不要な懸念のこと


いま、いちばん自分自身と関係のない、考えても仕方のない懸念事項がある。

それは、古賀さんの息子が反抗期になったらどうしよう、ということだ。

古賀さんというのは知人でもない、デイリーポータルZの編集部の古賀さんだ。心の底から尊敬しているブロガーでもある。誰のブログが面白い?と訊かれたら 古賀さんのブログ をオススメする。古賀さんのすごさは言葉では表せない、でも書いている言葉がすごいのだ。毎日のことを淡々と書いているだけなのに、それが独特にみずみずしいからつるつる読めて、笑えて、ふいにぐっとくる。デイリーはずっと読んでいてべつやくさんも乙幡さんも本当に素敵でい続けているけど、いま、わたしにとって1番輝いて見えるのは古賀さんだ。

その古賀さんは小学1年生のお嬢さんと中学1年生の息子さんと三人で住んでいる。お二人とも素直に、古賀さんらしさを存分に蓄えながらもすくすく成長されている。
でも、先日のブログを読んでいて冒頭の不安が急に胸に訪れた。息子さんの反抗期…。心の底から無意味なのだけど、あと1年か2年、時が経って「マジ親ウザイ、妹も、喋りかけてくんなよ」みたいになったらどうしよう。ご飯は、ゲームは、宿題は、部活は…なにも話してくれなくなったらどうしよう。どうしようもないし、ああ、今の朗らかな日々がずっと続いてほしい。古賀さんはきっとその辺りも成長の過程か、1日のうちの一瞬としてサラッと書いてくれるのかもしれない、でもさみしい。リアリティショーではなく、リアルだから、そんな望みは叶わないだろう、生活はじっくりと変わっていくのだろうと、わかってはいるのだけど。

 


古賀さんが日記を本(同人誌)にして販売していることと関係していると思うのだが、デイリーポータルZのウェブマスター林さんと、営業部長の安藤さんの日記も本になった。

買った。読んだ。
面白かった。

それと、お二人共めちゃめちゃ働いてるな…と頭が下がった。

まず安藤さんが広告記事の営業をされているということも知らなかったし、そもそも記事広告というものの内実を全然知らなかったからまったくもって勉強になった。そのお仕事に加えていろんなライターさんの編集もしてて体も鍛えてて家族もいて…この人すごいな…と尊敬が高まった。
林さんはやっぱり、企画する、書く、撮る、編集するなどなどの「作ること」に特化した脳になってるんだな、と思った。常になにか(ボツでも)に引っかかりを見つけていて、それをどう見せたら面白いかの考察が頭の中ですごいスピードで繰り返されてる。そして実行もスピード感がすごい。こういう脳って鍛えれば鍛えるほどそうなると思う、やってなくて真逆にいる自分を認識してるからわかる。最近まったく頭がそういうように働かない。かなしい。
合間に入ってくるウェブマスターとしての会社への説明や売上予算についての話が生々しくてまた良い。最近のデイリーにバナーや謎の広告がばんばん入ってる理由がよくわかるから、この人のためにバナーをたまには踏もう…という気持ちになった。広告を踏む気にさせる、すごい広告効果のある本だった。

ちなみに先日、飲み屋さんでこの本を読みながらビールを飲んでいたら隣の人に「何を読んでるんですか」と声をかけられた *1 。なんて言っていいかわからなくて「…デイリーポータルZというウェブサイトを知っていますか…?」と返したら「知りません」。「あ、そういうウェブサイトがあって…」と説明しながら、(ああ、こういう若くておしゃれな人に知られていないんだから、デイリーはやっぱりまだマイナーカルチャーなんだな…)と痛感した。広告営業もバズらせも頑張ってくださいと改めて思った。
あの人はオモコロだったら知ってたのかな………しゅん…

 

 

*1:そういうディスタンスのダメな飲み屋に結局行ってしまっている近況