波と鼻のこと

 

サーフィンの先生がGoProで撮った動画を送ってくださった。すごいなGoPro。もう疲れて切って立ち上がれないシーンしか映ってなかったので、自分のことよりもGoProの画質に感心した。
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昨日を振り返ると、海の水の動き、つまり波がほんとうに不思議で、サーフィンは登山以上に自然を相手にしたスポーツなのだなぁと感心した。波は、海の水がどういうわけだかふくらんで、山のようになって岸の方に進み、そのあとさらに少し進んでまた小山をつくり、砕けて白くなる(ように見えた)。水の量は常にバラバラで、タイミングも常にバラバラだ。沖でプカプカしているといつの間にか体の向きが変わっていたりもして、なにもしていないのに大量の水が常にうごめいていることがわかる。
水、いつもは管の中を通ってきたものにしか触れていないから、こんなに不思議さを体感したことがなかった。海水浴に行っても、潜って魚を見つけたりするので忙しいか、もう白く砕けた波自体と遊んでいたかで、この表面や波のできる様をじっと眺めて味わったことがなかった。

さらに不思議なのが乗る波を選ぶということで、こちらも全く理解が進まなかった。波はいくらでも来る。でも、みんなどうやらちょうどいい波を待っている。プカプカ浮いて、海のほうを見ている。そのうち「あ」みたいな顔をして陸のほうに向き直し、波に乗ろうとする。なんなんだその「これだ」の判断基準は。大きければいいというものでもないらしい。そのへんの機微がわかるにはどれくらいのチャレンジが必要なんだろう。未知の世界。

そして、サーフィンに失敗するとガボガボと水没することになるのだけど、わけわからず水に入ると鼻水がめっちゃ出るということを久しぶりに思い出した。終始ズビズビと啜っていて気持ち悪く、サーフィンは波の前に鼻との戦いなのでは…とすら思った。ボードの上で鼻をかみまくっていたら鼻の下が切れていた。マスクの時代で良かった。