コロナウイルスのこと

2月の後半から世の中すっかり有事である。


気が滅入って何も書きたくないと思っていたけど、このときのことを記録しておかなくてどうするという気持ちでブログを書いておこう。こういう人間がたくさんいることにより"歴史"が証言の塊になるのは、インターネットの良いところ。しかしサービス終了したりで意外と消えちゃうんだよね、ということもまた別の味わいがある。

 

コロナウイルスの蔓延は、じわじわ来てるなと思っていたところで、急な休校要請によって世間のほぼ全てを巻き込んだ。総理大臣による休校要請は2月27日。翌28日は忘れられない1日になった。なんかのドキュメンタリーですか?と思うほど、ドキドキしながら働いて、それでも当日名古屋に出張に来ていた友人とお酒を飲むような余裕もまだあった。飲食店もまぁまぁ混んでいた。1週間か2週間でなんとかなるんじゃない、と思っていた。
29日からは「いまこの瞬間にやることはなんだ」と焦りながら働いて過ごして、くたびれ果てた。職場の人に「なんか、ずっといますよね…?」と言われてちょっと泣いた。毎日どこかに飲みに行き、また毎日飲み屋はまだ人がいた。
そんなこんなしているうちに世間ではトイレットペーパーが品切れ、マスクも品切れ、ライブハウスは見世物のように晒され、毎日「今日は何人の感染者が見つかったか」をニュースで見るのを欠かせなくなった。2月の半ばにハワイ帰りのご夫婦からスタートしたと思しき愛知県内の新型ウイルス感染者数は、やっとやっと落ち着いてきたかな…というのが3月18日くらいだったと思う。
時を同じくして、イタリアやアメリカ、ロックダウンされた欧米の街の様子が大いに取り沙汰され、そうでない東京での感染者数が徐々に膨らみ始めた。ワニは死に、東京オリンピックの延期が発表されたのが3月24日。東京では週末と夜の外出自粛のお願い(?)が更に出た。
私もなぜだかその様子に合わせて「外に出るべきじゃないんじゃないか」と思い、休みを家で過ごした。一人で家でTwitterを眺めては、不安と不満、そこから出たデマや正義心などの尖ったエネルギーを浴び、ものすごく気分が塞いだ。いろいろな娯楽が無料で配信されて、横山三国志を読んでみたりしたけど、落ち着かない。
美容院も水を使うし相手との距離が近いので行かないほうがいいかと思いながらも、白髪が気になるので結局行った。(自分で染める技術はない)帰りに寄った飲食店はいつもぎちぎちに混んでいるのに、なんともゆったりしていた。県内の感染者数がどんどん増えていた時期は混んでいたのに、多少落ち着いてきた今になって空くのか、と思うと、東京の影響力は甚大だ。ムードが変わった。


今は「うつすのでは」「うつされるのでは」「うつったら死ぬのでは」というマインドがどこもかしこもを包んでいる。ソリューションが「出かけない」に尽き、その取組みがいつ終わるのかわからないところが疲れる。
自分の勤め先も一生懸命いろんなところを消毒しながら営業しているけど、正直ものすごくしんどい。お客さんがニコニコしてくれることにだけ救われる。ほかのサービス業やエンタメ業の人たちもきっと、「不要不急な俺たち…」と思いながらもできる範囲のことをしているのだろう。しんどいけど。


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花を飾ろう、コーヒーを飲もう、いつもの部屋で、の世界だ。