サーフィンのこと


運動はからきしダメだけれど、小さい頃からスイミングスクールに通わせてもらったおかげで泳ぐことだけはなんとかなる。速かったり上手かったりはしないけど、なんとかなる。お風呂は嫌いだけど水中で遊ぶのは好き。お風呂と同じくらいプールに行くまでに逡巡してしまうのは、たぶん着替えが嫌いだからだと思う。

 

水中が好きなので川も海も楽しい。

 

高校を卒業して、海の近そうな名前の大学に合格した。 これはと思って、家族に「大学ではサーフィンをやります」と言ったら、もともとサーフィンをやっていた兄が喜んでラッシュガードをプレゼントしてくれた。
わーいと喜んで入学してみたら、海は全然遠かったし、一応あったサーフィンサークルの活動にもついていけなさそうで、尻込みして見学にも行かないままやめてしまった。ラッシュガードは仕舞ったまま。GREEmixiと"メッセ"に明け暮れるめちゃめちゃインドアな大学生活を過ごしてしまった。在学中、最寄りの海に行ったのは一度だけだった。


サーフィンとか登山とかカヤックとか、自然のなかで楽しむスポーツに憧れる。彼らは朝早い。健康的。ピースフル。仲間。笑顔。ハワイ。完全にイメージだけど、昼夜逆転しながらずっとTwitterを見ている暮らしより圧倒的に陽のエネルギーがある。眩しい眩しい体力の輝き。


そんなことを思ったり忘れたりしているうちに10年以上経ち、名古屋に引越してきた。
半年くらい経ったところで、仕事でとあるサーフブランドの方とお会いした。電話でのアポのあとサッと現れた彼は柄シャツにキャップをかぶりハーフパンツでにこにこと、商品のお話しをしてくださった。カタログには想像した通りのサーファーの素敵な姿。
それで「あ、サーフィンしたいんだった!」とやっと思い出した。

繁忙を乗り越えた8月末、意を決してスクールの申込みをした。
したのだが、寝坊して、名古屋駅に7時という集合時刻に間に合わず、キャンセル。
あーあ…と思っているうちに夏は終わり、ボーっとしているうちに1年経ってしまった。


数日前、美容室に行ったら久しぶりに会った美容師さんが日焼けしていた。近況報告しながら「なんかちょっと印象変わりましたね?」と訊いたら「わたし最近サーフィンしてるんですよ。先月じつはハワイにも行って…」とのこと。
なんということだ、こんなところにサーフィンしている人が…!しかもうまくなるためにダイエットと筋トレまでやっているらしい。
内心ドキドキしながら「えっ、良いですね、サーフィンやってみたいんですよ」と軽く伝えたら、「女性のプロサーファーがインストラクターでほぼマンツーマンで教えてくれてめっちゃ良いんですよ!楽しいですよ〜!やりましょうよ〜!」と、関係ないのに怒涛の営業トーク。あれこれ教えてくれた最後に「朝のコースと午後のコースがあるんですよ。午後のコースなら昼前におうち出れば大丈夫ですよ」

昼からのコース…!

「行きたいです、その人教えてください!」
というわけで教えてもらって即予約して、今日が記念すべき人生初サーフィン!!!

 

 

という予定だったのだが、天候悪く波も悪いそうで、先生からわざわざ連絡があり、キャンセルに。洋服の下に水着を着たまま、名古屋の街をうろうろする。

いつから始められるのかなー、サーフィン。


f:id:l11alcilco:20190828134737j:image(最近撮ったいちばん海っぽい写真)