京都へいったこと

 

家から1時間で京都だ。実家にいた頃の、家から1時間で湘南だ、というようなことを思うと、なんだかすごいことが起きているように思う。すべては新幹線とEX-ICカードのおかげである。


名古屋駅に向かう道すがらに最短の新幹線を予約して、普通の電車の乗り換えみたいに改札をピッとしたらもう新幹線。小田急線の快速急行に揺られるようにボーッとしていると、もう京都。
費用は小田急線のそれとは大分違うけれど、新幹線の気軽化を推し進めたJRのこの仕組みは偉大だ。そして、名古屋という中間地点の良さを知る。
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京都駅に降りたら、なんとなく出汁の香りがした…ような気がした。
名古屋駅に降りたら味噌の香りがするだろうか!いやしない!さすが京都、出汁の香りをさせるだなんて、なんたる情緒…
と思いながら歩を進め、京都に住んでいる友人と落ち合った。


祇園の花見小路という石畳の情緒溢れるエリアの洋菓子店『ぎをんさかい』でお茶をした。山椒を使ったケーキをいただいてお互いの近況を話し合い、楽しく過ごした。
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そのあとは先斗町通りをウロウロして、夜来たら楽しそうだと妄想に励んだ。

この時期の京都鴨川沿いにはもう川床が出ていて、それはそれは清々しい。時間が中途半端で川床のあるお店には入れなかったのだけど、その代わりに、鴨川の河原に座ってビールを飲んだ。まだ湿っけがなくて爽やかな風が吹いている。気持ちいいねえと言いながらまた喋ったり黙ったりの良い時間を過ごして、わたしはバスで京都駅まで戻った。

 

 

はあ、京都は自然が多くていいなあ、鴨川はいいなあ、お友達と話すのはいいなあ、また来たいなあ…そうだわ、夜ごはん用になにか自分にお土産を買って帰りましょう、そうしましょう、と思って駅のお土産店を見て回る。


そこで気がついた。
駅に降り立って感じた素敵な香りのもとは、

蓬莱の豚まんだったのだ。

 

 

そうかそうか、そういうことだったのかと思いながらも、豚まんは行列ができていたので買わなかった。生湯葉と原了郭の袋麺を買って、すぐ新幹線に乗ってしまった。蓬莱の豚まんは大好きだけど、この日の爽やかな気分を、自分で崩したくなかったのだった。