ロボ鑑賞会のこと


お誘いいただいて、東京藝大美術館で開催中の『あるがままのアート -人知れず表現する者たち-』を観た。

ロボで!

展示はEテレで放送している『no art, no life』というドキュメンタリー番組で紹介されている作家の作品を集めたもの。作家…と言っても、副題にあるとおりで人知れず表現する者たちなわけで、たぶん、これで食べているというわけではないのかもしれないな。でも、作ることをせずにはいられない人たちの作品が集まっている。
日頃ボーッとEテレをつけっぱなしにしていることが多いので、この番組もちらほら観ていて、面白いな〜と思っていたから近くで作品を見られる機会のお誘いは嬉しかった。

しかもロボで!

え、ロボて?ってなると思うんですけど、こういうのでした。(展覧会ウェブページのスクリーンショットです)
f:id:l11alcilco:20200809225342j:image
お〜、これ、ヘウレーカで又吉先生も使ってた!蔦屋書店が緊急事態宣言中に接客ツールにしたよって、ニュースで見たやつ!( これ )
全く同じ機械なのかは正直わからないのですが、とにかくタブレット的なものに足がついていて自走できるマシーンで、ウェブ越しに展覧会を見れちゃうよという試み。

未来!

5人一組(1マシン)になって、展覧会の会場内をウロウロ…もちろんこの5人はみんなバラバラの空間にいて、オンラインでつながって同じ視野を共有しているだけ。PCでマシンの行き先や上を向いたり下を向いたり操作できる。操作は5人のうち一人だけが担当するのだけど、いつでもバトンタッチできる。お互い音声でも繋がっているので「これキレイね〜」「次はあれ見に行こう」とかワイワイ話しながら鑑賞できる。

未来〜!

で、果たしてどれくらい見えるのかというと、結構よく見える!まあ、ZOOMと同じような感じで見える。でも、明らかに質感のわかりやすいもの(立体作品とか、油彩とか)以外は、ちょっと感じる幅が少ない。小さかったり色の薄い作品は、どのくらい小さいのかとか、繊細さがやっぱりわかりづらくて、味わいきれなかった感じもした。作品の置かれたケースに張り付いて凝視したいな〜と。あと、些末なことだけどキャプションが読めなかったりもした。このへんは今後の世の中の5G化に期待だし、大きなサイズの油彩だけの展示なら全然アリという話でもある。
f:id:l11alcilco:20200809225404j:image

面白かったのは会場に普通のお客さんもいること!じーっと展示を観てる人がいるから、ふつうに通りたいところを通れなかったり、見たいものの前が埋まってたりするのが"展覧会あるある"というか、リアルな展覧会を観てるんだなという気になった。閉館後にロボで好きなように観られるよっていうのも贅沢かもしれないけど、そうじゃなく、ロボ鑑賞者も生の鑑賞者も共存してるのが面白かった。行った感あった。
f:id:l11alcilco:20200809225430j:image

それともう1つは、新しいガジェットをみんなで使ってる感が面白かった。そもそもサイトにログインできなかったり(私。制限時間あるのに、30分ほどロスしました)、ロボの操作方法が上手だったりイマイチだったりして、わちゃわちゃしたのも味のうちという感じがした。一人だったらマゴマゴしてイライラして終わっていたかも。みんなで励まし合いながら展示会場をやっと一周できました。こういうのはもっと一般的になっていくにつれて消えてしまうものなんだろうけど、いま体験できてよかったな。たまに接続が悪くなってしまって、会場でわれわれを見守ってくれる係の方に再起動をかけてもらったりもするのだけど、それもまた今のロボならではの仕草という感じがした。
なお、マシーン再起動後にこの係の人がめちゃくちゃ優しい眼差しで画面に向かって手を振ってくれるので、ちょっと好きになってしまいそうでした。お世話になりました。


総じて楽しかった、ロボ鑑賞会でした。展示内容も面白かったし。お誘いありがとうございました!
まだぎりぎり予約できる枠があるみたいなので、気になる方は是非。


f:id:l11alcilco:20200809225317j:image
(ジャギったときの画面スクショ)