ドバイのこと

こんど旅行でドバイに行く。
よくよく考えたら一週間も休みをとるならドバイじゃなくてあこがれのモロッコまで足を延ばしても良かったのではないかと今更思っているけれど、まあ、ドバイに行く。モロッコにはまた今度行こう。
ドバイはなにしろ飛行機が良いのだ。東京ードバイ便は、深夜に出て翌朝着くエミレーツ航空のフライトがあり、それに乗りたい。エミレーツ自体乗ったことがないのでとても楽しみだし、JALと提携しているのでかつて貯め込んだマイレージを使える。
特にわたしは深夜に出て朝着く飛行機の、効率が良いっぽい動きが大好きなのだ。でも飛行機の中で寝るのが年々しんどくなってきていて、朝着いたところで元気なわけではない。どうしたいんだ。でも、まあ乗る。

 

ドバイの観光ガイドを買おうとして本屋に行ったら、全然種類がなくてがっかりした。
ドバイはみんなの経由地として半日滞在して充分ということもあるようだが、それにしても流行っていない。台湾と韓国とハワイでひと棚ずつくらい占めている書店の旅行本コーナー。のこりの棚に押し込められ、かつ国名でのしばりもない、中東でまとめられたの中のドバイ、1冊だけ、とか。そんなにマイナーだったのか。 私だってハワイに行きたいよ、と何故か落ち込む。ドバイを選んだのは自分だ。

ガイドブックらしいガイドブックはやはり便利なので持っておきたいのだが、同時にもう少しふんわりした「気分盛り上げ系書籍」も読みたいのが海外旅行のいつものパターンだ。
雑誌の特集号や、かわいいお店巡りみたいなライトな紀行本、もしくはその土地が舞台になった小説も良い。 何軒か本屋をうろうろしても「紀行」に当てはまるものがなく、諦めかけたときにやっとこの本を見つけて買った。

ようこそアラブへ

ようこそアラブへ

 

これがとても面白い本で、一気に読んでしまった。
UAE(ドバイを含むアラブ首長国連邦)人の男性と結婚されて、5人のお子様を現地で育てながら、UAEと日本の文化交流センターを設立されたという著者のエッセイ。
小中高校の様子、結婚式、病院、主婦の時間の使い方、夏の暑さ(50℃くらい余裕でなるらしい)、貧富の差…いろいろな出来事がきっちりとした注釈と共に描かれていてとても興味深く新鮮だった。 イスラム教の考え方については前にも本を読んだことがあったけど、想像以上に理にかなっているうえに、自由で面白い。ガリゴリの男女平等とか悪しき年功序列とかとはまた違う世界観があって、女性は肌を見せないし男性と同じ車に乗らないし、年寄りを敬う。そこに「はーい、グローバリゼーションだよー!」って来られると整合性がつかなくて困ることもあるだろうなと思う。
最近読んだ

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

My Little New York Times

 ようこそアラブへ

この三冊は地球のそれぞれ別なエリアで別の考え方があって、別々に悩みも喜びもあることをそれぞれに教えてくれた。偶然ながらよいセレクションだったな。せめてこういうものを読むくらいして、頭の中にだけでもダイバーシティを持っていられたらいいなと思ったりする。

 

本も読み終わり、いまはグーグルマップに行きたい場所のピンを打ったり(この作業が異様に好き)、レストランの予約をしたり、ブルジュ・ハリファの展望台の値段に目玉を飛び出させたりしている(飛び出したまま予約した)。
インスタグラムで #ドバイ旅行 を見ていると胸元を強調したガールズの自撮りが沢山出てきて面白い。さっきまでのムスリムへの敬意が消えていきそうな巨乳。世俗にまみれチャラついた旅行になりそうで楽しみだ。もうあと2週間、盛り上がってまいりました。