リアルのこと

6月1日の河口湖への旅行は「リアル味わい月間」の始まりだった。


星のや富士に泊まって、あらゆる物の準備に感心しきった。アメニティしかり、紙類しかり、食べ物しかり、すべてがこの空間を代弁していた。
f:id:l11alcilco:20220625010643j:image
でもなんというか、星野リゾートたるもの(もしくはリゾートホテルたるもの)、こういうクオリティだろうなという想像の中にあったので、そこまで大きな衝撃はなかった。


それよりも胸に響いたのはほうとう屋「ほうとう不動」だった。 古くて大きなお屋敷を改装して作ってあるお店で、半分は小上がりの座敷になっている。歴史あるお店のようで、立派にどっしりしていながら、架空の"田舎のおばあちゃん家"みたいな懐かしさもある。でも、全く雑然とはしていないのだ。高い高い天井の梁からはライトが下ろされて、そこにはきっちりロゴが入っている。ほうとうの鍋を置くための鍋敷きも、お箸も、きっちりとロゴ。
f:id:l11alcilco:20220625010619j:image
お水を注ぐためのヤカンは、いわゆるよくある金色のヤカンがそれぞれの机に置かれるのだけど、無造作ではなくそれが適して見える。大きな木のおたまのようなお匙も同様。ここは、めちゃくちゃちゃんとデザインされているな…と慄きながらほうとうを食べたのだった(おいしかった)。 調べたら2010年にいろいろと手を入れたようだった。素晴らしい仕事だな。 https://sun-ad.co.jp/works/houtou-fudou

 

そして6月17-18日は東京に帰り、初日はおもちゃショーへ行き、二日目はgommのピクニックがあった。

おもちゃショーは4年ぶり。古巣への挨拶が50%、最近の情勢把握が50%の気持ちで行ったが、情勢は「すみっコぐらしが無双状態」ということがわかったくらいで、あとは4年前と大して変わらないように感じた。ヒットした版権に乗り遅れないことがなによりも大切な業界。いつまでやるか、その見極めがつらいのだ。
f:id:l11alcilco:20220625010552j:image
(写真は本文とは全然関係ないショコラウサギ様とのツーショ)

面白かったのは2大メーカーの人の入れ方の差であった。B社は例年通りのブース作りで、例年通り変なところで人が滞留し、両サイドからマイクとBGMで音がするから何を聞いたらいいかわからない状態になる、よく言えばお祭り感がある。T社はブースの前に行列を作らせて中に入れる人数を管理していた。中は割と静かで、人数が少ないから一つ一つのものをじっくり見ようという気にさせる。行列があるから外からは賑わって見え、中はゆったりという、理想的な見せ方のように感じた。

 

gommのピクニックはわれわれが価値提供者なのだが、とりあえずリアルに寄り集まって青空と緑の下で喋るという状況が大変久しぶりであるため、それだけで価値が出てしまったように感じる。リアルピクニックは3年ぶりなのだ。
いやしかしご用意いただいたプリンはとても美味しかったし、ア・ラ・モードを作る体験も楽しかったし、はじめましての方もお久しぶりの方もみんなで和やかにお話されている様子がすごく沁みたし、「プリントTでプリンとティー」という素晴らしいダジャレのお陰でみんなの素敵なTシャツも見られて良かった。結果、開催したことは良かった。
f:id:l11alcilco:20220625010540j:image
ここでオンラインは所詮オンラインなのだということをつくづく感じた。結局いろいろな人が一つところに集まって話すとき、話題は分散していくものなのだ。オンラインでは何百人もがその場にいたとしても結局1つの話題しか共有できない。授業なんかはそれでいいけど、やはりレクリエーションとしては不足なのだ。10人が1つの話をしているときもあれば、その中の2人と3人と4人に分かれて話しているときもあるのがリアル。残りの一人はお茶を飲んでボーッとしている。やっぱりそれが良い。

 

最後に小沢健二のコンサート。
これもまたすごい場の作り方ではあった、衣装の効果がとても強かった、が、うーん、もう眠いので前回のpostに譲る。

 

そういった今月浴びたリアルの諸々を、頭の中に置いて仕事をすると痺れるものがあるのだ。適当にごまかしてばかりの、小手先対応は何も産まないとしみじみ感じる。ちゃんとしたものを、こだわったものを、愛情をかけないといけない。しかし愛情には体力が要り、この急激に暑くなる最中、まったくもってそのマインドに体力が追い付かない日々なのであった。

 

 

 

- - - - -

zineを売ってます!

楽しいピクニックの写真溢れるzine🌼

手書きで旅行の記録を描いてるzine🐘

よろしくどうぞ。