帰省のこと


月曜の夜、「今日帰ろう」と思い立って、会社からまっすぐ実家に帰った。
ほぼ、正月ぶりの東京。
コロナウイルスの影響で都民はみんな防護服を来て生活していたらどうしよう、と思ったりしたけど、さすがにそんなことはなかった。21時過ぎの新幹線はガラガラでソーシャルディスタンス取り放題。全員窓側の座席に座っていて贅沢だった。23時の山手線は密ではなかったが、まあまあ人がいるなぁ、くらいの感じ。

近所の友達と少し飲んで帰宅。
話していて思ったけど、数年前まで近所の友達って一人もいなかったからとても貴重だ。いまや全然近所ではないけど、帰ると本当の深夜でもお付合いいただけるのでありがたい。

 


目が覚めると知らない景色が目に入ってくるからギョッとした。あ、実家か。
母の貼ったカレンダーには何かしらの予定が毎日書いてあって、頼もしい。さらには来年の予定も欄外に貼ってあり、その力強さに笑ってしまった。私、来年の予定で決まってるものなにもないな。羨ましい。


朝からこれまた力強いグラタンをいただき、区役所へ用事をしに行ったり期日前投票をしたり、大学生の頃バイトしていたモスバーガーでジュースを飲んだりした。
母と喋り、父と喋り、先週と先々週の週刊文春の読みたいところだけを読んでお茶を飲んだ。読みたいところだけとは、あの雑誌の中間に入っている大量のエッセイ群のことだ。スクープにはあんまり興味がないけど、クドカン、能町さん、言霊USA、文春図書館(内、読者日記)、家の履歴書あたりは必ず読みたい。なので雑誌を真ん中から開いてジグザグに読む。「こんなに読みでがあって、500円しないなんて、オトクだねえ」と言うと、母が「そうなのよ、1週間じっくり読めるわよ」と応えてくれた。わたしは先日note上の連載に課金して後悔してしまったのだが、その1ヶ月1000円とこれを比較してしまうと、文章の価値と金額のバランスってなんなんだと思う。個人商店とセブンイレブンを比較するようなものだとは思うのだけど、編集されている雑誌や本って本当に安すぎるほどに安い。

お昼に嬉しいものを食べ、お正月みたいだな〜とデレデレしたのち、兄と財政状況の確認をした。現美に行きたいが清澄白河まではちょっと遠いから、銀座のギャラリー巡りでもするかと思ったが、雨も降ってきたのでやめてしまった。銀座のような場所が、東京の価値だなぁとしみじみ思う。すごい展示を徒歩圏内で、無料でバンバン観られるのって、日本の他の都市では起きていないことなのでは。そんなあれこれの代わりに、家の玄関に取付ける手すりの工事を眺めて過ごした。すぐ終わった。
もっとゆっくりしていけばいいのに、と言われながら家を出て、仕事帰りの姉と合流してまたいいものを食べた。写真は一例です。
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新幹線に乗って名古屋に帰る。とにかくこの半年間、家族それぞれが健康を維持できてよかったな。久しぶりに全員の顔を見てホッとした。帰って良かった。