シュガーラッシュと感想のこと

シュガーラッシュオンラインを観ました。


(以下ネタバレ)


非常に雑かつ下世話に話をまとめると、共依存気味のカップル(友情というコピーだったけどあれは友情でしたかね?)が、不意に新しい世界に出会い、女はその世界に魅了され転職してしまう。二人は遠距離になり、男はときたま彼女が帰ってくるの待つ…みたいな ストーリーでした。 「なんかどこかで聞いたことあるなあ、アハハ」と思いながら観ていました。アハハ。(上記のような理由でわたしは名古屋に来て、東京に住んでいる恋人がいる。アハハ)


こうやって書いてみると、ストーリーはとても内面的で、大人のためのものになっているように感じて、果たしてこれは子供に受けてるんだろうか?とついつい考えてしまいます。ズートピアを観たときも同じように思いました。あれはもっともっと大人向けだったような気さえします。
もはやアニメーション映画が子供向けでないことは分かってはいるのですが、それでもディズニー映画ですから、子供が見ることは前提で作られているはず。そこでこのストーリー…。小学生や幼稚園の子に見てもらって、どう思った?なんて聞きたくなってしまう。うざい大人です。もしかしたら読書感想文というのは、大人になってしまった私のような先生方が本当に子供達はどんな感想を持つのか知りたくて出している課題なんじゃないかしら、なんて思う。


私は読書感想文の宿題がとても苦手でした。なにも言葉が出てこなくて、原稿用紙が埋まらなくて。今でも本を読んだり映画を観た感想を述べるのはとても苦手で、 よかったとか面白かったとかぐらいしか言えません。これどうにかせねばと思い始めてもう15年くらい経っている。何がどうよかったとかどこが心に響いたとか、何がどうして好きなのかとか詳細に語る能力、言語化能力がその頃からなかったのかもしれない、し、それを読書感想文で鍛えなかったのが悪いのかもしれない。卵ニワトリ問題。でも、言語化能力は筋肉のようなものだと知っているので、ただの怠慢です。
小学校の頃、読書感想文がどこかの賞に通った同級生がいて、その子の感想文を放送で全校生徒が聞くという時間があったのを今でも覚えています。本人が放送室で自分の感想文を朗読するのです。チバリヨ というセリフが 決め手のお話でした。沖縄の方言でがんばれ、の意味。彼女がめちゃめちゃいい声で「チバリヨ」と言っていたのが忘れられません。それ以外の内容は全然覚えてなくて申し訳ない。彼女はあの時の文章力を生かして今も何か書いたり読んだりを楽しんでいるのかな。そうだといい。


さておき、自分が子供だった頃に観たディズニー映画の印象を思い出してみると、果たしてストーリーにそこまで思い入れていたかどうか疑問に思い始めました。
確かにシンデレラが王子様と結ばれるべきだと思ったし、意地悪なお母さんたちのことを本当に嫌だな、と思ったりはしていた。けれども、結局鮮明に記憶に残っているのは、鳥たちがリボンをつまんでシンデレラのドレスを作り上げるあのシーンだったり、約束の時間を過ぎてかぼちゃの馬車がどんどん小さくなってボロボロの姿に戻ってしまうあのシーンだったりする。もしかしたら今シュガーラッシュオンラインを観ている子供達も、ストーリーにはさておき「eBay が可愛かった」とか「ハート送る仕草」「ウェブページからウェブページへ渡っていくあの乗り物」そんなところが印象に残って面白かったと言っているのかもしれない。
今思えば アナ雪が大流行した時も、あんなに重たいストーリーはさておいて、子供が熱狂したのは あの氷のお城がメキメキとできていくあの動きだったり魔法の感じだったような。だからきっと今回のストーリーの何とも言えなさは、大人になってから気がつくのかもしれません。
あたりまえですかね。
…そんなこともスッとわからないのです、33歳で一人で暮らしていると。
もっと子供の考えることを想像できていたい気持ちはあります。
それこそ、インターネットやら SNSやらがこんなに発達しているのに、子供たちがそこで発言する様子は私には見えない(まあそれが正解だと思いますけど)。その子たちを見守る親の発言からしか 今時の子供について想像できなくて、 なんだかそのアクセスのなさを歯がゆく思います。ちょっと前まではもっと自分も子供と同じ気持ちで映画を見ているはずだったのになあ。


なんだか、どんどんミドルオブノーウェアに入り込んでいるような気がする年明けです。

あ、映画は面白かったです!

インターネットの中の概念がすべて絵になっていることへの驚きと喜びがある!


#シュガラお題



sponsored by 映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」(12月21日公開)