韓国の風のこと


韓国の短編小説を3つ読んだ。
『モーメント・アーケード』

白い船

『ニューヨーク製菓店』

韓国文学が流行ってますよねとフワッといいがちだけど、韓国文学と一言で言っても、この3作はSFと90年代の小説と自伝小説とバラバラなのでなにもまとまった感想にならない。日本の作家の本を一言でまとめられないのと同じこと。
読んだきっかけは大学の先輩が『モーメント・アーケード』の訳者として翻訳家デビューしたというのをツイッターで見たがゆえ。1冊買うなら他の本も読んでみようと思って買ってみた。
大学の先輩といっても学生時代にはお話したことも(おそらく)なく、卒業後にもお目にかかったのは1度か2度で、正確な関係性は「ずっとツイッターとインスタで眺めている憧れの人」…要はフォローしてる人。多方面でご活躍だなぁ、最近は韓国にハマってらっしゃるなぁと思っていたらついに翻訳家になられて驚いた。
『モーメント・アーケード』は短い中に苦しさも驚きも切なさも、最後に希望もあるSFだった。こういう未来がすぐに来てしまいそうで、頭の中にその景色が見えた。
他の2作品は韓国の歴史や文化に詳しいとより"見えてくる"のだろうな、と思いながら読んだ。先日お目にかかった文芸ユニットるるるるん*1のクララさんは海外文学がお好きで、本を読みながら「この○○って何?」「この時代ってどんな状況?」とめちゃくちゃ調べてしまうので読むのに時間がかかる、遅読なのだと話していた。それは遅読ではなく真面目読だ…と感嘆し、見習わなくてはと思ったのだが、同じ状況に陥っても「コンボパンってどんなだろね〜」と流してしまう怠惰な読者のまま読んでしまった。*2


もうひとつ韓国の風が身近に吹いた。韓国コスメをもらったのだ。
すっかり化粧から遠ざかり、たまに出かける際も1年以上前に買った雑誌の付録のアイシャドウ*3を使っている酷い状況を察知したのか、姪たち(18歳と15歳)が誕生日プレゼントとして贈ってくれた。パッケージがかわいい。
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4色入った色もそれぞれかわいくて早速使ってみる。「わ〜、どうやって組み合わせるのが正解なんだろう?」と思ってFORENCOS公式サイトを調べたらなんとそこには「1日1色」と記載が…
そういえば37歳おばさん聞いたことあります、今どきの若い子はアイメイクでグラデーションしないらしい、まぶたのキワを濃い色で締めたりしないらしいって。でもパレットで発売してるから組合せて使うんだと思っちゃったよ。今日はこの色、ってそれだけ塗るのね、勉強になったよ。
こちらからエチュードハウスのリップグロスを香港土産として姪たちに買い与えていたのはいつの日か、完全に教えてもらう立場になったことを理解して胸が熱くなった。
それぞれ塗ってみて、勇気を出してアイラインを引かず、まつげはしっかりめに上げて1日過ごしてみた。見慣れると顔がすこし今っぽい、目の上キラキラおばさんデビューの日であった。

 

*1: id:lulululunlulululun

*2:これを書くのにさすがに調べたら、コンボパンはメロンパンに似た食べ物のようだ。おいしそう。

*3:でもこれが、おまけとは思えぬクオリティでして…