RuPaul's Drag Race のこと


本日は休み。
ネトフリで『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン12を全て観た。
…それ以外何もしなかった。
まあ、そういう日もある。
どんどん全身の筋肉が失われていく中、ドラァグクイーンのみなさんの美しさと魂を観ているとホントに自分の怠惰さにぐったり来るのだが、もういいや…とドーナツもぐもぐ、太りながら観ている。アメリカのテレビなのでドーナツはクリスピー・クリームだ。

 

RuPaul's Drag Raceは、全米各地から集まってきたドラァグクイーンが"America's Next Drag Superstar"の冠を目指して争う、コンペティションリアリティ番組ではあるけれど、ドラマである。
毎週これが放送されてたら、楽しいだろうな(本国では毎週金曜放送)。友だちと「わたしはGigiが好き!」「わたしはHeidi派〜」とか喋りながら、毎週の勝った負けたに悲喜こもごもしたいわ…と思うけど、ついどんどん観ちゃう、誰とも喋らずに。一人暮らしネトフリあるある。

わたしはこの番組をシーズン1を観て、そのあとはすっ飛ばして、ひとつ前のシーズン11を観た。S11の優勝者が大好きだったので、彼女がずっと存在感を発揮している様子が嬉しかったな。
S1のときは、毎週どんなお題が出るかわからなくて、たとえば有名なドラマやニュース番組のパロディを演じるというお題でも、その番組自体を知らなくて苦しむ参加者もいたと思う。でもS12にもなると、参加者は全員この番組を観尽くし、愛しているから、あらゆることに対応できる人たちばかりだ。それでももちろん苦手なジャンルがそれぞれあって、悔しい思いをするシーンもたくさんあるのだけど、その中で全員が洗練されていき、殻を破っていく姿がたいへんに感動的。今回はダンスが苦手なクイーンが多くてほのぼのしてしまった。でもステージになると全員、ぜんぜん、観られるように動けてるのよね、プロだよね…。
リップシンクというものが芸であることもこの番組を観て初めて知った(渡辺直美氏のあのビヨンセのパフォーマンスに初めて名前が付いたアハ体験だった!)のだけど、この最新シーズンを観て、この芸にすごいパワーがあるんだ!と驚いた。審査員も泣いてたけど、わたしも泣いちゃったよ。


あと、わたしはル・ポール(このコンテストの主催者でありドラァグクイーン界の第一人者)の笑い声が好き。盛り上げるための、ショーのための笑い声。ほんとのプロの声。
それと、英語字幕をつけて観ているのだけど、たぶん、話してることの半分くらいしかわかってない。(ここまでこんなに書いてきて!)特に、面白い話をしてるときがわからない。すごくウィットに富んだ会話をしているんだろうけど、造語や知らない形容詞、知らないレファレンスがたくさんたくさんある。たまに大事そうな単語はGoogleで調べている。platformは政治的な意見というか立場のこと、epiphanyは悟りのこと、とか。それ以外は心の底から雰囲気だけ味わっている。

そんなわかっていなさがあってもね、参加者がそれぞれ持っている「なぜここにいるか」というバックグラウンドに、熱闘甲子園並の青春があって楽しめる、とても贅沢な番組。ネトフリにお金払っててよかったーと思う。


番組についてのもっと良い解説と文章は、尊敬する方が書いているのでさらに気になる方はぜひ。

(記事タイトルがまるかぶりしていてすみません)