宇宙のこと


その存在を知ってから半年以上、いつか行こう行こうと思っていた地場チェーン店『長命うどん』に行ってきました。
地元に愛されるクイックなうどん屋さんのようなのですが、うどんとそばを1つの丼に盛って「うそ」と呼んだり、うどんと中華そばを盛って「う中」と呼んだりする…というなんともトンチキな…いえ、魅力的なメニューがあると。
どうしてそうなった。
でも、絶対食べたいじゃん、そんなの!!
と思って遂に行ってきました。死ぬほど暑いけど、温かいうちゅうを食べるぞ。


お店に入ってドキドキしながら
「う…うちゅう、小盛り、かき揚げ」と言うと
「小宇宙、かき揚げ〜」とコールが入って、
「うおー小宇宙って言った〜!」と思ってソワソワしていると、
これが出てきます。
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うどんは、細め。ふにゃふにゃかと思ったらそうでもなく、つるつる。
中華そばは、まっすぐで黄色い。こちらもつるつる。
おつゆは、立ち食い蕎麦ぽい、かつお節や昆布の和のお出汁に醤油みりんの感じ。
かき揚げは小海老がいっぱい。
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写真だともやしみたいに見えるのが「う」。


麺をそれぞれで食べても、混ぜて口に入れても、どっちでも楽しい。おつゆがアッサリしてるけど、中華そばとかき揚げのコクでなんつーか海の家のような気持ちに。あー、おもしろいー。


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メニューをよく見ると、きしめんも冷麦もそうめんもあって、どれでも組合せできるらしい。つまり…そうめん中華の「そうちゅう」とか、そばときしめんの「そきし」とか、なんならトリプルの「うそきし」とかもできちゃうのか。
すごく…やりたい!
でも「うちゅう」の名前が良すぎて、なかなか他をチャレンジできそうにない…
久々に食べ物でこんなに楽しい気持ちになりました。620円。


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妄想の休みのこと


休前日は蕪と柑橘類のサラダ、ズッキーニのグリルを食べて、冷えた白ワインを飲みます。

休みの日はちょっとゆっくり起きて、ブランチにハムエッグと、コショウをしっかり挽いた桃のカッペリーニを食べます。

洗濯と掃除をパパッとして、お風呂に入ったら浴衣に着替えてお化粧します。

出かけます。電車で豊田市美術館に行きます。道中は途中になってる文庫を読みます。美術館まではちょっと遠くてしんどいので頑張って歩きます。着いたら大好きなモンドリアンの展示をゆっくり観て、心躍らせます。カフェで季節のパフェを食べます。景色を眺めながらお茶を飲んで、もう一回展示を観ます。

夕方、豊田市駅付近で行ってみたかったタイ料理の店・ミネマツヤシンハービールを飲みます。ラープなんかをつまみながらワインに切り替えて、生野菜の混ざったご飯を食べます。

ほろ酔いで名古屋市に帰ってきて、近所の好きな店でもう1杯だけワインを飲みます。

帰ってきてシャワーを浴び、洗濯物を畳んで浴衣を干して、寝ます。

 

っていう休みが過ごせたらいいなっていう妄想。

 

現実はこう。
休前日は「豪遊しよ」と思ってセブンイレブンのトマトサラダと茄子の揚げ浸し、あと唐揚げを買って、チューハイと唐揚げを歩きながら食べて帰ってきました。
帰宅して買ってきたものをそのまま食べてワインを飲みました。新商品のトマトのサラダ美味しかった。
寝て起きたら8時だったのでもう一回寝ました。ゴミ出しを忘れました。寝てたら仕事の電話が鳴って起こされ、はいホイと話をしてまた寝ました。ゴロゴロしながら、テレビをつけてみたら全部オリンピックなので困って、ウド鈴木の旅番組の傑作選を観ました。
寝たり起きたりツイッターを見たりしていると昼になり、昨日やった仕事でポカミスしていることに気付いたので謝りメール。冷凍ご飯に卵を入れて食べました。昨日の夜のチューハイが余っていて飲んでしまい、眠くなってまた寝ました。
起きて、夜何食べようかなとぼんやり思いながらこれを書いています。東京の感染者数がほぼ3千人とのことで、名古屋も外に出かけて食事してる場合じゃないだろうなと、すっかりハードルの下がったデリバリーサービスのアプリをだらだらと見ています。野菜摂らないとなー。

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このチューハイ美味しいです。

雑な暮しのこと


なんか知らんが*1ずっと忙しい感じがしていて、生活が生活になっていない。


2週間くらい前、そうめんチャンプルーがどうしても食べたくなった日があった。意気揚々と素麺ともやしと豚肉を買って帰ったのだが、部屋のショボショボ電磁調理器(IHではない)のスイッチを入れたらバンッ!と部屋じゅうの電気が切れた。ブレーカーが落ちたのだ。
こないだまでテレビを見ながらチキンラーメンを茹でたりしていたのに一体どうしたのかしら…と思いつつ、もう一回最低限の照明だけ点けて電磁調理器のスイッチを入れると、やっぱり落ちる。真っ暗闇の中で「あーだめか…」と呟いて調理を諦めた。豚肉ともやしは冷凍庫に入れた。
それ以来、ごく稀に微かに光っていた自炊する心が完全に閉ざされて、コンビニと宅配のみで凌ぐ日々。
どんどん低きに流れて、唯一生活らしいと思ってやっていた水出し茶の製造(?)すら停止してしまった。今朝、寝起きで100円玉を握りしめ、最寄りの自販機で缶コーヒーを買ったときに、これは個人的にやってはいけないラインを超えたな…と思った。

ブレーカーを直してほしいという管理会社への連絡は今日やっとした。


そんな日々、まさか運動など全然していないため*2身体のいろんな所が痛くなる。休みの今日は鍼に行こうと思った。鍼医に叱られるのが嫌で避けていたけど、もう背に腹は代えられない。
ところが、鍼医も休みなのだった。わかった、じゃぁ近所で鍼を打ってくれそうなところに行こう、となって、予約した。
茹だるような暑さの中、「整体も鍼もありますよ」の看板をくぐると、思っていたよりも病院めいた空間だった。問診票を書いて「これ読んどいてください」とファイルを渡される。痛みを根本から改善するには…みたいなことに続いて、特殊な整体法!とか、筋肉を鍛えるマシンが回数券で!とか、このサプリが効く!とか書いてあり、「あ…間違えたかな…?」と思う。
「肩こりで頭痛がしまして、鍼を打ってほしいです」というのがこちらの要望なのだが、全身の写真を撮られて身体の歪みを指摘されたり可動域を確認されたりシステムをいろいろと解説されたりするうちに、心の底から面倒くさくなり、「すいません…ちょっと時間がなくて…」と言って逃げてきてしまった。予約した時間から30分経っていた。
ごめん。
こんなことならいつもの鍼医に叱られておけばよかった。

 

 

*1:知っている

*2:したらいいと思う

疲れたこと


しんどいことが多くて、疲れた6月だった。
仕事でだ。
なんでか知らんが*1朝7時に出勤して22時に帰るみたいなことが起きるものの、それに対処する体力があるはずもなく、かつ、非常にフラストレーションの溜まる出来事がぼんぼん起きて、ほとほと参った。
一方で、今月は森道市場に遊びに来た東京の友人たちと1年以上ぶりに会って喋ることもできた(森道市場は行けなかったけど)し、名古屋に嫁に来た友人とも1年以上ぶりに会えたし、行くのを我慢していた近所の好きな飲み屋にもついに行って……要はコロナのために自粛してきたことを、一旦もういいや…と諦めたような1ヶ月でもあった。


今日は休みで、一日中寝てしまうこともできたのだけど、それはいかんと立ち上がって出かけることができた。
行きたいと思っていた鷲尾友公氏の個展が今日で最終日だったので、すべり込みで観に行った。
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作家本人が在廊していて、絵を直していた(最終日なのに)。
作品はどれも素敵だったのだけど、一番大きな絵はその仕事の量と完璧さに圧倒されて、ずっと見てしまった。
提供している価値*2と、その裏にあるものが通じていると、スッと気持ちに入ってくるよな、と思う。
だけど、世の中のアレコレも自分の勤め先のドレコレも、そこがちぐはぐな感じがしている。ひとりひとりの思いとか気持ちを無視して物事が進んでいる感じ。物事が進むには、誰かがそれを動かしているのだけど、その誰かが別な誰かを無視している。楽しい・嬉しいを提供したい気持ちがあるのに、その裏にしんどさがあるのは、その無視のせいではないか。そしてそれはどうも、違う気がしているのだが、何もできておらず歯がゆい。
そんなことを作品を見ながら考えてしまった。


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展示会場の近くのカフェでホットサンドを食べたらとっても美味しかった。カフェラテも最高。

r.gnavi.co.jp

 

*1:知っている

*2:この言い方が正しいかはわからない

カツ丼のこと


もしかしたらカツ丼が大好きかもしれない。
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思い返せば、トンカツが晩ごはんの翌朝はカツ丼を食べさせてもらえる家庭で育った。
朝からカツ丼なんて重いと思うかもしれないけど、ハムエッグみたいなもんですよ、とか言って嘘だ。ただ、カツがおつゆと卵に包まれてなんとなく優しくなっているし、そのおつゆがご飯にもやや染みているからご飯も柔らかい感じに(流動性を帯びて)いるから、食べられるんですよ。というか、出された朝ごはんは大概なんでも喜んで食べるようになったのですよ、いつからか。小学生の頃とか朝ごはんが全然進まなくてつらかったのに。

そして、未だに折に触れて食べたくなるんですよ、カツ丼。
特に連勤してたり忙しかったりで、心身がめげそうなときに食べたくなる。その度に近所のそば屋に駆け込んでみたり、コンビニでイートインしてみたり、『かつや』で松竹梅の梅を頼んでみたりして、欲求を満たしていたのだけれど、「このカツ丼を何度も食べたいな」と思うようなものには出会ったことがなかった。
それがね、出会ってしまったのです。

敬愛するイナダシュンスケさんの新刊『おいしいもので できている』を通勤路で読んでいた日。好きな食べ物、嫌いな食べ物、記憶に残る食べ物などなど、垂涎もののエピソードの中にカツ丼の話が出てきたのだった。あるお店で究極に美味しいカツ丼を食べたという、夢のようなお話に心奪われて、猛烈にその日はカツ丼が食べたくなった。
幸運なことにその日は半休で、飲食店がまだやっている時間に退勤していた。緊急事態宣言のために8時で閉まってしまうあの店この店から選び放題だ!いや、そんなに時間があるなら自分で作るか?しかしお米を炊くところからスタートしなくてはならないのでつらい。やっぱりお店で食べよう、どこに行くべきか…と逡巡していたら、Twitterのリプライがきた。


どんどん庵のカツ丼…!?

どんどん庵は東海地区うどんチェーン店で、調べてみるとサガミホールディングスが運営している。『味の民芸』も系列だ。
名古屋エリアを歩いているとチラホラ見かける。メインはうどん・そば・きしめんで、麺を頼んで茹でてもらっている横で天ぷらなど陳列されているものをトングで取って会計する、はなまるうどんのような仕組み。
名古屋に住み始めてすぐ、家の近くのロードサイド店の存在に気付いて、たまにお蕎麦やきしめんを食べに行っていた。夜遅いと、明るく広々した店内の物寂しさが苛烈でたまらなかった。なんか、誰のことも知らないところでご飯食べてるな〜っていう、宙に浮かんだような体験だった。
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そのときはカツ丼のことを気にもしていなかったのだ。なぜならまだ「ダイエットしよう」という気があったから。夜に揚げ物とお米をまとめて食べるだなんて…!と思っていた。*1
しかし今やもう、何の運動もしていないけどなんでも食べている。やるぞカツ丼!とワクワクしながらどんどん庵に駆けつけたら、かなり推されていた。メニューで1番写真が大きい。
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そして540円、安い。
頼むと、平たい小鍋をコンロにかけてカツを煮てくれる。
できたら呼ばれて、小鉢にきれいなお新香がついてくる。ビジュアル良い。
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で、食べたらとってもとってもとっても、美味しかった。
作りたてで煮すぎていないからまだカツがカリッとしてるところもあるし、もちろん卵と一体でしっとりしているところもあるし。これを煮ているおつゆに出汁がしっかり効いていて、多少しょっぱいのだがそれが良い。ごはんにタレがしみすぎていないのも出来たてゆえの幸せだし、あー合間にお新香*2ポリポリしてさっぱりしながらカツとごはんとループするの最高だーー
ってやってたらあっという間に食べ終わりました。

 


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人にうまかった自慢をしてたらたまらなくなって、翌週も食べに行きました。
カツ丼が大好きかもしれない。美味しいからしょうがないな。

 

 

 

*1:小麦粉の麺はいいのか?というツッコミは甘んじて受けます。カツ丼よりはまだマシっていう判断…

*2:大ぶりでちょっとMSGの味、だがそれが好き。

フレンズとザ・シェフ・ショーのこと


ネトフリ契約以来、クィア・アイやらナディアのお助けクッキングやらネクスト・イン・ファッションやら、リアリティ/ドキュメンタリーぽいものばかりをずーっと観ていて、全然ドラマを観ないでいたのだけど、よりによって『FRIENDS』を、シーズン10まで、全部観た。*1

わたしはネタバレしているほうが平和に物語を見られる方なので、途中でWikipediaを全部読んだ。
読んで「え?3回も結婚すんの?」とかいろいろと疑問に思ったことがシーズンが進むごとに解消されていきスッキリした。
がっつりとというより、ダラダラ観ていた*2のにもかかわらず、最後の方は「あーやっと終わったよ」となる、長すぎると言っていいドラマシリーズであった。これをオンタイムでずっと見ていた人たちは、最終回さぞ寂しかっただろうなと思う。
ドラマの中の日々では、誰かがしょっちゅう適当な嘘をついてはそれを隠すのに必死になって、最後にはバレるのを繰り返す。ちょっとした言葉の勘違いから、秘密が暴露されてしまったり、関係がおかしくなってしまったりも多々ある。それぞれ本当にくだらないことの方が多いのだが、共感性羞恥でハラハラソワソワしてしまうので、そういう回はバンバン早送りしながら見た。
…果たして「観た」と言っていいのかわからない視聴態度だけど、観たと思う。

いちおう勉強を兼ねて英語字幕にしているので、わからない言葉があったら調べたりしながら見た。スラングとして古いのか、表現として独特なのか、おかげさまでめったに使わない言葉を少し覚えた、、排卵とか。

 

見終わって、いまは『THE CHEF SHOW』をだらだら観ている。結局はリアリティ/ドキュメンタリー、というか料理番組。
フードトラックの映画『CHEF』で監督・脚本・製作・主演をしたジョンと、そのテクニカルアドバイザーをしたロイの二人が、レストランに行っては習って食べて、キッチンで作っては食べてする番組。とてもお腹が空く。
先日読んだ『L.A.フードダイアリー』とも繋がりが感じられる、アメリカのいろいろなスタイルの美味いものを見られて面白い。ハイエンドでデリケートな美食というより、うわ!うめえ!みたいなものがバンバン出てきて気持ちいい。
影響されてグリルドチーズサンドを作って食べたら美味しかった。*3
みんなもアメリカ人の気持ちになって作ってみよう。

【グリルドチーズサンドの作り方】

  1. パン2枚の両面にバターを塗ります。
  2. フライパンに火をつけ、バターを溶かします。
  3. フライパンにパンを2枚とものせます。
  4. パンの片面が焼けてきたら、1枚ひっくり返して溶けるチーズをいっぱいのせます。
  5. もう1枚のパンをチーズの上に重ねます。
  6. サンドイッチをひっくり返して焼きます。
  7. 出来上がり。


罪の味がします。


 

 

*1:1月から観始めて、半年かかった。もうちょっとまともな感想ブログ書いてた。 どっちもたいしてまともじゃないか…

*2:ダラダラ観るのに最適な番組

*3:写真はない。