屋で大ビンか…遠いところまで来ましたね…。飲んだら、冷やしすぎくらいに冷えていました。


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餃子は焼き加減がぴったりで、焦げた皮がパリッッとしていました。味は普通です。ジューシー、とか、個性的、とか、そういうのないです。普通に、白菜ベースで、しっとりした餡を、きっちり焼いていただいてる、普通に美味しい餃子。
この餃子の味は私にとってノスタルジックなものです。見たことのない故郷にノスタルジーを感じることもありますが、これは体験からくる郷愁です。幼稚園児の頃から、夏の市民プールの帰りに連れて行ってもらっていた近所の中華の味に近いです。ちなみにまだやってます。まだたまに行きます。私が自分の父と共有できる、実家から最短のレジャーだからです。ビール→メンマ→餃子→ラーメンを植え付けられた店と言っても過言ではありません。(詳しくお知りになりたい東京の物好きな方は「ラーメン 草むら」でご検索くださいませ。) 
そんなこともあり、天津楼のビールと餃子で、心底ホッとしました。最近、ホッとしてなかったなぁ、静かな時間を過ごしていなかったなぁと思います。おしゃれで複雑な食事は楽しくて好きだし、うおーウマーい‼って叫ぶような食事も最高に楽しいのですが、淡々としたご飯はホッとします。なんだか最近そういうお店に惹かれます。ある種のホームシックなのかなぁと思います。
天津楼は天津飯が美味しいらしいのでそれも食べたいし、叉焼というメニューも気になったのでまた行きたいです。帰りにボンボンに寄って、コーヒーで脚付きグラスのプリンを食べたら気持ちいいだろうな。


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太りました。

 

(2018/11/8ボンボンに行ったので写真を追加しました)

あんスパのこと

現時点で、名古屋で1番好きなローカルフードは味仙の『コブクロ』かもしれない。
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にんにく盛り盛り、唐辛子ごりごり、小袋ぷりぷり、こりっこり。ビールの神様が作った食べものだと思う。ダイエット中にどうしても塩っぱいもので小腹を満たしたくなって、小袋とノンアルコールビールをおやつに食べたほど。酒飲みの友達が名古屋に来たらコレだと思う。


その味仙の台湾ラーメンも、先述のカレーうどんきしめんも、ど定番と思しき味噌煮込みうどんもまあぼちぼち経験して、みんな好きになった。カレーうどんなんか大好きだなと思って別な店にもどんどん行っている。そこで残る名古屋めしは「あんかけスパゲッティ(以下、あんスパ)」である。なんだか不安で、周りに「美味しいよ!好き!」と言ってくれる人もいなくて、避けていたのだ。それになにしろ、カロリーが恐ろしく高そうなんだもの。こわかった。

夏のある日。Twitterで名古屋の人に教えてもらったあんスパ店に行こうと歩いていた道すがらに、別なお店を見つけてしまったのが、私のあんスパデビューとなった。
店名は伏せる。
気怠いムード、大盛り推奨、スパの上に乗せる選択肢がだいたい揚げ物。ちょっとこわいな〜と思いながら「カントリー」を頼んでみた。
あんスパの世界は不思議なネーミングで溢れている。「カントリー」は、野菜炒めがあんかけの具になっているアイテムのこと。「ミラネーゼ」というのがソーセージの入った商品で、それを組合せた「ミラカン」というのがスタンダードメニューらしい。「ミラカン」の具はナポリタンの具とほぼイコールだ。但し、あんかけがかかっている。
あんかけってなんなんだ。あんかけて何味なんだ?中華のあんかけ焼きそばにかかっているあんかけは(そろそろあんかけがゲシュタルト崩壊し始めませんか)、鶏ガラスープだったり、味覇的な味と思っておけば間違いないだろう。和食であっても、スープにとろみがついたら「あん」になる、というのが基礎だろう。
私が初めて体験したあんスパのあんは、何なのか全然わからなかった。説明のつかない味。良い意味ではなく、わからない味だった。なんだろう、なんだこれは…と思いながら食べた。
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ただ、すごい胡椒の量ではあった。また、あんスパの「スパ」は所謂「ロメスパ」方式で、茹でてある太麺を注文ごとに炒めて食べさせるということも理解した。ロメスパ自体は好きなので、そこに活路を見出して行きたい気持ちだ。


初のあんスパを食べ終わって、頭の中が混乱したまま、もともとの目的のお店に行った。あんスパのはしご。ちょっと気がおかしくなっていたのだと思う。でももう一軒食べたらなにかわかるかしら…と藁をもすがる気持ちで徒歩5分ほど。もう一回「カントリー」を食べてみた。
f:id:l11alcilco:20181015191354j:imageうーん?とりあえずさっきのところより美味しいかな?あんかけが絡みやすいと食べやすいな?ていうか、めちゃめちゃお腹いっぱいだな…?(当たり前)

 

別な日に、あんスパの代表的なお店「ヨコイ」にも行ってみた。スーパーでヨコイのあんかけソースが売っているくらい、ここのあんかけは名古屋人に認められているらしいのだ。知らないことは基礎からよね、と思いながら3度目の「カントリー」。
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なるほど食べやすい。ヨコイはトマト味が強めなのもさっぱりして良いし、目から入ってくる情報(赤色が強い)と舌の情報(酸味)が一致しているのもあって食べやすい。食べやすいとか食べづらいとか言ってる時点で美味しいと思っていない可能性がある。でも、べつに不味いわけじゃない。

段々、「あん」はケチャップとウスターソースコンソメ的な味がついており、胡椒でパンチを出しているものだとわかってきた。ただそもそも「胡椒味」のものを食べ慣れないから、食べはじめたときの驚きが未だにある。ビシッッッと胡椒。こんなにマッタリした見た目なのに!


そんな戸惑いながらのあんスパとの出会いを、生まれも育ちも勤めもずっと名古屋の人に伝えたら「あんスパは、あんスパ食べに行こうってわざわざ行くもんじゃない」「喫茶店のメニューにあったらじゃぁ今日はこれ、と選ぶ程度のもの」と言われてこれまた戸惑った。

むしろ専門店じゃない場所でも出てくるのかよあんスパ!こんな変わった食べ物なのに!!むしろ名古屋喫茶文化の深さはいったいなんなんだ!!! と、御本人にはお伝えしなかったが(初対面だったし)、ツナサンド、ホットドッグにならぶあんスパを想像するとなんだか意外と納得感がある。ナポリタンはナポリにないし天津飯が天津にないのと似たような、あるもので工夫して作ってみたら皆好きだった…みたいなことなのだと思うと、そうかもしれないと思えた。

 

そこで初めて勇気が出て、勤め先の社員食堂であんスパを食べてみることにした。
今の勤め先の社食はメニューの幅がなく、味も含めて最高とは言いがたい。そんな中でも頼みの綱だった「茄子とミートソースのスパゲティ」が数ヶ月前のメニュー改訂時になくなって、あんスパに変更になったときの切なさといったらなかった。なんであんスパ…そんな知らない食べ物困る…やっぱり名古屋の人はあんスパ好きなのかな…と嘆いた。味の見当がついていないメニュー(しかも、美味しそうとは思ってない)を、ウィークリーで目の当たりにするのはつらかった。

写真をお見せできないのが残念だが、社食のあんスパは「ミラカン」で、上に目玉焼きが乗っている。あんの色は薄い茶色。あ〜こりゃチャレンジだわ…と思って食べたら、

なんとびっくり、美味しかったのだ。

色の薄さと連動して味も薄い。それが良い。スパゲティは炒める余裕がないので、ゆるく茹でただけ。それが良い。初めてのあんスパで出会ったあの店の胡椒のパンチも油の強さも、どちらもない。それがとても良い…。きっとこれは、名古屋で1番あっさりしたあんスパだろう。邪道だけど、わたしのあんスパは一旦、これでいい。と、思うことにした。

あんスパは社食で食べる程度でいいんだよー、なんて、名古屋人ぽくて、いいじゃないか。

自炊のこと

風邪をひいて寝ていたら、すこし気弱になりました。
風邪のときはプリンとかシュークリームとかを食べたくなりませんか。卵と牛乳がかたまりになって冷たくなって、イガイガしている喉に気持ちいい。気持ちいい。
突然会社の中に咳き込む人が現れて、その日のうちにそのムードに巻き込まれ、あーこりゃ駄目だと思って薬屋さんで薬を買ったついでに2個買っておいたのでした。とりあえずそれを食べる。
でもあとはなにを食べようか。家からは出たくない。大したものは冷蔵庫にはない。なぜなら最近全然自炊をしていないから。


なんだか外で食べてばっかりで、それがいちいち最高だったらいいけど、そうでもないこともあり。かけられる予算にも時間にも限りはあり。
レシピを読むのが好きでレシピ本をいろいろ持ってるし、レシピが載ってる雑誌も買うけど、実際には全然使ってないし。
でもスーパーの「おそうざい」はあんまり好きじゃないし、「お弁当」もあんまり好きじゃなくて。
インスタグラムで料理をしている人のアカウントを眺めているとへこむ。自分の食べるものを自分でちゃんと準備しているひとはなんてちゃんと生きてるんだろうと、羨ましいような、うらめしいような気持ちになる。
洗濯も、掃除も全然やってなくて、こうやって生きてていいのか…もっとちゃんとしなくてはいけないのではないか…
弱っているとこうなる。


で、できあがったのがこちらのメニューです。
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昼。かつての自分が冷凍してくれていた鮭ご飯の最後の一個と、サバ水煮缶を味噌汁にしたもの。
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夜。冷蔵庫でポツンとしていた糖質ゼロ麺と冷凍ブロッコリーをレンジで温めて、サバ水煮缶味噌汁を温め直してかけたもの。


どうでもいい自炊がもっとシェアされて、どうでもよく生きていいと思える世界になりますように。

と思うけどどうでもいい自炊の写真、全然見たくないよね。

 

〈2018.9.30追記〉

このどうでもいい自炊(とそれを実施する自分)へのがっかりした気持ちがなんなのか、少しわかったのでメモ。 その1。自分の母が料理上手の料理好きで、かなりの品数の食卓で育ってきたから、これでいいのかなと思う気持ちがある。母だって一人のときは簡単に済ませていたはずなのに。 その2。実家にいたとき母とテレビを観ていて「時短!簡単レシピ!」みたいなのをやってると母が「こんなのは料理と呼ばない」と感想を述べていたことを思い出すから、自分がそれをやっていると思うと貧相な気持ちになる。

そういえば母のメニューの中で私が大好きな「お揚げを炙って茗荷と大葉とお出汁で和えたやつ」を先日帰ったときにリクエストしたら、それのことを忘れていたな。最近は父と二人になって、出前やお弁当の頻度が増えているようだ。