松屋のこと

松屋が好きだ。牛丼チェーンのほうの松屋のことだ。

いつから好きだったのか思い返してみると、出会いは新卒の頃かもしれない。最初に勤めた会社の真隣に松屋があったので、基本的にはお弁当かコンビニ(セブンイレブンだった!)の生活だったが、 たまにセブンイレブンでも食べたいものが見つからない時があって(なんということだ…)、たまに松屋に入っていたのだった。
もしかしたらそれまで一人で牛丼チェーンに入るということはしたことがなかったかもしれない。大学生の時でも、牛丼屋には友達と連れ立って行ったことしかなかった。牛丼屋は、女子大生当時はそれほど惹かれる場所ではなかったのだろう。それより、モスバーガーに行きたかった気がする。今より少しだけキラキラしていたのだ。
新卒何年目か、同期と一緒にランチすることも減り、「あら、一人で牛丼なの?」というような視線の男性社員とカウンター越しに目が合うこともあったけれど、そんなことを経て、もしかしたら松屋一人飯への熱情は強まっていったのかもしれない。
なお、その頃の松屋には基本的なメニューしかなかったと思う。トマトカレーが夏季限定で出ていて、それを女性陣でワイワイ言いながらお弁当として買いに行き、みんなで休憩室をニンニクくさくした記憶もあるが、変わり種と言ったらそれくらいだったように思う。

 

2つ目の会社で私と松屋の距離はグッと縮まった。通勤途中の乗換駅にあった松屋を、すこし残業して遅くなったときなどよく使っていた。周りは、同じく残業明けのおじさん方か、飲んだシメに牛丼をご所望のみなさま。そのときには松屋は期間限定メニューを出しまくる現在の体制になっており、わたしはろくに「プレミアム牛丼」を食べず、限定定食に心乱してきた。



昨年の夏頃か、Twitter上で「ゴロゴロチキンカレー」がバズった際には、やっとみんな松屋の価値がわかったか…とものすごく上から目線で祭に参加していたような気がする。この火を絶やすまいと期間中にゴロゴロチキンカレーを食べているようすは、好きなアニメの第二期を望むばかりに派生コンテンツに課金しまくるオタクのようだった(かもしれない)。

 

さて、名古屋の中でも地方に越してきて、イオン系列店舗の波に揉まれワオンカードを作ってしまいそうな今日この頃。(鳴き声が可哀相なので避けたいと思っているのだが)
最寄り駅から自宅と反対方向に歩くと、そこに松屋があることを知った。ここ最近のTwitterで話題になっているケイジャンチキン定食を食べてみたいと思っていたし、仕事が早めに終わったので行ってみた。
ケイジャンチキン定食は上に挙げたTweetでも食べているから、結構前からあるメニューなのだが、とにかくニンニクがひつこくって最高。味が濃いのでご飯がもりもり進む。トマト味とニンニクと唐辛子にひき肉も入って、鶏肉なしでもご飯泥棒だ。箸休めに食べる生野菜がとても優しく感じる。お味噌汁はあんまり合わない気はするが「デフォルト味噌汁」は松屋の大切な心意気だと思うのでぼちぼちいただけばよいとおもう。


駅から少し歩いた国道沿いの松屋は、なかなか今まで体験したことのない空間だった。とにかくお客が全員日焼けしてる。たぶん全員車で来てる。半分以上が作業着。半分以上の声がかすれてる。1人、まだ7時半なのに寝てる。
そして店員さんが足りていない。バッシングが追いついてない。調理も追いついてない。とにかく叫んでる。「お待たせしまーす!」ドライブスルーもある。ドライブスルーのマイクにも叫ぶ。「お待たせしますが大丈夫でしょうかー!」松屋にもドライブスルーあるのか、夢みたいだな、と思いながら叫び声を聞く。車の中のお客さんも、みんなどうやら待ってくれるようだ。


しかし私ひとり、さっきまでクーラーがガンガンにかかったオフィスでパチパチ電卓を叩いていたせいで、身体が冷え切っている。それが、いづらい。マシンで出るホット玄米茶が美味しいけど、おかわりに行けない。シャツが花柄なのも、なんだか恥ずかしい。みんな、塩分も炭水化物も絶対にたくさん摂取しなくちゃいけないお客様。わたし、脚が象のようにむくんでいて塩分摂るべきじゃないお客様。
これはまた、随分以前と違う経験だなぁと思う。同じチェーン店だけれど、場所でこんなに客層が違うのか。あたりまえのことだろうけど、知らなかったのだ。


「こんなに居づらい松屋は初めて、もう松屋のこと、好きでいられないかも…」と思いながら食べ始めたケイジャンチキン定食は、ライスをおろし豆腐に変更済(+50円)。f:id:l11alcilco:20180810214921j:image

初めてメニューで見たのだが、調べたら2017年夏から実施の施策のようだ。知らなかった!このおろし豆腐がすこぶる良い。海苔とごまと塩ダレがかかっていて、大根おろしも大盤振舞い。さっぱりして、定食のご飯に求める要素を十分に発揮している。ありがたい…

松屋はさ…わたしのこと好きだよね…?わたしが万年中途半端に糖質制限してるの、知ってるんだよね…?」
「もうこれで、すき家で牛丼ライト(ご飯の代わりに豆腐が敷いてある)を食べなくても良いのね、、、わたし、やっぱり松屋が好き…!」
結局かなり気持ち悪い感じになって帰路についたので、今後も松屋推しで、じゅうぶんやって行けそうだ。

 

コンパルのこと

名古屋名物のひとつにエビフライがある。 エビフライが名古屋名物になったのは理由をよく知らないが、 たぶん名古屋城に鎮座まします金のシャチホコと関係があるのだと思う。 そして、エビフライは往々にして特大というメニューが喜ばれると思われているらしい。エビフライの特大とは、大きいエビを使っているのか、それともエビをつなげて大きくしているのか、コロモを大きくしているのか…大きいエビなんだとしたらそれはどこから来るのか…食べたことがないのでまだわからないのだけど、これはなんだか名古屋で不安に思っていることの一つだ。


そしてもう一つ名古屋といえば喫茶店のモーニング文化。 コーヒーを飲むとトーストとゆで卵が自動的についてくるみたいなシステム。さすが、気の利いたサービスだなぁと思うのだけど、なかなか早起きすることができなくてあまりじっくり体験していない。たまにしか行かないからいつゆで卵を割り始めたらいいのかわからない。そこで食べると言われている、朝だからこそ許される糖分の塊と思しき「小倉トースト」も、まだ怖くて食べたことがない。


さて、コンパルのことだ。
コンパルは名古屋市内の喫茶店チェーンで、先述したエビフライとトーストを組み合わせた、名物・エビフライサンドが一押しメニューだと思われる。メニューにもさらりと名古屋名物と書いてあり、ガイドブックにも載っている、鉄板のご当地 B 級(?)グルメが、コンパルのエビフライサンド。


わたしはね、わかっていたのです。これはまずいわけがないと。 エビフライはおいしい。 焼いたパンはおいしい。おいしい+おいしい=おいしい。しかもお互いがギュッと身を寄せ合って、キャベツの千切りと一緒になっているというビジュアル、まずいはずがない。
ただなんというか、 一人で食べるには重たそうだなあと思ったり、まあいつでも食べられるだろうと思って、誰かが名古屋に来た時に食べようかなあ…なんて思っていた。 でもある日、栄のコンパルの前を通ったら空いているもんですから、そしてお腹も空いていたもんですから、一人でパッと入って食べてしまったのだった。


シャツにベストの制服を着たお姉さんがきびきびと働いている店内。入ると目も合わさずに「空いてる席どうぞー」と投げやりに言われ、「こ、これは勝ち組の店だからこそのご対応…!」と思う。ハイとお水とおしぼりを渡されて、エビフライサンドをくださいと牛丼屋でものを頼むみたいなスピード感で伝えると、はい分かりましたと言われその場で「エビ、ワンでーす」と叫ぶお姉さん。お互い牛丼屋のテンポだ。
座った右隣はおばあちゃまで、左隣はお仕事途中のおじさまだった。 お二人とも頼んだのがミックスサンド。 おじさまのドリンクメニューはメロンジュースです。 そんなイケてる選択肢あるのかよ!と思ってメニューを見ていたら、すぐお隣に運ばれて来たメロンジュースは搾りたてっぽい素敵なビジュアルで、立派なマスクメロンのカットがグラスに引っかかっていた。うらやましい。
そして、エビフライサンドを待っている間に、両隣のミックスサンドも運ばれて来てしまう。白くてフワフワのパンがきれい。具もいろいろでおいしそう。うらやましい。


とぼんやり待っていると来たのがこちら。
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わかっていたのです。これはまずいわけがないと。 エビフライはおいしい。 焼いたパンはおいしい。おいしい+おいしい=おいしい。(繰り返しました。)
でも、この考えをちょっと上回る、喫茶店らしい見事な力加減の、上品さとパワーのある美味しさが、コンパルのエビフライサンドだった。これは、ハッピーな体験だ。


まず、挟まれているのは3本のエビフライ(衣が薄いのにカリカリで最高)とキャベツだけではなくって、薄焼き卵がある。掛布団と敷布団の間の毛布みたいな感じでそっと入っていて、優しい。優しいうえに、ぎゅっとホールドしてくる感じだ。(※寝ている本人はエビフライ。)
それと、味付けは味噌カツ的なこってりしたソースなんだろうと踏んでいたのだけれど、実際は酸味のあるソースとタルタルソースの味付けだった。ケチャップかと思うほどの酸っぱ味が好きだ。実際、食べている間はケチャップだと思って感激しきりだった。
マクドナルドのチーズバーガーだってケチャップがなかったら美味しくないですよ、と思う程度(=軽度)に、ケチャップには思い入れがある。20代でイギリスへ短期留学に行ったとき、寮で出される料理に味がまったくなくて涙していたのだが、留学期間も終盤になって食卓に現れたケチャップがすべてを救ったという経験をしたのだ。味があるぞー!あのとき、ケチャップ・セイブス・ザ・ワールド、と思った。
だいぶ話が逸れたけれど、このソースの酸味がフライのしつこさとぶつかり合って、カロリーゼロになる勢いであった。こういう物言いが流行っていませんか。要は上品さを生んでいるということが言いたかったのですが。
そして、食べている途中で気が付いたのだが、隣のおばあちゃまはサンドイッチを紙ナプキンで包んで召し上がっていた。なるほど。私の手はソースまみれでぐじゃぐじゃ。もういいやと思って、都度舐めたり拭いたりしながら食べる。
自分に上品さは全然ないのだった。

 

2枚のパンにたっぷりのソースとキャベツ、卵、エビフライ3本。3等分にしてあるから、3分の1は残して持ち帰ろうかしら、なんて、食べる前には思ってみたけどそんなのは無駄だった。結局隣のおじさまより先に食べ切ってしまった。ああ美味しかったなあと立ち上がったら、やっぱりしっかりカロリーの分だけ満腹になっていて、今度は誰かと3分の1ずつで食べるのが良いかなあと思った。そして、メロンジュースも飲むんだ。誰か遊びに来ないかなあ。


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野菜のこと

 

私のいま住んでいる小さな街にはセブンイレブンがありません。
デイリーヤマザキミニストップだけ。
別に嫌いじゃない。手作りおにぎり関係、ついつい買っちゃうし。レジ前のポストもなんだかんだ使っちゃうし。あと、「ささみしそ巻き梅風味」おいしいし。

セブンイレブンは電車に乗って大きな街まで行かないとありません。最寄りのスーパーもイオン系列だし、歩いて行けるファミレスもガストだから、セブン&アイホールディングスの恩恵を受けることができなくてさみしい。あれは都会のものだったのか…

 

と、思っていたところ、最近会員登録したジムは真下にセブンイレブンが入っていて(すごい勢いでZAVASのプロテインやサラダチキンを2面出し3面出ししている性格のハッキリした店舗)、それが嬉しくて通っています。
セブン&アイの力を感じるのは気持ちが良いです。こんなものまで自前ブランド!あれもこれも全部美味しそう!アイスの入れ替え速っ!チョコミントの種類豊富!安室奈美恵のクリスマスケーキ!(もうない) と思いながら必要以上に店内をウロウロして、おやつ(プロテイン)か、水か、ジム前後に食べるなにかを買って帰るのが楽しいのです。

で、今日はセブンイレブンの新メニュー、関ジャニ∞監修の「野菜を食べよう!チリスープ」を食べました。
美味しかったです。オクラ、茄子、豆などいろいろ入っていて素敵でした。さすがセブンだな〜と思いながら食べていて、そういえば、と思うことがありました。

 

コンビニやファミレスのメニューで、1日分の野菜が取れるなんとかとか 1/2 の野菜が摂れるなんとかとか、ありますよね。
わたくし、ラーメン唐揚げカレーが基本の女。しかも、永遠に漫然とダイエット中の女(いまは強化期間中)。なんとなく常に野菜不足のような気がして、 すごくジャンクな気持ちでない時には、選んでしまいがちなメニューが『○日分の野菜』関連なのです。
ちなみに○日分の野菜のジュースは今ひとつ意味を理解しきることができず安心できません。なんで大きいボトルでも小さい紙パックでも○日分の野菜と明言できるのか…?

話が逸れました。

で、○日分の野菜が入ったサラダ、とか、ちゃんぽん、とか、よーしこれで野菜を食べたからなんか大丈夫な気がする!健康な気がするぞー!って思うために食べるんですけど、ずっと思っていることがあります。


その野菜、ほとんど


もやし

 
のこと、多くないですか。

 
○日分の野菜が食物繊維量のことを示してるのか、それともビタミン量ですとかがないなら、別の栄養素の事を言っているのか分からないので何とも言えませんが…単純に推奨されるグラム数をもやしで摂取してると思うとなんだか虚しい。もやしって近所のスーパーでひと袋9円だし、もやしって、もしかして、なんにも栄養ないんじゃないかなって思って。白いし。細いし。なんなら透き通ってるし。1日分の野菜を摂っても、なんかザクザクしてるだけで、なんかもっと野菜っていろいろあるよね…!?という気持ちになることが多いのです。もやし、美味しいけどさ。きっと何かしら栄養もあるんだろうけどさ。

 

そこを行くと今日のセブンの『野菜を食べよう!チリスープ』は贅沢だったなぁ、さすが!と思ったのですが、よくよく考えるとこれは『野菜を食べよう!』であって『1日分の野菜』ではなかった。


じゃぁ、『○日分の野菜』はどうなんだ、と思ってセブンイレブンのウェブサイトを見ると、ありました、同じ関ジャニ∞監修シリーズ。
『1/2日分の野菜!ガパオ風ライス』は、写真で見たところ、


めっちゃもやし!


でした。

はははそうなのか。やっぱりそうなのか。

手軽に○日分の野菜を実現するにはもやしは欠かせない原価コントローラーなんだろうな…とひとりで結論付いて、とりあえずブログに書きました。体重はあんまり落ちてません。

 
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(サラダだと大根千切りとキャベツ千切りの出番が多いな、○日分の野菜。)

京都へいったこと

 

家から1時間で京都だ。実家にいた頃の、家から1時間で湘南だ、というようなことを思うと、なんだかすごいことが起きているように思う。すべては新幹線とEX-ICカードのおかげである。


名古屋駅に向かう道すがらに最短の新幹線を予約して、普通の電車の乗り換えみたいに改札をピッとしたらもう新幹線。小田急線の快速急行に揺られるようにボーッとしていると、もう京都。
費用は小田急線のそれとは大分違うけれど、新幹線の気軽化を推し進めたJRのこの仕組みは偉大だ。そして、名古屋という中間地点の良さを知る。
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京都駅に降りたら、なんとなく出汁の香りがした…ような気がした。
名古屋駅に降りたら味噌の香りがするだろうか!いやしない!さすが京都、出汁の香りをさせるだなんて、なんたる情緒…
と思いながら歩を進め、京都に住んでいる友人と落ち合った。


祇園の花見小路という石畳の情緒溢れるエリアの洋菓子店『ぎをんさかい』でお茶をした。山椒を使ったケーキをいただいてお互いの近況を話し合い、楽しく過ごした。
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そのあとは先斗町通りをウロウロして、夜来たら楽しそうだと妄想に励んだ。

この時期の京都鴨川沿いにはもう川床が出ていて、それはそれは清々しい。時間が中途半端で川床のあるお店には入れなかったのだけど、その代わりに、鴨川の河原に座ってビールを飲んだ。まだ湿っけがなくて爽やかな風が吹いている。気持ちいいねえと言いながらまた喋ったり黙ったりの良い時間を過ごして、わたしはバスで京都駅まで戻った。

 

 

はあ、京都は自然が多くていいなあ、鴨川はいいなあ、お友達と話すのはいいなあ、また来たいなあ…そうだわ、夜ごはん用になにか自分にお土産を買って帰りましょう、そうしましょう、と思って駅のお土産店を見て回る。


そこで気がついた。
駅に降り立って感じた素敵な香りのもとは、

蓬莱の豚まんだったのだ。

 

 

そうかそうか、そういうことだったのかと思いながらも、豚まんは行列ができていたので買わなかった。生湯葉と原了郭の袋麺を買って、すぐ新幹線に乗ってしまった。蓬莱の豚まんは大好きだけど、この日の爽やかな気分を、自分で崩したくなかったのだった。

らいむらいと のこと

彼氏のお誕生日がくるので、なにかうまいものを食べて盛り上がりたいと思った。
うまいものを食べるのに理由はなくてもいいが、理由があればますます美味しいし食べ甲斐があるし、「ケ」の外食より値段を張っていいと思えるので積極的にやっていきたい。とわざわざ書いたが、今までもそうしてきたし、むしろそういう家庭に育った。日本全国酒飲み音頭のようなもので、なにかにかこつけて飲み食いしたいと思うのが、食いしん坊の性だと思う。


さてそんな折、「お誕生日はなに食べたい?」と尋ねたところ「うーん、肉かな。」と返事があった。


肉か。


肉と言っても多種多様。ステーキか?焼き肉か?ローストビーフというのも洒落ているな…などなど思い、カルネヤさんかしら、ゆうじかしら、前に会社の先輩に連れて行ってもらった末広町の「生粋」はリーズナブルで楽しかったなあ、などと考えていた。
すると相手が言うのだ、「ハンバーグが良いな」と。


ハンバーグ!(井戸田潤)


肉と言われてそもそもハンバーグのことを思い出さなかった。ハンバーグについて何も知らないぞ。行きたい店のブックマークが700件超もあるのに、ハンバーグの店は1件もない。

どうしよう。
Twitterでつぶやいてみた。


すると数名から実際にDMをいただいたので、その中より検討し始めた。渋谷のゴールドラッシュ、ふむふむ、神保町のアルカサール、ふむふむ。
美味しそう、美味しそうだけど、なんか、想像できちゃうな…(オススメしてくださった方、すみません、いただいた場所は悪くないのです、追って訪問いたします)


と少し悩んで、思い出して検索したワードが「フォーリンデブ ハンバーグ」。

わたしはフォーリンデブ氏をグルメブロガーとして大変信頼している。胃がこの人みたいになりたいと思う。焼き肉のあとにウニ丼を食べるような生活に憧れる。そんな方だから、特にこういうしつこいものについては信頼もひとしおだ。


そこで辿り着いたのが市ヶ谷「らいむらいと」であった。


コースメニューがあってワインも飲めて、バースデーデザートもやってくれる。デートらしくて良いと思って予約した。なにより、ハンバーグは東京で一番と言われたこともあるらしい。万全だ。


コースは前菜から始まり、スープやお魚を経てハンバーグへ辿り着く。
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はじめの一品「ズワイガニイクラのマリネ和風ゼリー」はカニの脚が大盛りなうえにゼリーの出汁味が濃くって力強かった。私がゼリーについて「旨い…ラーメンのスープみたい」と言ったことは内密にしてほしい。


さて、ハンバーグだ。
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「らいむらいと風チーズハンバーグ200g」


ご飯とお吸物のセットにするか、焼きおにぎり入り椀が選べる。
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焼きおにぎり越しに撮ってみた。


これが、このチーズハンバーグが、まあ、驚くほど、驚くほど驚くほど旨かったのである。


「わっ、おいしーい♡」というより「うぉっ、旨い!!!」という味。


大きなハンバーグはしっとりふかふかしている。載せてあるチーズは厚みが1cmくらいあってまったりと主張してくる。そして、ガーリックバターのソース。ソースが一番の肝。これが濃くって旨みの塊。固まってないけど。これだけで若者なら何杯もご飯が食べられるだろう。このソースを余すことなく食べ尽したい…という気持ちに応えるようにマッシュポテトとブロッコリーが添えられている。2つとも、めっちゃソース吸ってくれる。ご親切にありがとうございますと御礼を言いながら吸わせて食べる。予想以上においしくて、楽しくて、小躍りしてしまう。わたしはハンバーグで小躍りしたことが、今まであっただろうか。


「うまいね!」と小さく叫びながらハンバーグをリクエストした本人を見ると、なんと、おしぼりで涙を拭いていた。大丈夫ですか、美味しいですか。


曰く、頷きながら、
「なにかが『美味しい』と思うことはあるけど、それは『ジェットコースターに乗ったら面白い』みたいなものだと思っていた。『美味しい』ことが『幸福』に直結してたことを、俺は今まで知らなかった。初めて経験した。これは、幸せだ。」


よ、よかったね…


その後も「俺は今までハンバーグに対して本気を出してこなかったことに気づいた」「これは絶対に最高のチーズハンバーグ」等々、涙ながらに語りつつ、ソースを掬いきって食べていた。オタクだから好きになったものについての話が長い。(良いことです)


よく考えてみたらそうだ。彼はハンバーグが好きと言いながら、基本はガストのチーズハンバーグかサイゼリヤのイタリアンハンバーグを常食している。お腹がすいたら選ぶ「いつものメニュー」がハンバーグなのだ。実際それらもハンバーグであるには違いない。そしてそれらは美味しくないというわけではない。

最近ちらほら見かける「飲めるハンバーグ」みたいなところにも行ったけれど、それも「いつもの」の流れの中にある、美味しく食欲を満たしてくれるものの派生であったのだろう。

でも、今回の出会いは、「いつもの」を圧倒的に超える味覚の体験だったのだ。そういうものに出会うと、泣いてしまうのかもしれない。

なんか、うん、わかるよ…と思いながら、焼きおにぎりを崩して食べた。美味しかった。


しかし、美味しいものを人に紹介できて喜ばれたときの、この嬉しさは一体なんだろう。

美味しいものを作っていて偉いのはお店なのに、なぜ自分の手柄のように思うのか。しかもご馳走するもんだから、支配欲なのか征服欲なのか、そういう困ったものが満たされてしまう。

そんなことがあるから、ますます行きたいお店のリストが増えていく。 美味しいものは好きな人と食べたい。好奇心と食い意地とドヤ欲と、組み合わさると忙しいのだ。

 

 

 

クィアアイのこと

今更ながら『クィアアイ』を見た。

面白いね、面白いし嬉しいし、涙が出ちゃうし、とってもいい番組だわ…と思いながら見た。

具体的に言うと突然休みになったときにシーズン1の全エピソードを一気見した。


ご存知ない方のために簡単にご説明すると、『クィアアイ』はNetflixで見られるリアリティーショー。ちょっとイケていないアメリカ男が、イケているゲイの5人組(Fab5と名付けられている。Fabはfabulousの略だ。)によって、数日間かけて変身されていくというもの。調べると、2003年から2007年までアメリカのケーブルテレビでやっていたシリーズが、Netflixで2018年に復活したということらしい。


暇だった大学生の頃に、よくお昼のワイドショーで「奥様大変身」とか「旦那様大変身」とかそういうのをよくやっていて、観ていた。それは基本的に、髪の毛・メイク・ ファッションを1日で変えてしまいます!という内容だった。 それを配偶者やら子どもやらが見てびっくり、奥様涙、みたいなやつ。


クィアアイは、数日間かけてその人が変身するための精神的ストッパーになっている部分に働きかける。家の中のメイクオーバーもするし、ファッションだけでなくライフスタイルも変化させる。そのためにそれぞれのエキスパートである5人が 一人の男に対して 立ち向かっていく…ではなく…サポートする。
彼らが、その人のいいところを見抜いてヘアスタイルやら髭やら眼鏡やら変えていくと、本当にそのダメだった男性がかっこよくなってしまうので、テレビを見ながら毎回びっくりしてしまう。
しかも、彼らは訊くのだ、"Does it feel like you?"と。無理はさせないのに変身させる。なんだか本質的な優しさがある。ボサボサに伸ばしたヒゲを剃るときも、"You are handsome guy, let people know that!" とかなんとかで自信をもたせる。
観ている間はアメリカナイズドされているので、喋り方もアメリカンになる。 Oh, amazing! This is soooo nice! とか言いながら観る。(楽しい。)


メンバーがそれぞれの葛藤と出会う場面があるのもすごく良くできている。ガチガチのクリスチャンとゲイ…とか、白人警察官と黒人…とか、家族にカムアウトできていないゲイ…とか。その辺の緊張感が番組の中で少し和らぐことが、いまアメリカで、または世界中で起きているよしなしごとを、ほんの少し和らげる力があるように思う。


でも違和感があるのは、fab5のフード担当メンバー・アントーニの提案するメニューたち。なんか中途半端すぎると思うのだ。"簡単な"とか"とてもシンプルな"とか言うんだけども、そのへんのバランスが、日本のアラサーOLにはわからんのだ。
ワカモーレを石の鉢で作ってみたり。(プラスチックのボウルで良くない?)アボカドとグレープフルーツのサラダ、以上、とか。(足りる?)グリル野菜でチーズフォンデュ、以上、とか。(足りなくない?)
その後人々は何を食べるのかが心配で心配で仕方がなくなってしまう。アメリカ人絶対ピザ頼んじゃうじゃろ(偏見)。
実際アメリカ人はパーティーではあまりものは食べなくて、飲み物ばっかり飲んでいる、らしい。それは嘘ではないと思うのだけれど、アントーニの伝えることはこれだけなのか、本当はもっと色々なメニューが変身する人たちには伝えられているんだろうか…だって「スーパーでの買い物の仕方を教えるよ!」とか「家族みんなで簡単だけど栄養のあるメニューを作ろうよ!」とか言ってるのに、いつも「1品」なんだもの…というのがそれがどうも気になってしまった。


まあでもわたしはFab5の中でアントーニが一番好きです、なぜなら顔が好みだからです!!!インスタをフォローしたぞ!!!!

タンドゥールのこと

誰に教えてもらったか忘れたが、カレー店「エリックサウス」が好きで、疲れて元気が出ないときや風邪を引きそうなときや単純にカレーを食べたいときに東京駅または永田町駅直結のお店(とはいえ永田町からはまあまあ歩く)に行っていた。どちらも通勤経路にあったので救われていた。

永らく夜の糖質を断っていた関係もあって、三種の野菜カレーとチキンティッカだけ、みたいな注文もよくしていたし、ほんとうに元気のないときはミールスを混ぜまぜして食べるとお米のパワーもあってエネルギーが充填されたような気持ちになった。ここにくればいつでもビリヤニが食べられるというのも、そんなに注文しないくせになぜか嬉しかった。

https://www.instagram.com/p/BKQV5UPgZte/

ありがたいカレーありがたい

(ちなみにその前はよもだそばのカレーで力を出していたのだがそれはまた別件である。)


エリックサウス好き好き、と思っていたある日、お店の経営者のTwitterアカウントがあることに気が付く。読んでいると、あの「サイゼリヤをコースで楽しむ」人だった。

 

 

最近は松屋の記事でバズっていたイナダシュンスケさん。もともと東海地域に縁のある人でもあるとわかった。そしてエリックサウスは名古屋駅にも出店していたのだ。福音だ!と思った。


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(名古屋のエリックサウスにはバーフバリを観に行く前の景気づけで訪問した。)(ちなみによもだそばも名古屋駅に出店しているので、いずれも私の心の健康に一役買っている。)

 


やっと本題に入ります。


ミヤコ地下街の「タンドゥール」というカレー店を、さきほどの氏のツイートで知った。


即メモした。


名古屋の中心は地下街が必要以上ではないかと思うほどに発達していて、ミヤコ地下街はそのうちの1つである。名古屋駅直結なのだが、どういう経緯なのか、割合シャッターが閉まっているお店が多いエリア。ちょっと駅から離れすぎているからなのかもしれない。

その中で、ひとり気を吐く「タンドゥール」。店に入らずともずっと昔からやっていることはわかる、しかしいわゆる本格的なインドカレーなのかどうなのかはよく分からない。 メニューがカレーとライスしかない。そしてラッシーとチャイアンドビスケット、あと、アイスクリーム。つまり、ご飯はカレーしかない。あ、あと、野菜サラダがあった。
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何度か前を通ったがカレーの気分ではなかったり、すでにお腹がいっぱいだったりで 入ったことがなかった。今日のお昼、ちょっと寒かったので「今こそ地下街でカレー!」と思い立って入ってみた。
コの字型のカウンターの中にいるお店の方。おばさまとおばあさま、という感じのお二人で、実質はおばさまがお一人で回しているようだ。「カレーは甘口辛口中辛です」と言われ、中辛で と答えると一瞬でカレーが出てくる。 もうカレーは出来上がっているのだ(!)。 ソースポットに溢れんばかりの量のルーが供されてその後、銀の大きなお皿にご飯をいっぱい載せてくれる。
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後から来たお客さんが、ご飯半分で、という風に注文していたが、私もそうすればよかった。個人的にはちょっとご飯が多かった。でも めちゃめちゃ白飯が食べたいという気分の時には逆に良いかもしれないし、男性には自動的に多く盛っているような様子だった。

 


おばさまの言葉遣いが可愛い。

「はい中辛ね☆」「ありがとう☆」「わたしスプーンお出ししたかしら☆」「ご飯足りなかったら言うてくださいね☆」 全て語尾に星がついているように聞こえる。淡々としているのにキュンとさせてくる。ずっとやっているから自動的にそんな声になるんだと思う。

 


カレーはみじん切りの玉ねぎがぎゅうぎゅうになった、ちょっと思い出してみると新川「デリー」のコルマカレーの仲間のような、それとも昔地元にあった「いんでいら」のカレーのようなイメージ。でも玉ねぎは全部トロトロではなくて、すこしシャクシャクとした感もある。そこに鶏肉がポロポロ入っている。鶏肉は、だしのような感じで、メインはあくまでも玉ねぎとそれに絡んでいるスパイスである。チキンカレーの鶏がトロトロした感じとかブリっとした感じとかはない。

だけど、美味しい。温まる。すごい提供スピード。追加で丁寧ながら淡々としたホスピタリティによるムードの良さ。なるほどこれはひとつの文化のようなものだなぁと思う。


調子に乗ってチャイとビスケットも頼んでみた。チャイはおばさまがゴリゴリとすり鉢でスパイスを潰してくださって、きっちり煮出して できたてを飲ませてくださる。カレーのスピード感を見ていたので、まさかイチからきっちり作るものとは思わず、お忙しい時間に頼んでしまって失敗したなという気持ちになったが、ロータスのキャラメルビスケットをしょびしょびにさせながらとっても良い香りのチャイを、しかもすごい量飲ませてもらって、 大満足だった。
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さて果たしてこれはインドカレーなんだろうか。その辺の知識が弱いのでよくわからないけれど、イナダ氏曰く、こういったタイプのカレーがかつての名古屋にはいくつか存在しており今はなくなってしまったというのだから、またおもしろい。

私がちんたらチャイを飲んでいる間にも、何かの合間に立ち寄る女性一人やら男性一人やらカップルやらがたくさん入ってきては食べ出ていって、きっと暫くはなくならないだろうなあ、そしてなくならないでほしいし、なるべく頑張っていただきたいと、少し祈るような気持ちになってしまった。
日常性のあるカレーっていいなと思う。きっとまた行ってしまう。風邪を引きそうな時には辛口を普通盛りのご飯で食べてしまうと思う。