野菜のこと

 

私のいま住んでいる小さな街にはセブンイレブンがありません。
デイリーヤマザキミニストップだけ。
別に嫌いじゃない。手作りおにぎり関係、ついつい買っちゃうし。レジ前のポストもなんだかんだ使っちゃうし。あと、「ささみしそ巻き梅風味」おいしいし。

セブンイレブンは電車に乗って大きな街まで行かないとありません。最寄りのスーパーもイオン系列だし、歩いて行けるファミレスもガストだから、セブン&アイホールディングスの恩恵を受けることができなくてさみしい。あれは都会のものだったのか…

 

と、思っていたところ、最近会員登録したジムは真下にセブンイレブンが入っていて(すごい勢いでZAVASのプロテインやサラダチキンを2面出し3面出ししている性格のハッキリした店舗)、それが嬉しくて通っています。
セブン&アイの力を感じるのは気持ちが良いです。こんなものまで自前ブランド!あれもこれも全部美味しそう!アイスの入れ替え速っ!チョコミントの種類豊富!安室奈美恵のクリスマスケーキ!(もうない) と思いながら必要以上に店内をウロウロして、おやつ(プロテイン)か、水か、ジム前後に食べるなにかを買って帰るのが楽しいのです。

で、今日はセブンイレブンの新メニュー、関ジャニ∞監修の「野菜を食べよう!チリスープ」を食べました。
美味しかったです。オクラ、茄子、豆などいろいろ入っていて素敵でした。さすがセブンだな〜と思いながら食べていて、そういえば、と思うことがありました。

 

コンビニやファミレスのメニューで、1日分の野菜が取れるなんとかとか 1/2 の野菜が摂れるなんとかとか、ありますよね。
わたくし、ラーメン唐揚げカレーが基本の女。しかも、永遠に漫然とダイエット中の女(いまは強化期間中)。なんとなく常に野菜不足のような気がして、 すごくジャンクな気持ちでない時には、選んでしまいがちなメニューが『○日分の野菜』関連なのです。
ちなみに○日分の野菜のジュースは今ひとつ意味を理解しきることができず安心できません。なんで大きいボトルでも小さい紙パックでも○日分の野菜と明言できるのか…?

話が逸れました。

で、○日分の野菜が入ったサラダ、とか、ちゃんぽん、とか、よーしこれで野菜を食べたからなんか大丈夫な気がする!健康な気がするぞー!って思うために食べるんですけど、ずっと思っていることがあります。


その野菜、ほとんど


もやし

 
のこと、多くないですか。

 
○日分の野菜が食物繊維量のことを示してるのか、それともビタミン量ですとかがないなら、別の栄養素の事を言っているのか分からないので何とも言えませんが…単純に推奨されるグラム数をもやしで摂取してると思うとなんだか虚しい。もやしって近所のスーパーでひと袋9円だし、もやしって、もしかして、なんにも栄養ないんじゃないかなって思って。白いし。細いし。なんなら透き通ってるし。1日分の野菜を摂っても、なんかザクザクしてるだけで、なんかもっと野菜っていろいろあるよね…!?という気持ちになることが多いのです。もやし、美味しいけどさ。きっと何かしら栄養もあるんだろうけどさ。

 

そこを行くと今日のセブンの『野菜を食べよう!チリスープ』は贅沢だったなぁ、さすが!と思ったのですが、よくよく考えるとこれは『野菜を食べよう!』であって『1日分の野菜』ではなかった。


じゃぁ、『○日分の野菜』はどうなんだ、と思ってセブンイレブンのウェブサイトを見ると、ありました、同じ関ジャニ∞監修シリーズ。
『1/2日分の野菜!ガパオ風ライス』は、写真で見たところ、


めっちゃもやし!


でした。

はははそうなのか。やっぱりそうなのか。

手軽に○日分の野菜を実現するにはもやしは欠かせない原価コントローラーなんだろうな…とひとりで結論付いて、とりあえずブログに書きました。体重はあんまり落ちてません。

 
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(サラダだと大根千切りとキャベツ千切りの出番が多いな、○日分の野菜。)

京都へいったこと

 

家から1時間で京都だ。実家にいた頃の、家から1時間で湘南だ、というようなことを思うと、なんだかすごいことが起きているように思う。すべては新幹線とEX-ICカードのおかげである。


名古屋駅に向かう道すがらに最短の新幹線を予約して、普通の電車の乗り換えみたいに改札をピッとしたらもう新幹線。小田急線の快速急行に揺られるようにボーッとしていると、もう京都。
費用は小田急線のそれとは大分違うけれど、新幹線の気軽化を推し進めたJRのこの仕組みは偉大だ。そして、名古屋という中間地点の良さを知る。
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京都駅に降りたら、なんとなく出汁の香りがした…ような気がした。
名古屋駅に降りたら味噌の香りがするだろうか!いやしない!さすが京都、出汁の香りをさせるだなんて、なんたる情緒…
と思いながら歩を進め、京都に住んでいる友人と落ち合った。


祇園の花見小路という石畳の情緒溢れるエリアの洋菓子店『ぎをんさかい』でお茶をした。山椒を使ったケーキをいただいてお互いの近況を話し合い、楽しく過ごした。
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そのあとは先斗町通りをウロウロして、夜来たら楽しそうだと妄想に励んだ。

この時期の京都鴨川沿いにはもう川床が出ていて、それはそれは清々しい。時間が中途半端で川床のあるお店には入れなかったのだけど、その代わりに、鴨川の河原に座ってビールを飲んだ。まだ湿っけがなくて爽やかな風が吹いている。気持ちいいねえと言いながらまた喋ったり黙ったりの良い時間を過ごして、わたしはバスで京都駅まで戻った。

 

 

はあ、京都は自然が多くていいなあ、鴨川はいいなあ、お友達と話すのはいいなあ、また来たいなあ…そうだわ、夜ごはん用になにか自分にお土産を買って帰りましょう、そうしましょう、と思って駅のお土産店を見て回る。


そこで気がついた。
駅に降り立って感じた素敵な香りのもとは、

蓬莱の豚まんだったのだ。

 

 

そうかそうか、そういうことだったのかと思いながらも、豚まんは行列ができていたので買わなかった。生湯葉と原了郭の袋麺を買って、すぐ新幹線に乗ってしまった。蓬莱の豚まんは大好きだけど、この日の爽やかな気分を、自分で崩したくなかったのだった。

らいむらいと のこと

彼氏のお誕生日がくるので、なにかうまいものを食べて盛り上がりたいと思った。
うまいものを食べるのに理由はなくてもいいが、理由があればますます美味しいし食べ甲斐があるし、「ケ」の外食より値段を張っていいと思えるので積極的にやっていきたい。とわざわざ書いたが、今までもそうしてきたし、むしろそういう家庭に育った。日本全国酒飲み音頭のようなもので、なにかにかこつけて飲み食いしたいと思うのが、食いしん坊の性だと思う。


さてそんな折、「お誕生日はなに食べたい?」と尋ねたところ「うーん、肉かな。」と返事があった。


肉か。


肉と言っても多種多様。ステーキか?焼き肉か?ローストビーフというのも洒落ているな…などなど思い、カルネヤさんかしら、ゆうじかしら、前に会社の先輩に連れて行ってもらった末広町の「生粋」はリーズナブルで楽しかったなあ、などと考えていた。
すると相手が言うのだ、「ハンバーグが良いな」と。


ハンバーグ!(井戸田潤)


肉と言われてそもそもハンバーグのことを思い出さなかった。ハンバーグについて何も知らないぞ。行きたい店のブックマークが700件超もあるのに、ハンバーグの店は1件もない。

どうしよう。
Twitterでつぶやいてみた。


すると数名から実際にDMをいただいたので、その中より検討し始めた。渋谷のゴールドラッシュ、ふむふむ、神保町のアルカサール、ふむふむ。
美味しそう、美味しそうだけど、なんか、想像できちゃうな…(オススメしてくださった方、すみません、いただいた場所は悪くないのです、追って訪問いたします)


と少し悩んで、思い出して検索したワードが「フォーリンデブ ハンバーグ」。

わたしはフォーリンデブ氏をグルメブロガーとして大変信頼している。胃がこの人みたいになりたいと思う。焼き肉のあとにウニ丼を食べるような生活に憧れる。そんな方だから、特にこういうしつこいものについては信頼もひとしおだ。


そこで辿り着いたのが市ヶ谷「らいむらいと」であった。


コースメニューがあってワインも飲めて、バースデーデザートもやってくれる。デートらしくて良いと思って予約した。なにより、ハンバーグは東京で一番と言われたこともあるらしい。万全だ。


コースは前菜から始まり、スープやお魚を経てハンバーグへ辿り着く。
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はじめの一品「ズワイガニイクラのマリネ和風ゼリー」はカニの脚が大盛りなうえにゼリーの出汁味が濃くって力強かった。私がゼリーについて「旨い…ラーメンのスープみたい」と言ったことは内密にしてほしい。


さて、ハンバーグだ。
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「らいむらいと風チーズハンバーグ200g」


ご飯とお吸物のセットにするか、焼きおにぎり入り椀が選べる。
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焼きおにぎり越しに撮ってみた。


これが、このチーズハンバーグが、まあ、驚くほど、驚くほど驚くほど旨かったのである。


「わっ、おいしーい♡」というより「うぉっ、旨い!!!」という味。


大きなハンバーグはしっとりふかふかしている。載せてあるチーズは厚みが1cmくらいあってまったりと主張してくる。そして、ガーリックバターのソース。ソースが一番の肝。これが濃くって旨みの塊。固まってないけど。これだけで若者なら何杯もご飯が食べられるだろう。このソースを余すことなく食べ尽したい…という気持ちに応えるようにマッシュポテトとブロッコリーが添えられている。2つとも、めっちゃソース吸ってくれる。ご親切にありがとうございますと御礼を言いながら吸わせて食べる。予想以上においしくて、楽しくて、小躍りしてしまう。わたしはハンバーグで小躍りしたことが、今まであっただろうか。


「うまいね!」と小さく叫びながらハンバーグをリクエストした本人を見ると、なんと、おしぼりで涙を拭いていた。大丈夫ですか、美味しいですか。


曰く、頷きながら、
「なにかが『美味しい』と思うことはあるけど、それは『ジェットコースターに乗ったら面白い』みたいなものだと思っていた。『美味しい』ことが『幸福』に直結してたことを、俺は今まで知らなかった。初めて経験した。これは、幸せだ。」


よ、よかったね…


その後も「俺は今までハンバーグに対して本気を出してこなかったことに気づいた」「これは絶対に最高のチーズハンバーグ」等々、涙ながらに語りつつ、ソースを掬いきって食べていた。オタクだから好きになったものについての話が長い。(良いことです)


よく考えてみたらそうだ。彼はハンバーグが好きと言いながら、基本はガストのチーズハンバーグかサイゼリヤのイタリアンハンバーグを常食している。お腹がすいたら選ぶ「いつものメニュー」がハンバーグなのだ。実際それらもハンバーグであるには違いない。そしてそれらは美味しくないというわけではない。

最近ちらほら見かける「飲めるハンバーグ」みたいなところにも行ったけれど、それも「いつもの」の流れの中にある、美味しく食欲を満たしてくれるものの派生であったのだろう。

でも、今回の出会いは、「いつもの」を圧倒的に超える味覚の体験だったのだ。そういうものに出会うと、泣いてしまうのかもしれない。

なんか、うん、わかるよ…と思いながら、焼きおにぎりを崩して食べた。美味しかった。


しかし、美味しいものを人に紹介できて喜ばれたときの、この嬉しさは一体なんだろう。

美味しいものを作っていて偉いのはお店なのに、なぜ自分の手柄のように思うのか。しかもご馳走するもんだから、支配欲なのか征服欲なのか、そういう困ったものが満たされてしまう。

そんなことがあるから、ますます行きたいお店のリストが増えていく。 美味しいものは好きな人と食べたい。好奇心と食い意地とドヤ欲と、組み合わさると忙しいのだ。

 

 

 

クィアアイのこと

今更ながら『クィアアイ』を見た。

面白いね、面白いし嬉しいし、涙が出ちゃうし、とってもいい番組だわ…と思いながら見た。

具体的に言うと突然休みになったときにシーズン1の全エピソードを一気見した。


ご存知ない方のために簡単にご説明すると、『クィアアイ』はNetflixで見られるリアリティーショー。ちょっとイケていないアメリカ男が、イケているゲイの5人組(Fab5と名付けられている。Fabはfabulousの略だ。)によって、数日間かけて変身されていくというもの。調べると、2003年から2007年までアメリカのケーブルテレビでやっていたシリーズが、Netflixで2018年に復活したということらしい。


暇だった大学生の頃に、よくお昼のワイドショーで「奥様大変身」とか「旦那様大変身」とかそういうのをよくやっていて、観ていた。それは基本的に、髪の毛・メイク・ ファッションを1日で変えてしまいます!という内容だった。 それを配偶者やら子どもやらが見てびっくり、奥様涙、みたいなやつ。


クィアアイは、数日間かけてその人が変身するための精神的ストッパーになっている部分に働きかける。家の中のメイクオーバーもするし、ファッションだけでなくライフスタイルも変化させる。そのためにそれぞれのエキスパートである5人が 一人の男に対して 立ち向かっていく…ではなく…サポートする。
彼らが、その人のいいところを見抜いてヘアスタイルやら髭やら眼鏡やら変えていくと、本当にそのダメだった男性がかっこよくなってしまうので、テレビを見ながら毎回びっくりしてしまう。
しかも、彼らは訊くのだ、"Does it feel like you?"と。無理はさせないのに変身させる。なんだか本質的な優しさがある。ボサボサに伸ばしたヒゲを剃るときも、"You are handsome guy, let people know that!" とかなんとかで自信をもたせる。
観ている間はアメリカナイズドされているので、喋り方もアメリカンになる。 Oh, amazing! This is soooo nice! とか言いながら観る。(楽しい。)


メンバーがそれぞれの葛藤と出会う場面があるのもすごく良くできている。ガチガチのクリスチャンとゲイ…とか、白人警察官と黒人…とか、家族にカムアウトできていないゲイ…とか。その辺の緊張感が番組の中で少し和らぐことが、いまアメリカで、または世界中で起きているよしなしごとを、ほんの少し和らげる力があるように思う。


でも違和感があるのは、fab5のフード担当メンバー・アントーニの提案するメニューたち。なんか中途半端すぎると思うのだ。"簡単な"とか"とてもシンプルな"とか言うんだけども、そのへんのバランスが、日本のアラサーOLにはわからんのだ。
ワカモーレを石の鉢で作ってみたり。(プラスチックのボウルで良くない?)アボカドとグレープフルーツのサラダ、以上、とか。(足りる?)グリル野菜でチーズフォンデュ、以上、とか。(足りなくない?)
その後人々は何を食べるのかが心配で心配で仕方がなくなってしまう。アメリカ人絶対ピザ頼んじゃうじゃろ(偏見)。
実際アメリカ人はパーティーではあまりものは食べなくて、飲み物ばっかり飲んでいる、らしい。それは嘘ではないと思うのだけれど、アントーニの伝えることはこれだけなのか、本当はもっと色々なメニューが変身する人たちには伝えられているんだろうか…だって「スーパーでの買い物の仕方を教えるよ!」とか「家族みんなで簡単だけど栄養のあるメニューを作ろうよ!」とか言ってるのに、いつも「1品」なんだもの…というのがそれがどうも気になってしまった。


まあでもわたしはFab5の中でアントーニが一番好きです、なぜなら顔が好みだからです!!!インスタをフォローしたぞ!!!!

タンドゥールのこと

誰に教えてもらったか忘れたが、カレー店「エリックサウス」が好きで、疲れて元気が出ないときや風邪を引きそうなときや単純にカレーを食べたいときに東京駅または永田町駅直結のお店(とはいえ永田町からはまあまあ歩く)に行っていた。どちらも通勤経路にあったので救われていた。

永らく夜の糖質を断っていた関係もあって、三種の野菜カレーとチキンティッカだけ、みたいな注文もよくしていたし、ほんとうに元気のないときはミールスを混ぜまぜして食べるとお米のパワーもあってエネルギーが充填されたような気持ちになった。ここにくればいつでもビリヤニが食べられるというのも、そんなに注文しないくせになぜか嬉しかった。

https://www.instagram.com/p/BKQV5UPgZte/

ありがたいカレーありがたい

(ちなみにその前はよもだそばのカレーで力を出していたのだがそれはまた別件である。)


エリックサウス好き好き、と思っていたある日、お店の経営者のTwitterアカウントがあることに気が付く。読んでいると、あの「サイゼリヤをコースで楽しむ」人だった。

 

 

最近は松屋の記事でバズっていたイナダシュンスケさん。もともと東海地域に縁のある人でもあるとわかった。そしてエリックサウスは名古屋駅にも出店していたのだ。福音だ!と思った。


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(名古屋のエリックサウスにはバーフバリを観に行く前の景気づけで訪問した。)(ちなみによもだそばも名古屋駅に出店しているので、いずれも私の心の健康に一役買っている。)

 


やっと本題に入ります。


ミヤコ地下街の「タンドゥール」というカレー店を、さきほどの氏のツイートで知った。


即メモした。


名古屋の中心は地下街が必要以上ではないかと思うほどに発達していて、ミヤコ地下街はそのうちの1つである。名古屋駅直結なのだが、どういう経緯なのか、割合シャッターが閉まっているお店が多いエリア。ちょっと駅から離れすぎているからなのかもしれない。

その中で、ひとり気を吐く「タンドゥール」。店に入らずともずっと昔からやっていることはわかる、しかしいわゆる本格的なインドカレーなのかどうなのかはよく分からない。 メニューがカレーとライスしかない。そしてラッシーとチャイアンドビスケット、あと、アイスクリーム。つまり、ご飯はカレーしかない。あ、あと、野菜サラダがあった。
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何度か前を通ったがカレーの気分ではなかったり、すでにお腹がいっぱいだったりで 入ったことがなかった。今日のお昼、ちょっと寒かったので「今こそ地下街でカレー!」と思い立って入ってみた。
コの字型のカウンターの中にいるお店の方。おばさまとおばあさま、という感じのお二人で、実質はおばさまがお一人で回しているようだ。「カレーは甘口辛口中辛です」と言われ、中辛で と答えると一瞬でカレーが出てくる。 もうカレーは出来上がっているのだ(!)。 ソースポットに溢れんばかりの量のルーが供されてその後、銀の大きなお皿にご飯をいっぱい載せてくれる。
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後から来たお客さんが、ご飯半分で、という風に注文していたが、私もそうすればよかった。個人的にはちょっとご飯が多かった。でも めちゃめちゃ白飯が食べたいという気分の時には逆に良いかもしれないし、男性には自動的に多く盛っているような様子だった。

 


おばさまの言葉遣いが可愛い。

「はい中辛ね☆」「ありがとう☆」「わたしスプーンお出ししたかしら☆」「ご飯足りなかったら言うてくださいね☆」 全て語尾に星がついているように聞こえる。淡々としているのにキュンとさせてくる。ずっとやっているから自動的にそんな声になるんだと思う。

 


カレーはみじん切りの玉ねぎがぎゅうぎゅうになった、ちょっと思い出してみると新川「デリー」のコルマカレーの仲間のような、それとも昔地元にあった「いんでいら」のカレーのようなイメージ。でも玉ねぎは全部トロトロではなくて、すこしシャクシャクとした感もある。そこに鶏肉がポロポロ入っている。鶏肉は、だしのような感じで、メインはあくまでも玉ねぎとそれに絡んでいるスパイスである。チキンカレーの鶏がトロトロした感じとかブリっとした感じとかはない。

だけど、美味しい。温まる。すごい提供スピード。追加で丁寧ながら淡々としたホスピタリティによるムードの良さ。なるほどこれはひとつの文化のようなものだなぁと思う。


調子に乗ってチャイとビスケットも頼んでみた。チャイはおばさまがゴリゴリとすり鉢でスパイスを潰してくださって、きっちり煮出して できたてを飲ませてくださる。カレーのスピード感を見ていたので、まさかイチからきっちり作るものとは思わず、お忙しい時間に頼んでしまって失敗したなという気持ちになったが、ロータスのキャラメルビスケットをしょびしょびにさせながらとっても良い香りのチャイを、しかもすごい量飲ませてもらって、 大満足だった。
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さて果たしてこれはインドカレーなんだろうか。その辺の知識が弱いのでよくわからないけれど、イナダ氏曰く、こういったタイプのカレーがかつての名古屋にはいくつか存在しており今はなくなってしまったというのだから、またおもしろい。

私がちんたらチャイを飲んでいる間にも、何かの合間に立ち寄る女性一人やら男性一人やらカップルやらがたくさん入ってきては食べ出ていって、きっと暫くはなくならないだろうなあ、そしてなくならないでほしいし、なるべく頑張っていただきたいと、少し祈るような気持ちになってしまった。
日常性のあるカレーっていいなと思う。きっとまた行ってしまう。風邪を引きそうな時には辛口を普通盛りのご飯で食べてしまうと思う。

スポンジのこと

以前断捨離の本を読んでみたら、著者の方はまあ色々捨てているし色々を生活から排除しているわけですけど、一番ショックだったのは「布巾とスポンジをやめろ」ということでした。

じゃあその代わりに何を使うのかというと、キッチンペーパーと メラミンスポンジ(いわゆる激落ちくん)を使い捨てることで物を溜めない生活をする、というわけなのです。


これは名案だなと思いました。


でも、布巾をやめることはできませんでした。
なぜなら布巾のような中途半端な布が大好きだからです … 女子のコミュニケーションの中で手ぬぐいやふきんのような布を何かしらのお土産にするというのはよくあることですし、それを捨てるのもつらい、 お気に入りのものはなるべく使っていたいし近くで見ていたいものなのです。
こういう考えがある時点で 自分は 断捨離とは 全く合わない性質 の人間だと理解してはいるのですが、 もう一つの方、スポンジについては目から鱗が落ちる思いで 早速実践しはじめました。スポンジにはなんとなくずっと悩まされてきたように思っていたからです。

 

そもそも私はクレンリネスの概念が乏しく、何が清潔で何が不衛生なのか、実際に綺麗だったり汚かったり見えるようになっていないとわからなくて、生活力や人間力の弱さを感じます。テレビの CM なんかでよくある「こんなところにこんなにいっぱいバイキンがいるんです!ギャー!」みたいなやつは大嫌いです。なぜなら今まで考えなくてよかった汚れについてまで考えさせるからです。ゆくゆく見えるようになってくる汚れ (例えばカビとか)は、それが見えてこないようにするという努力をするので理解できるのですが、それ以上の世界になってくるともう、お化けと闘っているような気持ちになって、お手上げです。
以前、穂村弘が 本に書いていた 「牛乳が賞味期限が切れた瞬間に真っ黒になればいいのに」という考えには(さすがに賞味期限は見るけど)大賛成で、こうなると食べられない、こうなると危ない… そういうことを見えるように教えてくれたらいいのになと常々思っています。


スポンジの話に戻りますと、断捨離方式ではコンビニや100円均一で売っている大きめの激落ちくんを買ってきて、ちょうどいい大きさに切ります。 それをしばらく使って、くたびれてきたら捨てます。 1〜2週間に一度捨てるようなイメージです。これがとても快適です。
今まで普通のスポンジ食器洗い用のスポンジを使ってきましたが、だんだん汚くなっていくようにも感じつつ、なんだかまだ平気なような気がして、中途半端にずっと使っていました。いつがこのスポンジの消費期限なのかがわからないので、いつ捨てたらいいかわからないというのがとてもストレスだったように感じます。そもそもスポンジが汚かったら洗っているお皿は実際にキレイになっているのか?泡をつけてゆすいでいるけど、本当にこれでよいのか?そもそもこの泡はなんなの?疑念が渦巻きながらの皿洗いでした。
今は いつ捨ててもいい、色が変になったらもう捨てる、という考えにシフトして、とても楽です。ただし、環境的によいのかとか、エコロジカルでないとか、そういう思いが胸に去来することもありますが、その辺はほかの事で何かしらのカバーをしていけたらいいなと思っています。


何かをやめるというのはある種昨今の流行のようですが、実際にやめてみると気持ちのいいこともありますね…という中途半端なまとめで失礼いたします。ではみなさんよい土曜日を。

香港に行ってきました 3

前職ではたくさん出張に出させてもらい、その中でも一番多く立ち寄ったのは香港だった。

目的地は中国本土なのだけど、香港経由で行くことが多かったのだ。上司や同僚、現地のお取引先と一緒にいることもあったけど、香港には一人でいることのほうが多く、よく宿泊していたエリアの近くは夜ウロウロしていた。道も迷わないし電車で緊張もしなくなり、最低限の荷物で行動していたので、よく観光客に道を訊かれたりもした。言葉が全然できないので、なんのお役にも立たないのだけど。


そんな前職での最後の出張のとき、すでに今回(2018年2月末)の旅行のことが決まっていて、すごーく嬉しくて、友だちと香港にいるなんて最高!なに食べよう!どこ行こう!って心ときめかせていたら、iPhoneをタクシーに置き忘れた。降りて3分で気付いたけど時既に遅し。レシートも受け取っておらず。ましてやタクシーのナンバーをや。いろいろ届け出たり電話したりFind my iPhoneしても位置情報無効にしてるから見つからず。
浮かれてた、気もそぞろだった、そういうのは良くない。海外では油断大敵という鉄則を忘れていた。まあ常に油断して生きてるようなもんだけど。


そんなときに必ずみんなと行きたいなあと思っていたのが、雲呑麺と、煲仔飯である。


雲呑麺は香港ではどこでも食べられるし、ここが美味い!というオススメが人それぞれにありそうなのだけど、私はここが美味しいと思っている。

龍記雲呑粉麺

Lee Wai Commercial Building, 1-3 Hart Ave, Tsim Sha Tsui
龍記招牌雲吞 (香港) の口コミ50件 - トリップアドバイザー

ここは、ほとんどの人が雲呑麺しか頼まない、ナイルレストラン的なお店。入ると、「エビワンタン麺?」と訊かれる。うんうんと頷くと、すぐ出てくる。小さくてかわいい丼に、澄んだスープ、ちょっとカリカリした歯ざわりのある細い麺、下にごろごろとブリブリしたエビ雲呑。テーブルの美味しい辣油をちょびちょび付けながら食べる。ラーメンのようなボリュームと重さがないので、すごく美味しい軽食といった感じ。
で、ここまで語っておいてなんで写真がないのかね?それはなんと、こちらのお店、この2月末の旅行では、旧正月のお休みで開いていなかったのだ…。売り手が強い店は休みが長い好例…。
泣くかと思った。
めちゃめちゃお腹が空いていたので、悔しかったけどすぐ隣の源記餐廳(よく見かけるから多分チェーン店)に入って雲呑麺と焼き物の載ったご飯などを食べた。f:id:l11alcilco:20180224134450j:plainf:id:l11alcilco:20180224134455j:plain

これはこれでまあ良いんだけどね…。

 


そして、煲仔飯。具の載った土鍋ご飯で、もともとは冬の食べものらしいのだが、観光化エリアでは年中食べられる。

一度、ひとりで食べたことがあったのだけど、めっちゃいろんな具が選べるのにひとりだと1つしか食べられない…隣のテーブルの4人組がワイワイしてるのが羨ましい。あと、4人組が頼んでる牡蠣のお好み焼きみたいなのを食べたいけどひとりには多い。絶対大勢で旅行に来てリベンジするんや…と心に誓った…ので来た。なんて自分勝手なんだ。


どのお店が美味しいのかわからないので、行列の有名店に。
四季煲仔飯
50-52 Arthur St, Yau Ma Tei, Hong Kong
Four Seasons Clay Pot Rice - Google 検索

 

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これは腸詰と鶏肉が載ったもの。

 

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これは鰻が載っている。

この食べ物は、なにが美味しいのかわからないんだけど、妙に美味しい。素朴と言ったら聞こえがよすぎるような。具材とご飯の香り、甘いような辛いような醤油の風味。ぼやーっとしている。香港らしい、広東料理的なものは、そもそもぼやっとした味のものが多い気がする。でもなぜかまた食べたくなる味。


念願の牡蠣のお好み焼きはこの店ではかき揚げのような商品で、これはこれでまた良かった。

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そのあと並びの店(行列を見込んだ便乗商法の店だと思う)で牛モツの煮込みおでんを買い、ウロウロしながら途中のコンビニで買ったビールと一緒に食べ、また別なお店で串焼きを買って路上の椅子に座ってダラダラ食べた。

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団体旅行だからこその、ちょっぴり若返ったような、のびのびとした時間だった。嬉しかった。