これしかなかったこと

自分の上がり下がり問題、元気なときとそうでないときの差が激しいという問題。

元気なときはものすごく偉そうなことを言う。「会社勤めってすごくいい暇つぶしだよね。知ってる人と話もできるし、なんかやることやってたら時間過ぎてくし…それにお金ももらえる!」

そうでないときはもう全然だめになる。「会社やめたい…。というより働くことをやめたい…。起きたくない…。こんなことで休んでいる私の価値は無…。でも金がほしい…金…」くらい言う。

前者の日は10%、中間の日が30%、後者の日が50%くらいでやっている気がする。*1 そんなでもないかな…後者の日のインパクトが強すぎて、いつもどんよりしているような気がする。

 

そんな中でやっと、『ぼくにはこれしかなかった。』を読んだ。

ぼくにはこれしかなかった。

ぼくにはこれしかなかった。

  • 作者:早坂大輔
  • 発売日: 2021/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

サラリーマンと起業での失敗を経て、盛岡で本屋を興した人のストーリー。本当の話で、書いているその人の、今の話だ。
淡々とした語り口なのに内容はドラマチックで、ふんわりとかわいらしい表紙で想像していたよりも、濃厚な本だった。巻末の50冊紹介はまだ読みきってない。

読みながら、若い人に語りかけるような文章にしたのはどうしてなんだろうとすこし思ったが、これがあるから「自分はこうだっただけで、このやり方を押し付けるわけではありませんよ」というスタンスが保てるのかな。ともすれば「いいだろ?この生き方。どや?」となりがちなジャンルの本なのだけど、決してお前も独立しろと言ってこないのが良かった。いや、前半はそのオーラを感じてイラッともしたのだが、最終『ぼくにはこれしかなかった。』のタイトル通りだったのかもな、と思えた。帯に、「就職するだけが人生ではない。」と入っているのも、そこの塩梅をみているようだった。

こちとら、就職して生きることは悪いことじゃないと、やっと思えるようになったから、そこを否定されたくない気持ちがあるのだ。

「これしかなかった」と言って特殊なフィールドで働いている人が羨ましい気持ちは大いにある。相手からしたら普通(?)に会社勤めしていることは「ようやるなあ」という対象なのかもしれない。
とはいえこちらもなんでも選べる立場というわけではなくて、なんとなく面白みを感じられそうなことに近付いてどうにか就職し、好条件を求めて転職し、また転職し、新卒から10年を過ぎてやっと仕事を面白く感じるときもある状態になれたのだ。
ある種こちらはこちらで「これしかなかった」のかもしれない。とりあえず今はこれしかない。
勤め先をなんとか良くしていくしか、世の中に貢献したり認めてもらったりする方法がない。あとお金がほしい。とりあえず今は、の繰り返しで、ずっといるのかもしれない情けなさはあるが、今はこれしかない。

 

とかなんとか言って、この本の中に出てきたアメリカでの買付旅行がめちゃくちゃ羨ましかった。
いいな〜〜〜わたしも海外でおもちゃ買付しまくって自分の店で売りたいな〜〜〜〜〜いいないいな〜〜!ってなった。旅行で行く海外も楽しいけど、仕事で行く海外ってもっと面白いよな。
いいな〜〜〜!

 

 

 

*1:100%になってない